
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
大腸がん予防する栄養素
2025年1月の『JAMA Network Open』に掲載された最新の研究で、ある栄養素を増やすと大腸がんリスク削減できるという結果が発表されました。
調査開始時の年齢が50歳~71歳の健康な471,396人の成人を約23年間追跡調査したコホート研究による結果です。
この栄養素は、腸の用心棒のように機能して、腸内のトラブルを抑え、大腸の健康維持に力強い役割を果たしています。
この栄養素の腸内における主な機能には次のようなものが含まれます。
1. 有害な化合物の中和
胆汁酸や脂肪酸と結合して中和します。
胆汁酸や脂肪酸は、腸内では、腸の内壁を炎症させしまう刺激物です。炎症が起こることで、がんリスクが高まります。こうした腸の刺激物を集めてまとめることで、大腸を炎症から守り、ダメージを起こす可能性を低くします。
2. 細胞の成長の正常化
この栄養素は、細胞の成長を調節し、細胞が適切に分裂して機能する上で重要な役割を果たします。
この作用は、深刻な問題につながる可能性のある細胞の無制限増殖を防ぐことにおいて、特に重要です。
さて、この栄養素とは何だと思いますか?
骨の健康にとって大切なミネラルです。

そう!
カルシウム
5倍の差が29%の差に

23年間の追跡調査の結果、1日のカルシウム摂取量の多い順に5つのグループに分類すると、次のような開きがありました。
- 最も少なくカルシウムを摂取していたグループの平均カルシウム摂取量・・・女性401mg、男性407mg
- 最も多くカルシウムを摂取していたグループの平均カルシウム摂取量・・・女性2,056mg(2g)、男性1,773mg(1.7g)
最も少ない女性グループと比較して、最も多いグループのカルシウム摂取量は5倍以上です。
最も少なくカルシウムを摂取していたグループと比較して、最も多くカルシウムを摂取していたグループの大腸がん発症リスクは、0.71倍(29%減)でした。
ただし、カルシウムは多ければ多いほど良いわけではありません。
大腸がん予防になる量と食べ方

次のいずれの方法によっても、1日あたりのカルシウム摂取量が300mg増えるごとに大腸がんリスクが次の通り低下することが示されました。
- 総摂取量・・・8%低下
- 食事摂取量・・・10%低下
- サプリメント摂取量・・・5%低下
確かにサプリメントでも5%低下していますが、食事からカルシウムを摂った方がその2倍の10%もリスクを低下させることができます。
また、カルシウムをサプリメントで摂取することには、心臓血管機能や脳機能へのリスクが高まることが他の研究によって示されていますので、やはり、カルシウムは食事から摂る方が安心で安全で、効果的だと言えます。詳しくは『カルシウムのサプリメント』をご確認ください。
研究者は、次のように述べています。
1日200mg~300mgずつ増やしていき
目標は1日1,250mg
ただし、2025年の日本人の食品摂取基準では、女性の1日のカルシウムの推奨量は650mg、限界量が2,500mgとなっています。男性では750mg~800mgが推奨され、限界量は女性と同じです。
そのため、この研究者が推奨する量は、日本人の限界容量を超えてはいないものの、女性の推奨量の約2倍であることが分かります。
ビタミンDが鍵

カルシウムの腸内吸収率は、ビタミンDと一緒に食べることで上昇します。
ただし、日本人の98%がビタミンD不足/欠乏状態にあることが報告されています。近年、日本人の大腸がん発症率が上昇していることと無関係ではなさそうですね。(詳しくは『ビタミンD』をご確認ください。)
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進させるだけでなく、ビタミンD自体にがん予防作用があるので、カルシウムと一緒に食べることや日光浴することが推奨されます。
日本の乳製品に効果なし
過去に行われた米国の研究の多くで乳製品の摂取量と大腸がんリスクの低下が示されてきました。米国の乳製品には、国策でビタミンDが添加されていることから、腸内でカルシウムが吸収されやすい状態になっていることが理由として考えられています。
でも、日本の乳製品には、乳児用粉ミルクを除いて、ビタミンDは添加されていませんので、米国の乳製品を用いた結果をそのまま当てはめて、乳製品を食べたら大腸がん予防になるとは言えません。
カルシウムとビタミンD豊富な食品
「豊富に含む食品」とは、その栄養素を1日に必要とする量の10%以上を100g中に含んでいる食品を指します。
をご確認ください。
こちらでは、カルシウムとビタミンDの両方を豊富に含む食品をご紹介します。
動物性食品
下の表の欄外になった魚でも、ほとんどの魚には、カルシウムとビタミンDが多く含まれています。

「1日に200mg~300mg追加する」目標は、大きさにもよりますが魚を1匹(150g~300g)食べるだけでクリアしそうですね。
食事を肉類ではなく、魚中心に変えることで大腸がんは予防できるようですね。
わたし的には、カニカマにカルシウムとビタミンDが豊富だったことはかなり意外でした。ただし、カニカマに多用されている着色料や香料などの食品添加物が気になりますので、単にカルシウムとビタミンDが多いからといって、カニカマが大腸がん予防になるかは、かなり疑問です。
植物性食品
次の植物性の食品にもカルシウムが豊富に含まれています。

でも、これらの植物性のカルシウム源、特に、緑の葉物野菜や豆類や穀類には、カルシウムの吸収を妨げる、シュウ酸や食物繊維なども含まれているため、必ず、ビタミンDを多く含む食品と一緒に食べることが好ましいと言えます。
文部科学省の食品成分表に掲載されている植物性の食品の中で、ビタミンDとカルシウムの両方を豊富に含むのは、この3つの食品だけでした。

サプリメントで摂ると起こる疾患
ただし、カルシウムとビタミンDを両方ともサプリメントで摂取した場合には、6~10年以内に無茎性鋸歯状腺腫またはポリープのリスクが上昇することも明らかにされています。
そのため、大腸がん予防のために、この2つの栄養素を摂るのであれば、絶対に、食品から摂らなければ意味がないどころか、逆効果になりかねません。
カルシウムに関するその他の記事
体内のカルシウムを枯渇させる作用のある医薬品や、カルシウムのサプリメントと病気との関係などについては、こちらの記事をご確認ください。
- 『カルシウム』
- 『カルシウムのサプリメントと疾患との関係』
- 『高カルシウム血症』
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参考文献
- “Calcium Intake and Risk of Colorectal Cancer in the NIH-AARP Diet and Health Study.”, Zouiouich S, Wahl D, Liao LM, Hong HG, Sinha R, Loftfield E., JAMA Netw Open. 2025;8(2):e2460283., doi:10.1001/jamanetworkopen.2024.60283
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング