血中のカルシウム量が多いと診断されたら気をつけたい食事と検査して欲しい病気

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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カルシウム量を一定に保つ体の仕組みは驚異的

今回は血液検査で血中のカルシウム量が多くなり過ぎていると指摘された時、あるいは高カルシウム血症と診断された場合についてお伝えします。

私達の体は、電解質ミネラルの体内バランスを一定に均衡に保つ素晴らしい技をもっています。ミネラルは、心臓を含む筋肉の活動と機能に不可欠です。カルシウムの詳しい機能については『ミネラルの精神安定剤、筋肉痛予防にもなるカルシウム|カルシウムを多く含む食品と乳製品の功罪』をご参照ください。

でも、どんなに必要なものでも、どんなに良いものでも、「過ぎたるは及ばざるがごとし

今この瞬間に血液中を流れているカルシウムの量を厳密にコントロールし一定に保っている私達の体の仕組みは驚異的です。

次の仕組みの全てが自動的に行われています。

  1. が食べ物からの吸収するカルシウムの量
  2. によるカルシウムの代謝|骨はカルシウムを放出したり、吸収したりを繰り返しています。
  3. 腎臓によるミネラルの濾過と再吸収|腎臓はカルシウムを再吸収したり、尿の中に排出したりしています。

血中のカルシウム量が多くなり過ぎると

甲状腺が「カルシトニン」というホルモンを分泌し次の作用を通してカルシウム量を減少させます。

  • 腸のカルシウム吸収を抑制
  • 骨のカルシウム吸着を抑制
  • 腎臓でのカルシウムに再吸収を抑制

血中のカルシウム量が少なくなり過ぎると

米粒ほどに小さな4つの副甲状腺から副甲状腺ホルモンが分泌され、骨にカルシウムを今すぐ血中に放出するように命令します。

言い換えれば、副甲状腺ホルモンが過剰分泌されると、骨粗鬆症のリスクが上昇すると言えます。

血中のカルシウム量が多くなり過ぎると起こる症状

血中のカルシウムの量が正常範囲よりも高い状態は、あまり好ましいことではありません。

血液中のカルシウムの量が増えすぎると、体内で石(結石)になる可能性が高まるからです。

慢性的に血中のカルシウム量が多い状態が続くと、腎臓結石動脈の石灰化血栓関節痛の原因となります。他にも、動悸、筋肉の痙攣、骨折、骨痛、こむら返り、胃の不快感、吐き気、便秘などが起こることがあります。

カルシウムの刺激性によって睡眠が断続的になったり、不眠症になることもあります。

慢性的に血中のカルシウムの量が正常の範囲よりも高い状態を高カルシウム血症と呼びますが、治療されないまま放置されると、心臓発作脳卒中にまで発展する可能性もあります。高カルシウム血症は、しっかりと検査して原因を判明させないと怖い病気です。

血中のカルシウム量はどのようにして測るのか

血液検査

血液検査によって血中のカルシウム量を測ることができます。

一般的な血液検査|血中に含まれる全てのカルシウム(タンパク質と結合しているものと遊離しているものの両方)の合算値が表示されます。

カルシウムイオン血液検査|タンパク質と結合していない遊離カルシウムの量を知るためには、「カルシウムイオン検査」をしてもらう必要があります。一般的な血液検査で両方の数値を測ることができるので、事前に「カルシウムイオン検査も希望する」旨を伝えておくと良いでしょう。

24時間尿中カルシウム検査

尿中に排出されるカルシウムの量を測る検査です。血中カルシウムの量が増えすぎると、尿へ排出されるカルシウムの量も増えます。高カルシウム尿症の検査などに用いられ、頻繁に腎臓結石ができやすい人に適した検査です。

24時間に排出した全ての尿を溜めておいた容器を検査機関に提出し、そこに含まれているカルシウムの量を測る検査です。

血中のカルシウム量が高すぎると指摘されたら確認すべきこと

他の疾患によって起こっていないか詳細に検査してもらうことをお勧めします。血中のカルシウム量は、他の様々な疾患によって多くなってしまうことがあるからです。例えば、

がん

乳がん卵巣がん肺がんなどによって、骨のカルシウムが溶け出し、血中に流れ込むことで高カルシウム血症が起きていることがあります。

思い当たることがある人は、これらのがん検査をしてもらうことをお勧めします。

副甲状腺腺腫あるいは副甲状腺の過活動

副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることにより、骨のカルシウムが血中に多量に溶け出し高カルシウム血症になります。

簡単な血液検査で副甲状腺ホルモン値は測定できます。

副甲状腺ホルモン値が正常でも、高カルシウム血症がある場合には、副甲状腺腺腫の検査をすることをお勧めします。

骨粗鬆症

女性ホルモンのエストロゲンの減少によって骨粗鬆症が起きていると、血中のカルシウム量が増加してしまうことがあります。更年期以降の女性で思い当たるところがある人は、骨粗鬆症の検査をしてもらうと良いでしょう。

PM2.5(含む:タバコ)が骨粗鬆症を招く – 予防改善してくれる食品とは?(カルシウムでも乳酸菌でもありませんよ)

高血圧などの改善のために利尿剤を飲んでいる

何等かの疾患あるいは不調の改善のために利尿剤を飲んでいる場合には、その成分を確認してください。

  • チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド)は、尿中にカルシウムを排出せず体内に残します。
  • 一方で、ループ利尿剤(フロセミド)は、尿中にカルシウムを排出します。

そのため、チアジド系利尿剤を服用している場合には、この薬が影響して高カルシウム血症が起きている可能性があります。医師・薬剤師にお薬を替えてもらえるか相談してみましょう。

血中のカルシウム量を改善するためにできること

ここからは、あなたの血中のカルシウム量の上昇が、深刻な病気によって引き起こされたものではなく、一時的に起きた場合に限定して、改善を促す方法についてお伝えします。

繰り返しますが、高カルシウム血症と診断された場合には、必ず、医師の指導に従ってくださいね。そして、次にお伝えすることがらについて、担当のお医者様に相談の上、試すようにしてください。

1. サプリメントを止める

もしカルシウムビタミンDのサプリメントを飲んでいるのなら、止めてみましょう。

骨のためにカルシウムのサプリメントを摂っているのであれば、他の方法でも骨を強くすることができます。(参考:『骨粗鬆症を予防して骨を健康にする食品は?ヒント:カルシウムじゃありません』)

また、血液検査で血中カルシウム量が高いことが指摘された時に、同時に血中ビタミンDの量が低いことを指摘された場合にも、ビタミンDのサプリメントを飲むのは返って危険です。

ビタミンDにはカルシウムの腸内吸収を促す働きがあります。

何等かの不具合によって血中のカルシウム量が多くなってしまっているため、体は、カルシウムの毒からあなたを守ろうとして体内のビタミンDを減らし、カルシウムがこれ以上体内に吸収されてこないようにしているのです。

だからビタミンDのサプリメントを飲んだら、血中のカルシウム量を更に増やしてしまうことになりかねません。

結果、心機能異常や左心室肥大が起こる可能性も高めてしまうので、止めましょう。

2. カルシウムの少ない食事

カルシウムやビタミンDのサプリメントを飲んでいないのに、カルシウムの量が高すぎると診断された場合には、カルシウムの多い食品をしばらく避けた食事をしてみましょう。

カルシウムの多い食品は、『ミネラルの精神安定剤、筋肉痛予防にもなるカルシウム|カルシウムを多く含む食品と乳製品の功罪』をご参照ください。これらの食品を避けた食事をしてみましょう。

3. 定期的な水分補給を習慣にする

カルシウムの量は日々変化します。体が脱水状態の時には、血中のカルシウム量が多く検出されることがあります。

お水を飲む習慣があまりなく、常にジュースやコーヒーなどを飲んでいる人は、体が慢性的に脱水している可能性があります。甘い飲み物にもコーヒーにも利尿作用があります。

そのため、慢性的な高カルシウム血症の症状の改善には役に立ちませんが、一時的に血中のカルシウム量が高くなってしまっていた場合には、水分補給を心がけることで改善することがあります。

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4. 腸内環境を整える

私達の体が利用するビタミンKには3種類あります。K1、K2、K7です。

ビタミンK1は緑色の葉物野菜から摂ることができ、ビタミンK7は納豆から得られます。

しかし、血液中のカルシウムを排出し、骨への再吸着を促すことで、血中のカルシウムの量を減らしてくれるビタミンK2は、腸内細菌が造ります。

そのため、骨の代謝の不具合(骨粗鬆症など)によって血中のカルシウム量が増えすぎてしまっている場合には、まずは腸内環境を整え、ビタミンK2がしっかりと造られる体を作ることで改善する可能性があります。

もちろん、ビタミンK2のサプリメントもありますが、自前で造るものほど安全なものはありません。

ビタミンKが豊富な食品

5. ケルセチンの多い食品を避ける

ケルセチンは、腸内でのカルシウム吸収の正常化に関係している食品成分です。骨粗鬆症の改善には役に立ちますが、血中のカルシウム量が高すぎると指摘されている人は、念のため避けた方が良いでしょう。

ケルセチンを多く含む食品

  • 玉ねぎ
  • ピーマン、アスパラガス、ブロッコリー
  • サニーレタス、ロメインレタス
  • 緑茶
  • トマト、リンゴ、サクランボ

ケルセチンのサプリメントも当然止めましょう。

6.チェストベリーを避ける

その名前が表すように、ヨーロッパでは古くから、母乳を促すハーブとしてチェストベリーが用いられてきました。

しかし現代科学は、チェストベリーに確かに女性ホルモンに働きかける作用があることを判明させたものの、その作用の方向性が、摂取量によって真逆になることを示す研究報告が複数あることから、母乳のためにチェストベリーを積極的に飲むことは好ましくないとしています。

チェストベリーを少量摂取した場合

  • エストロゲン(女のホルモン)が減少し
  • プロゲステロン(母になるためのホルモン)とプロラクチン(乳腺刺激ホルモン・母乳分泌促進ホルモン)が増加

エストロゲンの減少は、破骨細胞の働きを活発化させ血中のカルシウム量を増やしてしまいます。

チェストベリーを多量に摂取した場合

  • エストロゲンとプロゲステロンの量に変化はない
  • プロラクチンが減少

チェストベリーをハーブティとして飲む場合は、少量摂取にあたると思われ、エストロゲンを減少させ、血中カルシウム量を増加させてしまう可能性がありますから、血中のカルシウム量が高すぎると指摘された人は、このハーブを避けた方が良いでしょう。

また、チェストベリーは生理や排卵を抑える働きがあるため、PMS改善や自然避妊薬として飲まれる人もいますが、常用することで、高プロラクチン血症を起こすことがあり、生理がなくなったり、排卵がなくなってしまうこともありますので、注意が必要です。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング