薬や手術以外で変形性膝関節症の改善効果が高い治療法とは?

2025/10/28/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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膝の関節でクッションの役割をしている軟骨が、加齢やスポーツなどによる過度な負荷によって、少しずつすり減っていくことで変形性膝関節症が起こります。

軟骨がすり減ると関節がスムーズに動かなくなってこわばりが生じ、骨と骨が直接すり合うので痛みが生じます。

初期の段階では、階段になると痛むとか、痛みで正座ができなくなったりします。ひどくなると、ふつうに歩くのにも痛みが起こるようになり、O脚がひどくなります。

日本では、40歳以上の約800万人が変形性膝関節症だと推計されています。

変形性膝関節症の治療には手術療法と保存療法があり、それぞれさまざまな選択肢があります。

手術療法には主に次のような選択肢があります。

  • 人工膝関節置換術
  • 関節鏡手術
  • 高位脛骨骨切り術
  • など

順天堂大学医学部付属順天堂医院によれば、国内では年間約7万人が、人工膝関節置換術を受けているとされます。

保存療法には、主に次のような方法があります。

  • 薬物療法(痛み止め、ヒアルロン酸注射など)
  • 理学療法(装具療法、運動療法、レーザー治療など)
  • など

順天堂医院によれば、国内で最も汎用されているのは、ヒアルロン酸の関節内注射です。

また、疼痛管理と身体機能の向上目的で、イブプロフェンなどの非ステロイド抗炎症薬(NSAID)とアセトアミノフェンなどの鎮痛薬が一般的に処方されます。

ただし、これらの鎮痛剤は、消化器系や心血管系への有害な副作用と関連していることが報告されているので、常用は好ましいものではありません。詳しくは『イブプロフェン』『アセトアミノフェン』をご確認ください。

特に、糖尿病や高血圧などの合併症をもつ変形性膝関節症の高齢者では死亡リスクの上昇につながるとの報告があります。

その結果、安全性と有効性の面で、レーザー治療や膝装具、運動療法などの理学療法に注目が集まっています。

変形性膝関節症の患者9,644人を対象とした、12種類の治療法を比較した139件のランダム化比較試験の結果が2025年7月に発表されました。

対象となった12種類の理学療法は次のとおりです。

  1. 低出力レーザー療法(LLLT)
  2. 高強度レーザー療法(HILT)
  3. 経皮的電気神経刺激療法(TENS)
  4. 干渉電流療法(IFC)
  5. 短波ジアテルミー
  6. 超音波療法
  7. 外側ウェッジインソール
  8. 膝装具
  9. 運動療法
  10. 水中運動療法
  11. キネシオテーピング(KT)
  12. 体外衝撃波療法(ESWT)

治療効果の評価には、次の2つの指標が用いられています。

  1. WOMACスコア(西オンタリオとマクマスター大学変形性関節症指標)
  2. VASスコア(視覚的アナログ尺度)

WOMACスコアは、変形性関節症の症状を次の側面から評価する指標です。

  1. 痛み/疼痛
  2. 関節のこわばり
  3. 身体機能の低下

各治療法のWOMACによる評価結果を累積順位確率(SUCRA:累積順位曲線下面積)で表したのが下のグラフです。治療確率が50%以上のものを青色に着色しています。

WOMACスコアの3つの評価の全ておいて、高い治療効果を示したのは、膝装具でした。また、運動療法と水中運動療法も3つの評価全てにおいて高い治療効果を示しています。

膝装具とは、膝関節の機能をサポートするための医療器具です。主に、膝関節の固定、可動域の制限、運動補助、変形の矯正などに用いられます。素材や構造は様々で、症状や目的に応じて選ぶことができます。

VASスコアは、痛みの主観的な強さを評価するための指標です。

各治療法のVASによる評価結果を累積順位確率(SUCRA:累積順位曲線下面積)で表したのが下のグラフです。治療確率が50%以上のものを青色に着色しています。

この主観的な痛みの評価においても、膝装具と運動療法(水中運動療法)が高い治療効果を示していますね。

以上の結果をふまえると、断トツで治療効果が高いのは・・・

膝装具

次いで、運動療法水中運動療法です。

また、最近、注目されているレーザー療法も劇的な改善は期待できなくても、ほどほどに悪くない選択と言えるかもしれません。

特に効果がないことが判明したのは、超音波療法と外側ウェッジインソールです。

超音波療法は、超音波を用いて皮膚表面から約5cmの深さの組織に熱を発生させる深部温熱療法です。ちなみに、短波ジアテルミーは電磁エネルギーを使用して深部を温める深部温熱療法です。

外側ウェッジインソールは、O脚を矯正するために靴の中にいれて使うインソールの一種です。靴の内側よりも外側が厚く作られています。そのため、膝が外へ開いてしまうO脚や足首の外反を予防して、膝の内側にかかる負担を軽減するためのものです。

今回、変形性膝関節症の症状の改善にとっては、あまり効果がないことが示されました。

関節リウマチの改善のために執筆した『関節リウマチのためのナチュラルレメディ』が、関節痛の予防と改善にも役に立ちます。

軟骨成分の補給としてコラーゲンを体内で作る方法については『コラーゲン』をご確認ください。

また、鎮痛剤の代わりをする食品については、『イブプロフェン』『アセトアミノフェン』をご確認ください。

わたしの母も数年前に変形性膝関節症で人工膝関節置換術を受けています。

膝装具がこんなに効果があるものならば、もしもっと早い段階でこのことを知っていたら、母は手術をせずに済んだのかもしれないと思ったりします。でも、ファッションにうるさい母なので、膝装具を装着して生活することを嫌がったかもしれないとも思ったりします(笑)

とはいえ手術後、母の膝の調子は良好です。痛がることもなく、普通に暮らしています。手術痕もほとんどわからないくらい綺麗になりました。詳しくは『傷痕を薄くする方法』をご参照ください。

人工膝関節の難点を敢えて述べれば、人工膝関節にはできない動きがあります。

例えば、しゃがんだり正座したりという膝を完全に折りたたむ動作が人工膝関節にはできません。手術後は、完全に椅子の生活になりますし、しゃがめないので、下に落ちたものを拾ったり、棚の低いところにあるものを取り出す時は、膝を伸ばした前屈姿勢をとらなければならないので、90歳近いおばあさんにはちょっと苦しい。

他にもいくつか注意点はありますが、骨がすりあう痛みと共に生きていくよりもずっと楽なようです。母は今でも毎週2回スポーツクラブに通って水中運動をしています。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング