バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
糖尿病は合併症が心配
毎年、何百万の人が糖尿病に苦しめられています。
糖尿病は血糖値だけでなく、次の様な合併症が心配な病気です。合併症には死の危険があるものもあります。
- 失明
- 腎不全
- 心疾患や
- 神経痛など
できれば、糖尿病にならずに済ませたいものです。
糖尿病の発症率と医薬品との関係に関する研究がいくつか発表されていましたので、今回は、糖尿病の予防と改善に関する最新の情報を併せてお伝えします。
なお、裏付けとなっている研究論文は最後に参考文献として一覧にしています。
コレステロール低下薬で糖尿病リスクが高くなる
『女性のコレステロールと糖尿病の新事実』でご紹介したように、10年ほど前には既に、スタチン(コレステロール低下薬)が高血糖を招くのではないかという仮説が報告されています。
スタチン系のコレステロール低下薬には次のようなものがあります。
- メバロチン
- リポバス
- クレストール
- リバロ
- リピトール
スタチンの服用から2~3か月で糖尿病に
その後、多くの研究がスタチンによって糖尿病が引き起こされる証拠を示してきました。
最も新しい研究では、『英国臨床薬理学ジャーナル(the British Journal of Clinical Pharmacology)』の2019年3月号に掲載された、『血糖特性とⅡ型糖尿病の発症とスタチン使用との関係性(Associations of Statin Use with Glycaemic Traits and Incident Type 2 Diabetes)』という論文です。
スタチンの使用と血糖値コントロールとの相関関係を調べた研究で、調査開始時には糖尿病を発症していなかった9,535人を、1997年から2012年まで追跡調査した結果を次のように報告しています。
- スタチンの服用によって、II型糖尿病リスクが38%上昇すること
- スタチンを服用し始めてから2~3か月から数年で、糖尿病薬を必要とする状態になること
高コレステロールが指摘された人は、まずは食事とライフスタイルの改善にしっかりと取り組むことが重要です。そのまま放置して、コレステロール低下薬を服用するようになれば、次は、間違いなく糖尿病が待っています。
なお、スタチンに限らず、処方薬の中には、血糖値を高めてしまう副作用のあるものは少なくありません。詳しくは『あなたが痩せないのはその薬が原因かもしれません』をご参照ください。
C型肝炎抗ウィルス薬は糖尿病リスクを半減する
C型肝炎の治療のために処方される抗ウィルス薬が、糖尿病の発症リスクを半減させたことが報告されています。
- 「インターフェロン」と併せて抗ウイルス薬の「リバビリン」が処方された患者のうち、糖尿病を発症したのは約10%
- 処方されなかった患者さんでは、約20%が糖尿病を発症
特に、重度の肝硬変と肝線維症の人達の糖尿病発症率を最も効果的に抑制したと報告されています。
とは言っても、肝硬変でもないのに、糖尿病予防のためだけに抗ウィルス薬を処方なんてしてもらえませんけれどね・・。
糖尿病の予防と改善のための食事
II型糖尿病は、生活習慣病です。
ですから、生活習慣を改善すれば、本来、予防も改善もできるはずの病気です。
伝統的な糖尿病薬には、血糖値やインスリン抵抗性を改善し、β細胞機能や炎症を抑制する作用がありますが、体に必要な栄養素まで奪ってしまう副作用があるものばかりです。
望ましいのは、そうした医薬品を必要としないよう、未病段階で改善することです。
でも万が一、お薬を処方されるところまで悪化させてしまったとしても、私達は毎日3食食べるのですから、その食事を見直すのに遅すぎるということはありません。
今日から食事とライフスタイルを変えていきましょう。その参考として、糖尿病の症状の改善に良い効果が報告されているいくつかの食品をご紹介します。
シナモン
シナモンは、ケーキやクッキーなどスウィーツに使われることの多いスパイスですが、血糖値を下げる働きがあることが報告されています。
シナモンは、漢方薬です。桂皮(けいひ)と呼ばれ、葛根湯に含まれている生薬のひとつです。婦人科系の不調改善のために処方される漢方薬には大抵入っています。
シナモンの詳しい機能については『シナモン』をご確認ください。
ザクロ
糖尿病腎症は、とても多い糖尿病の合併症のひとつです。
腎臓は体のろ過装置ですから、腎臓が巧く働かなくなると有害物質が体内に蓄積します。その結果、かゆみが生じたり、足や脚首がむくんだり、不整脈になったり、息切れや慢性疲労、食欲不振などが起こるようになります。
ザクロの種と皮が、糖尿病腎症の予防になることが報告されています。実ではないのが残念です。
種は、硬いですが、歯で噛み砕けないこともないので食べられます。
皮は、洗浄して乾燥された粉末が購入できます。ただ、アレルギー反応が起こる人もいるようですから、少量から試してみることをお勧めします。
ザクロの詳しい機能については『ザクロ』をご参照ください。
ナッツ類、豆類、シーズ類、豚肉、キノコ類
これらの食品には、ビタミンB群が豊富です。
糖尿病の人は、体中で神経痛を経験することがあります。特に、手と足です。針やピンで刺されたり、焼けるような痛みを抑えるのは難しいものです。ビタミンB群は、神経を保護するミエリン鞘の形成を助けます。
ビタミンB群は、その他にも多くの重要な役割を担っていますから、不足させないことが重要です。
ビタミンB群の詳しい機能については『ビタミンB群』をご確認ください。
また、ビタミンB群以外でミエリンの修復に良い食品については『ミエリン修復』をご参照ください。
柑橘類、ベリー類、ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー
これらの食品には、ビタミンCが豊富です。
『生物化学・生物物理学研究通信(Biochemical and Biophysical Research Communications)』の2019年2月号に掲載された論文では、ビタミンCが不足すると痛みが大きくなり、ビタミンCが神経痛や内臓痛を緩和すると報告しています。
研究者は、
「臨床の現場において、身体痛や内臓痛をマネジメントする上で、
ビタミンCの重要な役割が明らかにされた」
と、述べています。
糖尿病による疼痛がある場合には、ビタミンC豊富な食べ物を意識して食べると良いですね。
ビタミンCの詳しい機能と豊富に含む食品については『ビタミンC』をご確認ください。
糖尿病の予防と改善のために
糖尿病の予防や改善効果があることが報告されている食品について以前執筆した記事です。こちらもご覧ください。
体重増加や肥満が気になる場合には
糖尿病の改善のためには
『心臓病や糖尿病の対策にいい食べ物と、薬の代りになる食事とは。』
- 『抗酸化力のスーパースター・メディカルフルーツ・アロニア』
- 『男性がスイカを食べるべき理由-もちろん女性も』
- 『すごいのは、見ためだけじゃなかったドラゴンフルーツ』
- 『世界三大美果 - マンゴー』
- 『遺伝子の番人 – キウイフルーツ』
- 『不老長寿の果物 – 桃』
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
フルーツの果糖を気にして、フルーツは食べない方が良いと言う人が時々いらっしゃいます。
確かに、フルーツから抽出した純粋な「果糖」あるいは「果糖シロップ」は危険です。だから、フルーツジュースも危険なんです。糖尿病のリスクを上昇させるという報告もあります。詳しくは『実はどっちもヘルシーではなかった!?ジュースとスムージー徹底比較』をご確認ください。
しかし、本物の自然の果物に含まれている果糖の量は、ジュースやお菓子などの加工食品に使用されている果糖の量と比べたら、それほど多くはありません。
それにフルーツは、果糖だけで出来ているわけではありません。果糖以外の素晴らしい成分や栄養素をたくさん含んでいます。果物の素晴らしい健康効果については『フラボノイド』をご参照ください。
果物は、食事に加えてはいけないものではありません。賢く食べることが重要です。
糖尿病は生活習慣病です。面倒な副作用がある薬に頼らなければならなくなる前に、食事とライフスタイルの見直しと改善に取り組んでくださいね。
そしてもし、おひとりで取り組むことに難しさや不安を感じるのであれば、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献:
- “Associations of statin use with glycaemic traits and incident type 2 diabetes”, Ahmadizar F, Ochoa-Rosales C, Glisic M, Franco OH, Muka T, Stricker BH, Br J Clin Pharmacol. 2019 May;85(5):993-1002. doi: 10.1111/bcp.13898. Epub 2019 Mar 18.
- “Hepatitis C Virus Treatment with Directly Acting Agents Reduces the Risk of Incident Diabetes – Results from ERCHIVES”, Butt AA, Yan P, Aslam S, Shaikh OS, Abou-Samra AB, Clin Infect Dis. 2019 Apr 12. pii: ciz304. doi: 10.1093/cid/ciz304.
- “Treatment with direct-acting antivirals improves peripheral insulin sensitivity in non-diabetic, lean chronic hepatitis C patients”, Gastaldi G, Gomes D, Schneiter P, Montet X, Tappy L, Clément S, Negro F, PLoS One. 2019 Jun 6;14(6):e0217751. doi: 10.1371/journal.pone.0217751. eCollection 2019.
- “Dietary ascorbic acid restriction in GNL/SMP30-knockout mice unveils the role of ascorbic acid in regulation of somatic and visceral pain sensitivity”, Tsubota M, Uebo K, Miki K, Sekiguchi F, Ishigami A, Kawabata A, Biochem Biophys Res Commun. 2019 Apr 9;511(3):705-710. doi: 10.1016/j.bbrc.2019.02.102. Epub 2019 Mar 1
- 日経メディカル処方薬事典「スタチン系薬」
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング