ハーバード大学病院肥満症専門医が「カロリーではなく食事の質」という理由

2020/12/14/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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「カロリーは単純な算数」という誤解

ほとんどの人が、体重を落とす方法は単純な算数だと考えています。

口にするカロリーを減らせば痩せられる

or/and

消費するカロリーを増やせば痩せられる

と。

しかし、何十年にも渡って信じられて来たこの古い戦略が、実は、大きな間違いであったことをハーバード・メディカルスクールの小児医療の助教授であり、肥満症の専門医のファティマ・コーディ・スタンフォード医師が説明しています。

ソフィアウッズ・インスティテュートのヘルスコーチングが立脚している統合食養学(ホリスティック栄養学)では、「カロリーではなく機能」という立場をとり、そもそも、カロリー計算をしません。私達の健康にとって重要なことは、食品のカロリーではなく、食品のもつ機能だからです。

今回、一流大学の大学病院の肥満症専門医が、そうした統合食養学のアプローチの正しさを裏付ける記事を書かれていましたので、和訳要約してお伝えすることにしました。

カロリー信仰を捨てる

スタンフォード先生は、

注意深くカロリー計算をしても、常に同じ結果を生むわけではないということが真実です。あなたの体のカロリーを燃やす力は、多くの要因に依存しています。例えば、どんなものを食べたのか、あなたの基礎代謝、あなたの腸内細菌の顔ぶれなどです。誰かと同じカロリーの食事をしたとしても、あなたの体重は、その人と同じにはなりません。

と、述べています。

更に、「カロリー信仰を捨てなさい」とも、スタンフォード先生はおっしゃいます。

「カロリー摂取とカロリー消費についての、
この概念は古いだけでなく、間違っています」

これからは、カロリー計算ではない、異なるアプローチを摂るべき時だと述べられ、食事の質を向上させて、継続可能なライフスタイルを築くことの重要性を強調しています。

全てのカロリーは平等ではない

“Not all calories are created equal”

「全てのカロリーは生まれながらにして平等ではない」

この言葉はまさしく、私が統合食養学(ホリスティック栄養学)の公認ヘルスコーチ資格を取得した学校(IIN)の校長先生がよくおっしゃっていた言葉です。

IINでは、多くの医学生や医師が受講していますので、もしかしたら、スタンフォード先生もIINで学んだのではないかとふと思いました(笑)

体のカロリー処理力に影響する3つの主な要因

1. 腸内細菌の顔ぶれ

数兆個もの微生物があなたの腸内に住んでいます。あなたの腸内で多数を占めている微生物の種類によって、あなたがどれほど食事からカロリーを吸収しやすいかが異なります。

太りにくい体質の人は、太りやすい人とは異なるタイプの腸内細菌が多いことが科学によって明らかにされています。

「痩せている人の腸内細菌を肥満症の人に移植すると、
体重変化が起こります」

あるタイプの腸内細菌は、他のタイプの細菌よりもカロリーを効率的に代謝できる能力をもっているからです。

私達を肥満する腸内細菌については『内気で小心者の常在菌を豹変させリーキーガットを起こす弾きがねとなるもの』をご参照ください。

2.基礎代謝

基礎代謝というのは、私達が眠っている時(呼吸以外の活動をしていない時)に消費するカロリー量のことです。基礎代謝が高ければ、眠っているだけで、やせることができるというわけです。

私達ひとりひとりには、体重の「決められた幅」があります。

この「幅」は、遺伝子や環境、そして私達の行動などのいくつかの要因によって決定され、脳の深い部分にある視床下部では、体温や体重が「決まった幅」から低くなり過ぎることがないよう防御してくれています。

体重を減らしたいと考えている人にとっては、迷惑な話かもしれません。この「決められた幅」が、やせたいあなたの努力むなしく、ある一定の体重にまで落ちると、突然、何をしても体重が落ちなくなる理由です。そして、96%もの人が、リバウンドしてしまう理由です。

「食事制限と運動によって、
短期間に大幅に体重を落とすことに成功した人は、
その後、体からの反撃にあいます。」

と、スタンフォード先生はおっしゃいます。

食事制限によって短期間に大幅に体重を落とした人の基礎代謝もまた、食事制限前と比較して大幅に落ちていることが研究によって判っています。極端な食事制限は、「代謝順応」を起こしてしまうため、リバウンドが確実に起こってしまうのです。

この代謝順応など極端な食事制限の間に起こっている体内の変化については、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで分かりやすく詳しく教えています。

余談:「食事制限と運動で短期間に結果にコミット」ってどこかのCMで聞いたことがありますね(笑)その後超絶リバウンドされた方が私のところへご相談にいらっしゃること多々です。

3.食事の種類

食品の選択は、カロリー摂取に影響を与える可能性があります。でもそれは、その食品自体に含まれているカロリーの量のことではありません。

『細胞代謝(Cell Metabolism)』誌に2019年に発表された論文は、加工食品を食べている人は、加工食品を食べない人と比べて、より多くのカロリーを欲する傾向にあると報告しています。

この調査では、20名の被験者(男女10名ずつ)が2つのグループに分けられ、総摂取カロリーが同じになるよう食事が提供されます。ただし、ひとつのグループの食事は自然食品で構成されており、もう一方のグループの食事は超加工食品(コンビニフード)で構成されています。

2週間、食べ続けてもらうと

「超加工食品を食べたグループのみで、皆、体重が増加しました。
同じカロリーの食事が与えられていたのにです。」

また、好きなだけ食べても良いと伝えた時には、超加工食品を提供されたグループは、平均してひとり当たり1日に500kcal多く食べたとのことです。しかし、その後、自然食品の食事に切り替えたところ、欲するカロリー量が減少したとのことです。

これは、脳はカロリーに反応して満腹を感じているのではないということです。同じカロリーの食品同士でも、自然食品は少ない量で満足し、加工食品では満足感が得られないのです。だから、余分に食べてしまうのです。

「脳は健康的でナチュラルな食品を好みます。」

と、スタンフォード先生はおっしゃっています。

なお、超加工食品に関する更なる情報は『ウルトラ・プロセスフード(超加工食品)』を参照ください。

体重管理(ウエイト・コントロール)の成功要因

カロリーを数えることが体重を管理する上で信頼できる方法ではないとしたら、あなたは不要な脂肪を落とすのに何をしたら良いのでしょうか?

スタンフォード先生が勧めていらっしゃる方法をご紹介します。

1. 食品の質に注目する

お料理する時には、加工食品や化学調味料を使わない、あるいは減らす努力をしましょう。

上でお伝えした通り、加工食品はあなたにもっと食べたいと思わせるだけです。

その代わりに、全粒穀類、果物、野菜などの自然食品を多く食べるようにしましょう。

2. 定期的に運動する

体重を落とすためには、週に150分間(1日20分以上)の中程度以上の運動をすることを目標にしましょうと、スタンフォード先生はおっしゃいます。

「もちろん何もしないよりは、どんな運動でも良いですが、
体重を落としたいのであれば、少しキツイと感じる運動の方が効果的です。」

中程度の運動とは、運動しながら話ができるけれども歌うことはできない程度の運動のことです。

ソフィアウッズ・インスティテュートの経験から言うと、これは、肥満の程度によるように思います。私の今までのクライアントさん達は皆、キツイ運動などすることなく、食事とご自分が心地よいと感じる軽い運動だけで適正体重に戻っています。

また、『運動好きじゃない人を運動好きにさせる意外な方法』も参考にしてくださいね。

3. しっかりと眠る

睡眠不足は、サーカディアン・リズムと呼ばれる体内時計のリズムを狂わせ、体重増加を招きます

あなたの体は夜眠って昼間起きていることを好みます。看護師を20年間追跡調査した研究では、夜勤をする看護師はより太りやすいことが報告されています。睡眠不足や質の悪い睡眠は、体内リズムを乱し、体を混乱させます。睡眠不足は、あなたの食欲を刺激するホルモンの分泌を促し、あなたの体重を増加させます

睡眠と体重増加との関係については、『「睡眠が足りないと食事を減らしても痩せない」』をご参照ください。

4. 医薬品に注意する

医薬品の中には体重を増加させるものがあります。

詳しくは『あなたが痩せないのはその薬が原因かもしれません』をご確認いただくとして、最近、太り始めた人で、同時期に新しい薬を飲み始めた人は要注意です。

医師に別のお薬に替えてもらえるか相談してみてください。

5. ストレスを解消する

睡眠の質と同様にストレスも体重を増加させます

ストレスと上手に付き合うことができれば、体重を増加させずに済みます。

6. ヘルスコーチに相談する

「大体、ダイエットは失敗するものだと多くの人が信じています。
でも、それば間違いです。」

と、スタンフォード先生はおっしゃいます。

様々な他の不調と同様に、適正な体重についても専門家からのサポートが必要な事柄です。健康的に体重を減らすために必要なことは、食事制限と運動だけではありません

「専門家に相談してみましょう。」

と、スタンフォード先生は勧めています。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

統合食養学の公認ヘルスコーチは、ひとりひとりのバイオ個性に沿ってヘルスコーチングを行います。それは食事に留まらず、ライフスタイルへの提案に及びます。

もしスタンフォード先生がご説明された落とし穴に陥ることなく、あなたのバイオ個性に沿った食事にご興味があれば、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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あるいは、ヘルスコーチに頼ることなく、ご自分でなんとかしたい。スタンフォード先生がご説明になった体の仕組み(決まった幅のこと、代謝順応のこと、サーカディアンリズム、ストレスと肥満、睡眠と肥満など)について詳しく学びたいと、お考えなら、セルフドクターコースへお申し込みください。

ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを教えています。

新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

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参考文献:“Stop counting calories”, October, 2020, Harvard Women’s Health Watch

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング