バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
乳酸菌とビフィズス菌が骨を健康にする
前回の『骨粗鬆症を予防して骨を健康にする食品は?<ヒント>カルシウムじゃありません(1)』では、次のことについてお伝えしました。
- 骨の再生の仕組み
- 女性ホルモンと骨密度との関係
- 腸内細菌と骨に関する新しい発見
今回は、腸内細菌がどのように骨を造っているのか、そして、その知識を利用して、具体的にできる骨粗鬆症予防のための食事とライフスタイルについてお伝えします。
腸内細菌が骨を造る仕組み
腸内細菌が起こす骨の健康を維持する仕組みの一部は、ビタミンの体内合成の過程で起こっている可能性が発見されました。
ビタミンの合成
腸内細菌が合成してくれるビタミンには次のようなものがあります。
- ビタミンD
- ビタミンK
- ビタミンB群
これらのビタミンは、カルシウムの代謝に関与しているので、骨の形成にとっては不可欠な成分です。
短鎖脂肪酸の合成
また、多くの腸内細菌が、副甲状腺ホルモンを減少させる作用のある数種の短鎖脂肪酸を生成しています。副甲状腺ホルモンには、破骨細胞の活動を活性する作用があります。
副甲状腺ホルモンが減少すると、骨形成に必要なミネラルの吸収が促進されます。
骨粗鬆症を予防して骨を健康に保つ方法
腸内細菌(乳酸菌やビフィズス菌)が骨を造るタイミングは、体内でビタミンを合成している時だということが判りましたので、腸内細菌にビタミンを造るチャンスを多く与えれば、骨もたくさん造ってくれるということではないでしょうか。
善玉菌で腸を満たす
まずは、善玉菌である乳酸菌とビフィズス菌が腸内に十分いてくれなければ意味がないので、様々な発酵食品を食べて元気な腸内細菌を補いましょう。
プロビオティクスと呼ばれる善玉菌のサプリメントもありますが、できるだけ食品から摂ることが大事です。その理由は、少し考えたら直ぐに判ります。
例えば、なぜ乳酸菌やビフィズス菌が、お野菜のお漬物などに多いのか?
そのお野菜が大好きだからです。そのお野菜に善玉菌を増やす栄養が含まれているからです。発酵食品を食べれば、菌だけでなく、菌の餌も一緒に食べることになります。でも、サプリメントで菌だけ摂っても、餌を食べてあげなければ、彼等はそのうちに死んでしまいます。
善玉菌に餌を与える
腸内細菌は生き物ですから、生きていくためには食べ物が必要です。
善玉菌を腸内で増やしたいのなら、善玉菌が大好きな食べ物を毎日ちゃんと食べてあげると良いでしょう。彼等がどんな食べものが好きかと言えば、食物繊維とオリゴ糖を豊富に含んでいる食品です。
根菜類、ネギ類、ベリー類、芋類、豆類などが代表的です。バナナも全粒穀類も良いですね。
日光浴/ビタミンDを作る
日光浴をして紫外線を浴びることで、腸内細菌がビタミンDを造ります。
そして、ビタミンDには、腸内でのカルシウムの吸収を促進する働きがあります。
そのため、日光浴によってビタミンDが造らる過程で、カルシウムも吸収され、骨が造られます。
緑の葉物野菜/ビタミンKを造る
緑色の葉物野菜などを多く食事に取り入れることで体内のビタミンKが増えます。
そして、ビタミンKには、吸収されたカルシウムが骨になるのを助ける働きがあります。
柑橘類とアブラナ科の野菜
カルシウムなどのミネラルの腸内吸収を促進させる働きのあるビタミンCを豊富に含む食品も食べましょう。ビタミンCは体内で作ることができませんので、食品から食べなくてはなりません。
また、骨の約35%を占めるコラーゲンも、ビタミンCがないと体内で合成されませんので、健康な骨にはビタミンCも欠かせない栄養素です。
ただし、サプリメントからではなく、食品を食べることが重要です。その理由とビタミンCを豊富に含む食品については、『ビタミンC』をご確認ください。
みかんの白い筋/ノビレチン
みかんの白い筋や綿のようなところに含まれている「ノビレチン」という成分が、骨の再生に関与していることが発見されています。
ですから、柑橘類を食べる時には、白い筋ごと食べるようにしましょう。
詳しくは『みかんの白い筋』をご確認ください。
体重を支える運動
骨に負荷が係る運動が骨を強くし、結果、骨折予防になります。
ダンベルやバーベルなど、ウエイトを挙げる運動よりも、片足で全体重を支える動きを含む次のような運動が適していると考えられています。
- ジョギング
- ウォーキング
- ヨガ
- ダンスなど
例えば、歩く時、私達は、右足、左足、と、交互に片足で全体重を支えています。
転倒を予防するためには、骨を強くして、体のバランス感覚を鍛えることが必要ですが、それには、重いものを持ち上げられることよりも、片足で全体重を支えられるようになることが不可欠です。
カルシウムの供給源
第一回目の記事の冒頭でご紹介した論文は、カルシウムをサプリメントで摂ることの無意味さを訴えているものです。食品や食事から摂ることを否定しているものではありません。(カルシウムのサプリメントの危険性については『カルシウムのサプリメント』をご参照ください。)
骨の45%はカルシウムですから、当然、カルシウムを不足させないことが健康な骨を維持するために重要です。
カルシウム豊富な食品を積極的に食べましょう。
カルシウム豊富な食品は『カルシウムを多く含む食品』をご確認ください。
牛乳に含まれているカルシウムはそれほど多くありません。ただ、牛乳は飲むだけで良いので、「牛乳=カルシウム」のように言われてきましたが、牛乳よりも多くのカルシウムを含んでいるお野菜はたくさんあるんですよ!
カルシウムの吸収を阻害する要因
胃酸が十分に分泌されている環境でのみ、カルシウムは腸内で吸収されます。
制酸剤
そのため、胃酸ブロッカーや胸やけの改善薬などを服用している場合には、胃酸の分泌が抑制されているので、カルシウムの吸収は減少します。
カルシウムだけでなく、制酸剤は他のミネラルの吸収も妨げてしまいます。
胃薬を頻繁に飲む習慣のある人は、ミネラル不足になっている可能性が高いと言えます。骨密度の低下に要注意です。
加齢
50歳以上になると、加齢によって胃酸の分泌が減少する傾向にあります。
そのため、カルシウム不足になりやすいと言えます。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
いかがですか?
カルシウムのサプリメントを飲むよりも、発酵食品を積極的に食べる方が、よほど、骨を健康に保てることに納得していただけましたか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献:
- “Calcium intake and bone mineral density: systematic review and meta-analysis”, Vicky Tai, William Leung, Andrew Grey, Ian R Reid, Mark J Bolland, BMJ 2015; 351 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h4183 , 29 September 2015, BMJ 2015;351:h4183
- “Calcium From Supplements or Dairy Doesn’t Strengthen Bones, Study Finds”, MAGGIE FOX
- “Probiotics and Bone Health: It takes GUTS to Improve Bone Density”, Hamid Yousf, Geetanjali B Tomar and Rupesh K Srivastava, 11 August, 2015
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング