
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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2021年2月に科学専門誌『ネイチャー』の分科専門誌『ネイチャー・メディシン』に肥満症の原因としての「炭水化物犯人説」を否定する証拠となる研究が掲載されていましたのでお伝えします。
でも、その前に食事と肥満の研究の変遷と今までに判明している事実を整理しておきたいと思います。
目次
極端なダイエット法が必ずリバウンドを起こす科学的な理由
1970年代以降、世界的に増え続けている肥満症やメタボリックシンドロームの原因を探るために、食事内容や食欲と肥満との関係を調査した研究が多く存在しています。
70年代、敵は砂糖だと思われていた

例えば、1970年代には、砂糖(炭水化物)が肥満の原因だと考えらえていました。そのため、シュガーフリーとかノンシュガーという言葉と共に、人工甘味料が流行り始めました。
コーヒーショップのテーブルの角砂糖の横にサッカリンの小袋が置かれるようになったのもこの頃です。
でも、肥満の増加は止まりませんでした。犯人は白砂糖ではなかったのか?
80年代後半、敵は脂肪だった
80年代後半には、脂肪が過剰なカロリー摂取の原因とみられるようになり、ファットフリー(無脂肪)や低脂肪食品などが人気になりました。
コーヒーショップでスキムミルク(低脂肪乳)が選択肢に加わったのはこの頃です。
でも、やっぱり肥満の増加は止まりませんでした。犯人は脂肪/油ではなかったのか?
90年代、敵は高カロリー密度になった

炭水化物と脂質はヒトが摂取するカロリーの2大マクロ栄養素です。そのため90年代に入ると、食欲に関する研究が多く行われ、特に、私達の食欲を過剰に刺激する犯人は炭水化物と脂肪のどちらなのかを突き止めるために行われました。そして判明したことは
1. 摂取カロリー量と食欲は反比例する
- 炭水化物や脂肪を多く食べるほど摂取カロリーが増加することで、食欲が減ること
- 運動などによってカロリー消費が多いほど食欲が増すこと
など、食欲と摂取カロリー量が反比例の関係にあること確認されました。食欲を抑える(食べ過ぎない)ためには、しっかりカロリー(脂肪と炭水化物)を摂らなければいけないということです。
2. 摂取カロリーが特定の栄養素に偏り過ぎるとカロリーのバランス調整機能が働かなくなる

また、こうしたカロリーのバランス調整機能(恒常性機能|減ったら増やして、増えたら減らして一定を保つ)は、特定の栄養素が異常に多い偏った食事によって機能しなくなったり、あるいは機能が弱くなってしまうことが示めされました。
過剰な食欲を抑えて食べ過ぎを防止するためには、しっかりカロリー(脂質や炭水化物)を摂らなければいけないが、その時、脂質と炭水化物のどちらか一方にだけ食事が偏り過ぎると、やはり食欲は治まらず食べ過ぎが起こるということです。
つまり「○○抜きダイエット」は解決策にならないことを科学が証明しています。
3. カロリー密度の高い食事は、過剰に食欲を増進させる
カロリー密度とは、1g当たりのkcal量のことです。
具体的には
- 高脂肪食が、過剰な食欲を促すこと
- 高GL(グリセミック負荷)の炭水化物を食事に少し加えるだけで食欲が増進されること
が示されました。
GL(グリセミック負荷)|ハーバード大学が推奨する新しい指標。GIよりも正確に血糖値への影響を示す指標。ソフィアウッズ・インスティテュートでは、ヘルスコーチ養成コースで教えています。
つまり、全ての油や脂が悪い分けでも、全ての炭水化物が悪い分けでもないこと、しかしカロリー密度が高い食品や料理、つまり油/脂肪に偏りのある高脂質なものと高糖質の炭水化物が過剰な食欲を刺激することが科学的に示されたのです。
高GL炭水化物は、統合食養学が「単純な炭水化物」と呼ぶものです。統合食養学は「複雑な炭水化物」を食べることを勧めますが、それにはこうした科学的な裏付けがあるからです。
21世紀、食欲とカロリーバランスを崩す真犯人捜しから始まった

21世紀に入ると、食欲と摂取カロリーのバランスの崩れが肥満症の主な原因ではないかと考えられるようになりました。
そして、食欲と摂取カロリーのバランスに影響を与える真犯人として
高糖質の炭水化物 vs 高脂肪食品
の議論が浮上しました。
高糖質の炭水化物真犯人仮説の主張
高GL(グリセミック負荷)の炭水化物を食べると、食後血糖値が上昇し、食欲・摂取カロリー・体脂肪の蓄積が増加する
高脂肪食真犯人仮説の主張
高脂肪食は、カロリー密度(1グラムあたりのkcal)が高く、また嗜好性も高いため満腹感が弱く、無意識あるいは受動的にカロリーの過剰摂取(食品からに限らず)を招くことから、体脂肪を蓄積させる
ネイチャーメディシンに掲載された最新研究

2021年2月の『ネイチャー・メディシン』に掲載された研究は、高GL(グリセミック負荷)の炭水化物と高脂肪食のどちらが、食欲と摂取カロリーに影響しているのかを見極めることを目的に実施されました。
具体的には、
- 植物性の低脂肪(高炭水化物)食
- 動物性の低炭水化物(高脂肪)食(カロリー密度は、高炭水化物食の2倍)
が、食欲に与える影響を検証しています。
健康な成人20名を被験者として4週間に渡り検証が行われました。
被験者は2つのグループに分けられ、どちらか一方の食事を2週間続けた後、もう一方の食事に交代して再び2週間過ごします。被験者は1日3食与えられ、好きなだけ(食欲に任せて)食べて良いこと、また、「ダイエット(痩せる)研究ではない」と伝えられていました。
研究結果
1. 1日の平均食事量と摂取カロリー量
- 低脂肪(高炭水化物)食のグループは、低炭水化物(高脂肪)食のグループよりも670g多く食べた
- 低脂肪(高炭水化物)食のグループは、低炭水化物(高脂肪)食のグループよりも689kcal少なく食べた
低脂肪(高炭水化物)食のグループは、重さで見ると多く食べているけれども、少ないカロリー量で満腹したことになります。
やはり満腹感(食欲)は、カロリー量によって生まれるのではなく、食品のカロリー以外の部分 – 統合食養学が食品の機能と呼ぶ部分 – によって生まれることを示した結果だと言えます。
2. 食後血糖値
低脂肪(高炭水化物)食のグループで、食後血糖値が上昇しました。
しかし、「炭水化物真犯人説」で予想されていたような食欲、食事量、摂取カロリー量の増加は起こりませんでした。
血糖値の上昇と食欲は関係がないことになりますね。
3. 体重
いずれも誤差の範囲で、統計的に有意な減少ではなかったとのことです。
- 低炭水化物(高脂肪)食のグループ|-1.77kg
- 低脂肪(高炭水化物)食のグループ|-1.09kg
研究の結論は「炭水化物は白」
今回の研究の結果をまとめると
- 低炭水化物(高脂肪)食は、食欲(摂取カロリー)を相対的に促進させること
- 低脂肪(高炭水化物)食は、過剰な食欲(摂取カロリー)を起こさないこと
を証明しました。
つまり、低GLの炭水化物(複雑な炭水化物)はしっかり食べた方が、返って食べ過ぎを予防して肥満予防になると、言うことが証明されたのです。
複雑な炭水化物をしっかり食べることを勧める統合食養学に基づく、ソフィアウッズ・インスティテュートのヘルスコーチングを通して、「しっかり食べているのに痩せる」を体験している多くのクライアントさん達が、この科学を体感しています。
炭水化物を抜くことの害は、食べ過ぎと肥満以外にもたくさんあります。それにについては、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースの中で教えています。
体重管理にとってベストな食事とは何か

今回の研究は、肥満の予防と改善にとって、「炭水化物真犯人説」を明確に否定した証拠を示しましたが、では何が体重管理にとってベストな食事法なのか、具体的な方法については言及していません。
個別化された食事
『ネイチャー・メディシン』は、ひとりひとりの体質(肉体的かつ精神的な特徴)を理解し、それを個別に食事とマッチさせるような、革新的なアプローチが体重管理にとってベストな食事の答えを示すことができるのではないかと述べています。
「より効果的な体重管理のためには、
ひとりひとりに個別化された食事法に注力することが
不可欠となるだろう」
まさしく、統合食養学が立脚しているバイオ個性によるアプローチそのものです。
また、食事を個別化することの重要性については、イラン・シーゲル博士による『人類にとって唯一ベストな食事法はどれだ』をご覧ください。
短期間のダイエットではなく生涯続けられる食事

エネルギーバランスは非対称です。
体重を増やす方が、減らすよりもずっと簡単です。
カロリーイン(摂取カロリー)とカロリーアウト(消費カロリー)の単純な計算式が成り立たないことは、皆、実体験から分かっていることですよね。
体重を回復させたい脳と、脳の希望をサポートする生理学的・心理的作用のハードルを克服するためには、長い期間をかけてゆっくりと体重調整を行う必要があります。
The diet that works best for weight management
will be the one that a person can adhere to
for the longest.
体重管理に最適な食事は、生涯継続できるもの
と、いう格言は真をついています。
期間限定で行うダイエットは、必ず脳と体からの反撃にあいます。しかし、一生続けられる食事には、リバウンドはありません。
この仕組みについては『ハーバード大学病院の肥満症専門医が「カロリーを数えるのを止めて、食事の質に向き合うことから始めましょう」という理由』をご覧いただくか、詳細はソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースへお申し込みください。
食欲とエネルギーバランスの科学は行動変容の科学と組み合わせる必要がある

『ネイチャー・メディシン』の編集者の言葉です。
ソフィアウッズ・インスティテュートのヘルスコーチングはまさにそれです。統合食養学は、行動変容を促すヘルスコーチングを伴う新しい栄養学なんです。
ソフィアウッズ・インスティテュートのアプローチ/メソッドの詳細についてはこちらをご覧ください。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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