低脂肪食 vs 低糖質食|食欲を刺激して肥満を起こす真犯人はどっち?

2021/04/12/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

心と体をつなぐホリスティックな食事法について、
ニュースレター登録者限定のキャンペーン情報等も配信しています。
ご登録は、こちらから
もれなく統合食養学ホリスティック栄養学冊子が無料ダウンロードできます

2021年2月に科学専門誌『ネイチャー』の分科専門誌『ネイチャー・メディシン』に、肥満の原因となる食欲を刺激する食事について、画期的な発見を報告する論文が掲載されていました。

和訳要約してお伝えします。

でも、その前に、現在までに行われてきた食事と食欲と肥満の研究から判明している事実を整理しておきたいと思います。

1970年代以降、世界的に増え続けている肥満症やメタボリックシンドロームの原因を探るために、食事内容や食欲と肥満との関係を調査した研究が多く存在しています。

70年代の敵は砂糖だった

例えば、1970年代には、砂糖(炭水化物)が肥満の原因だと考えられていました。

そのため、カロリーゼロあるいは低カロリーの人工甘味料が流行り始めました。

「シュガーフリー」「無糖」「ノンシュガー」という言葉が「健康」と同義語のように使われ始めたのもこの頃です。単に「人工甘味料使用」というだけの意味なのに・・。

21世紀の今でも「無糖」が「ヘルシー」だと思っている人は多いのではないでしょうか。

コーヒーショップのテーブルの角砂糖の横にサッカリン(人工甘味料のひとつ)の小袋が置かれるようになったのもこの頃です。

でも、肥満の増加は止まりませんでした。

(なお、人工甘味料の危険性については『人工甘味料』をご確認ください。)

80年代の敵は脂肪だった

80年代後半になると、カロリーが高い脂肪を多く食べることが肥満を起こす原因だと考えられるようになりました。

「無脂肪」や「低脂肪」「ローファット」という言葉が人気になりました。カフェで、スキムミルク(低脂肪乳)が選択肢に加わったのも、マーガリンがバターよりもヘルシーだと宣伝されたのもこの頃からです。そして。脂肪の少ない赤身のお肉や鶏肉などが好まれました。

でも、やっぱり肥満の増加は止まりませんでした。

(なお、マーガリンの危険性について『トランス脂肪酸』をご確認ください。)

90年代の敵は食欲だった

90年代に入ると食欲に関する研究、特に、私たちの食欲を過剰に刺激する犯人は、炭水化物と脂肪のどちらなのかを突き止めるための研究が多く行われました。

1. カロリーと食欲

多くの研究によって、

食欲と摂取カロリーは反比例の関係にある

ことが報告されました。

ヒトの食事中の2大カロリー源は、炭水化物と脂肪です。そのため、具体的には次のように報告されています。

  • 摂取カロリー(脂肪と炭水化物を食べる量)が増えるほど、食欲は減る
  • 運動などによってカロリー消費が多いほど、食欲が増す

つまり、

食欲を抑える(過食を防ぐ)ためには、
カロリー(脂肪と炭水化物)を十分に摂らなければならない

と考えられたのです。

「摂取カロリーが減ると食欲が増進し、摂取カロリーが増えると食欲が減退する」ため、食欲には、カロリーの出納を一定に保つ機能があると信じられ、食欲は、カロリーのバランス調整機能(恒常性機能)と呼ばれました。

食欲は、体内のカロリー/エネルギーを一定に保つための機能だと考えられたのです。

2. 偏食と食欲

この、体内のエネルギー量を一定に保つ食欲の機能は、特定の栄養に偏った食事をすることによって機能しなくなったり、機能が弱くなることも発見されました。

つまり、食事が脂質か炭水化物かのどちらか一方に偏り過ぎると、食欲が正常に機能しなくなり、食べ過ぎが起こることが示されたのです。

言い換えれば、

「炭水化物抜きダイエット」や「低脂肪ダイエット」は
食欲を刺激するだけ

3. 高カロリーと食欲

しかし、多くの研究が食欲を暴走させる犯人として

全ての脂質が同じように悪い分けでも、
全ての炭水化物が同じように悪い分けでもない

ことを示しています。

本当に悪いのは単なる脂肪や炭水化物ではなく、カロリー密度が高い脂肪や炭水化物であることが示されました。

カロリー密度が高い脂肪と炭水化物とは、次の2つです。

  1. 脂肪や油がメインの高脂肪食、例えば、チーズやバター、脂身の多い肉類、揚げ物などです。
  2. 血糖値を上昇させやすい高GLの(グリセミック負荷が高い)炭水化物がメインの食事、例えば、糖度の高い甘い野菜や果物や白い砂糖とそれを使用した菓子類や食品です。(なお、「GL」は、「GI」とは異なる指標です)

高脂肪食が食欲を暴走させること、そして、高GL食は少量でも食欲を増進させること、つまり、

適度なカロリーは食欲を抑えるために必要だが、
過剰なカロリーは返って食欲を暴走させる

言い換えれば、食欲は常に体内のカロリー量を一定に保つよう機能するわけではなく

高脂質や高糖質の食事や食品によって
食欲は暴走する

21世紀は真犯人捜しから始まった

食欲を暴走させ肥満の原因を作るのは、高脂肪食と高GL食であることが判明しましたが、では、どちらがより極悪なのか、真の真犯人はどっちなのかを突き止める研究が21世紀になると多く行われるようになりました。

糖質食 vs  高脂肪

「高糖質食」真犯人仮説の主張

高糖質(高GL)食は、食後血糖値を上昇させ、食欲・摂取カロリー・体脂肪の蓄積を増加させる

「高脂肪食」真犯人仮説の主張

高脂肪食は、嗜好性が高く満腹感が低く、無意識あるいは受動的な食べ過ぎを招き、体脂肪を蓄積させる

ネイチャーメディシンに掲載された最新研究

2021年2月の『ネイチャー・メディシン』に掲載された研究は、次の食事が、食欲に与える影響を検証しています。

  1. 低脂肪食(主に甘い高GLの野菜と果物)
  2. 低糖質食(主に肉類・卵・乳製品:カロリー密度は、高糖質食の2倍)

健康な成人20名を被験者として4週間に渡り検証が行われました。

被験者は2つのグループに分けられ、どちらか一方の食事を2週間続けた後、もう一方の食事に交代して再び2週間過ごします。

被験者は1日3食与えられ、好きなだけ(食欲に任せて)食べて良いこと、また、「ダイエット(痩せる)研究ではない」ことが伝えられていました。

1. 満腹感とカロリー

食事量の平均と摂取カロリー量から、次のことが示されました。

  • 低糖質食(主に肉類・卵・乳製品)のグループよりも、低脂肪食(主に甘い高GLの野菜と果物)のグループは 670g 多く食べた
  • 低糖質食(主に肉類・卵・乳製品)のグループよりも、低脂肪食(主に甘い高GLの野菜と果物)のグループは 689 kcal 少なく食べた

低脂肪食(主に甘い高GLの野菜と果物)のグループは、重さで見ると多く食べているけれども、少ないカロリー量で満腹したことになります。

満腹感(食欲)は、
カロリー量によって生じるのではない

つまり、90年代に考えられていた、「食欲はカロリーを摂るほど抑えられる」という結論を否定する結果です。カロリーを摂ったからといって食欲が抑えられるわけではないことが改めて証明されたのです。

2. 食欲と血糖値

低脂肪食(主に甘い高GLの野菜と果物)のグループでは、食後血糖値が上昇しました。

しかし、「高糖質真犯人説」で予想されていたような食欲、食事量、摂取カロリー量の増加は起こりませんでした。

血糖値の上昇と食欲は関係がない

つまり、血糖値が上がったからと言って食欲が増進するわけではないということになります。

3. 脂質と糖と体重と食欲

いずれの食事も体重への影響は誤差の範囲で、統計的に有意な変化は見られませんでした。脂質を減らしても、炭水化物を減らしても、総体的には体重に大した影響は起きないのです。

食欲との関係では、今回の研究の結果をまとめると、次のことが示されています。

  • 低糖質食(主に肉類・卵・乳製品)は、食欲を相対的に促進させる
  • 低脂肪食(主に甘い高GLの野菜と果物)は、過剰な食欲を起こさない

つまり、食欲を正常に保つには、カロリーではなく、また、脂質でもなく

炭水化物を
適度に食べることが、返って食べ過ぎを予防し
肥満予防になる

なお、『低炭水化物ダイエットを4年間続けるとどれくらい痩せる?』もご参照ください。

体重管理にとってベストな食事とは何か

肥満の予防と改善にとって、「炭水化物真犯人説」を明確に否定した証拠を、今回の研究は示しましたが、では何が体重管理にとってベストな食事法なのか、具体的な方法については言及されていません。

個別化された食事

『ネイチャー・メディシン』は、ひとりひとりの体質(肉体的かつ精神的な特徴)を理解し、それを個別に食事とマッチさせるような革新的なアプローチが、「体重管理にとってベストな食事とは何か」という問いへの答えになるのではないかと述べています。

「より効果的な体重管理のためには、
ひとりひとりに個別化された食事法に注力することが
不可欠となるだろう」

まさしく、統合食養学が立脚しているバイオ個性によるアプローチそのものです。

また、食事を個別化することの重要性については、イラン・シーゲル博士が『人類にとって唯一ベストな食事法はどれだ』の中で証明されています。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

短期間のダイエットではなく生涯続けられる食事

The diet that works best for weight management
will be the one that a person can adhere to
for the longest.
体重管理に最適な食事は、生涯継続できるもの

と、いう格言は真をついています。

もしあなたが体重を減らしたいと望むのであれば、体重を維持していたい脳と、その脳をサポートする生理学的・心理的作用からの抵抗を克服しなければなりません。そのためには、長い期間をかけてゆっくりと体重調整を行う必要があります。

期間限定で行うダイエットは、必ず脳と体からの反撃にあいます。しかし、一生続けられる食事には、リバウンドはありません。

体重を増やす方が、減らすよりもずっと簡単なことは、あなたも良く知っているはずです。そして、カロリーイン(摂取カロリー)とカロリーアウト(消費カロリー)の単純な計算式が成り立たないことも、実体験から分かっていることではないでしょうか。(詳しくは『ハーバード大学病院肥満症専門医が「カロリーではなく食事の質」という理由』をご参照ください。)

エネルギーバランスは非対称なんです。

『ネイチャー・メディシン』の編集者の言葉です。

食欲とカロリーバランスの科学は
行動変容の科学と組み合わせる必要がある

ソフィアウッズ・インスティテュートのヘルスコーチングは、まさにそれです。行動変容を促すためのヘルスコーチングです。

複雑な炭水化物をしっかり食べることを勧める統合食養学に基づく、ソフィアウッズ・インスティテュートのヘルスコーチングを通して、「しっかり食べているのに痩せる」を体験している多くのクライアントさん達が、この科学を体感しています。

クライアントさん達からいただいたご感想は下のボタンからご覧いただけます。

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

プライベート・ヘルスコーチング・プログラムについて
お気軽にご相談ください。
初回相談を無料でお受けしています。

あるいは、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで学びませんか?

セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを教えています。

今回ご紹介したカロリーと食欲や体重との関係、仕組みについても詳しくお伝えしています。

新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

心と体をつないで健康と幸せを手に入れる
ニュースレターのご登録は、こちらから
統合食養学(ホリスティック栄養学)冊子が無料ダウンロードできます

参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング