バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
2018年に初めてこの記事を執筆しました。
そして、その後も様々な改正がなされる度に、また、新しい超加工食品と病気との関係が発表される度に、加筆しているものです。
なお、裏付けとなる研究論文などは、最後に参考文献として一覧にしています。
ウルトラプロセスフードって何?
ウルトラ・プロセス・フード(Ultra-processed foods)は、日本語で、「超加工食品」と訳される加工食品のことです。
「ウルトラ」って、かなりすごい響きですね。
ウルトラマン以外では、聞きなれない言葉ですが、加工の度合いが著しく高い食品を指す言葉です。
どんな食品が「加工の度合いが著しく高い」食品なのかと言えば、具体的な例を下に掲示します。
上の表を見ると、普通にコンビニやスーパーなどで売っている食品がほとんどです。
つまり、ウルトラプロセスフード(超加工食品)とは、現代人のわたし達にとっては、特別な加工食品のことではなく、日常に溢れている多くの加工食品のこと、です。
具体的には、伝統的な最低限の加工がなされた食品(豆腐、味噌、醤油など)のことではなく、多様な食品添加物が加えられた食品のことです。
どれくらい頻繁にコンビニに行きますか?
1日の食事のどれくらいを超加工食品が占めているのか、欧州、北米、ニュージーランド、ブラジルで調査が行われました。その結果、
1日のエネルギー摂取量の
平均 25 ~ 50 %
を超加工食品が占めている
ということが判明しました。
一日のエネルギーの4分の1から半分が、超加工食品という驚くべき事実です。
きっと日本でも同じような結果が得られるのではないでしょうか。
1日に1食でもコンビニやファストフード店の食品で済ませたり、スーパーのお総菜やレトルト食品、インスタント食品などで済ませたりすれば、あなたの1日のエネルギーの約3分の1が超加工食品ということになります。
何が悪いの?
いったいコンビニやスーパーのお弁当やお惣菜の何がいけないの?
レトルトの何がいけないの?
と、思いますか?
様々な研究で挙げられている、多くの超加工食品の問題は次の通りです。
- 脂肪、飽和脂肪酸、砂糖、塩を多く含んでいる
- 食物繊維とビタミンの含有量が少ない
- 加熱で発がん性物質を発生させる成分を含んでいる(アクリルアミドについては『衝撃ニュース!米国カリフォルニア州の高等裁判所がコーヒーショップに「発がん物質使用の警告文」の掲載を命令。その真相は?!』を参照ください)
- 食品を包装している材料に発がん性物質やホルモンバランスを乱す物質などが含まれている
- 試験管試験や動物実験では発がん性が示されているものの、ヒトに対する安全性が確認されていない食品添加物が使用されている
食品添加物は無害ではない
超加工食品の問題点として上で挙げられている事柄のどこが問題なのか分からないと、いう人もいるかもしれませんね。
食品添加物は、安全だから食品に入っていると思っている人もいるでしょう。国がヒトに対する安全性を保障してくれていると思っている人もいるかもしれませんね。
でも、それは違います。
ヒトでの安全性は確認されていない
食品添加物の安全性は、ヒトに対して確認されていません。動物に短期間与えて検証しているだけです。
毒だから規制されている
無毒なら、量や種類を制限する必要はありません。
でも、食品添加物は、食品衛生法によって使用できる種類と量が mg単位、ppm単位で規制されています。
有毒だからこそ、国が、使用できる種類と量を法で定めているんです。
ウルトラプロセスフード(超加工食品)の舞台裏
ケミカル・クッキング
コンビニ弁当が、どれほどの食品添加物を使用して作られているのか、コンビニ弁当に貼りつけられている原材料表に基づき、実際にコンビニ弁当を再現調理する番組『ケミカル・クッキング』がYou Tubeに以前ありました。
現在は削除されているようですが、その番組が紹介していたのは
- 白米を炊くのに4~5種類の食品添加物がお米に足されていること
- カット野菜をプールの水の殺菌剤と同じ薬品(次亜塩素剤)で洗浄していること
- マヨネーズを卵も酢も使わずに、液状の食品添加物数種を混ぜ合わせて作っていること
- ハンバーグは、ひき肉に粉末状の添加物を混ぜて作っていること
実際に、食品を使わずに、粉末と液体で多くの料理が作られていることを見せていました。ちなみに、次亜塩素剤は農薬です。
コンビニのおむすびの秘密
コンビニのおむすびには、秘密があります。このひっぱるだけのパッケージ(フィルム)に隠された秘密です。
このひっぱるだけのフィルムが、本当にひっぱるだけでスルッと抜けるようにするためには、ご飯に油を加えなければなりません。
コンビニの、例え白むすびであっても、フィルムをはがすための油が添加されています。味や風味や賞味期限のためではなく、フィルムのスムーズさのために油を入れて炊くのです。そして、微量にしか入れていないものは、食品添加物として原材料表に表示しなくても良いことも問題です。
だから、いくら原材料表を確認しても記載されていないので、多くの人が、ただ普通のおむすびを食べてると思っていますが、質の悪い油も一緒に食べています。
超加工食品を食べれば食べるほど・・・
そして、その結果、超加工食品の食事に占める割合が高くなると、次のような具体的な健康への害が多く報告されています。
がんになりやすくなる
フランス国立保健医学研究所(INSERM)が2018年2月に発表した調査では、超加工食品を食べる量が多い人ほど、がんの発症率が高くなることを報告しています。
コンビニを頻繁に利用している人達やスーパーで同様の菓子やパンやお惣菜などを購入している人達は、がんになりやすいということです。
特に、閉経後の女性の、乳がんリスクを有意に高めるとのことです。
独り暮らしの高齢者によるコンビニ利用率が高くなっているというニュースを最近よく耳にしますし、コンビニもその需要を狙って、高齢者が好きそうなお惣菜のレトルトのバリエーションを増やしています。非常に危険な状況ですね、
若死にしやすくなる
2019年2月11日の『 JAMA Internal Medicine (アメリカ医師会誌 内科編)』に掲載された調査論文によれば、超加工食品の摂取量と、がんと心疾患による若死リスクとの間には、直接的な関係があるとのことです。
これは、 45歳以上の 4万5,000人の食事を2年間に渡り評価し、9年間の追跡調査した結果です。
日本でも若い人ほど、あるいは、独り暮らしの人ほど、コンビニを利用する頻度が高いように思います。いくら便利でも、自分の寿命を天秤にかけるほどのことではないはずです。
不安症とうつになりやすくなる
『Public Health Nutrition(公衆衛生栄養)』に、米国に住む18歳以上の10,539人を2007年から2012年の5年間追跡調査した結果が掲載されていました。
研究は、1日の摂取カロリーに占めるウルトラプロセスフードの割合が最も低いグループと比較して、最も高いグループでは、うつを発症する傾向が高く、精神的に不健康に(不安症などで)過ごす日数が多いことを報告しています。
心臓血管疾患の原因となる
2024年9月に超加工食品と心臓血管疾患との関係について、30年間に渡って20万人以上を追跡調査した結果をハーバード大学栄養学部が次のように発表しています。
超加工食品が、
心血管疾患、冠状動脈性心疾患、脳卒中
の発症リスクを上昇させる
2024年9月現在までに行われた超加工食品と心臓の健康を調査した研究の中では、最大規模かつ最長の研究であることから、信頼性が最も高い研究結果だと評価されています。
肥満の有病率が高い
上記したハーバード大学の分析によって、超加工食品の総摂取量が最も低い参加者と比較し、最も高い参加者は次の傾向があることが示されています。
- カロリー摂取量が高い
- 健康食指数(AHEI)が低い
- 喫煙率が高い
- 肥満の有病率が高い
超加工食品を食べる頻度と量が多い人ほど、不健康な食事をしがちで、たばこを吸う人ほど超加工食品を食べる頻度と量が多く、結果、肥満になる率も高くなるということですね。
特に健康リスクを高める食品と添加物
上記したハーバード大学の研究によって次のことが明らかにされています。
加工肉・人工甘味料・砂糖
次の食品が、心血管疾患、冠状動脈性心疾患、脳卒中のリスクの上昇と有意に関連していることが示されています。
- 加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコンなど)
- 砂糖入り飲料
- 人工甘味料入りの飲料
加工肉には、塩分過多、飽和脂肪酸、亜硝酸塩が含まれていることが原因として挙げられています。
ビスフェノールA
プラスチック容器やパッケージに使用されている添加物です。
パッケージからビスフェノールAが食品移りした加工食品を飲食することで、糖代謝障害や糖尿病リスクが上昇することの関連性が示されています。
食品そのものだけでなく、食品を包んでいるパッケージにも有害な物質が含まれていて、それが、あなたの健康を蝕むことが確認されています。
最近、おむすびのフィルムをプラスチックから植物性原料のものに変更したというコンビニが出てきたのもこうした理由からですね。
その他の添加物
- マーガリン・・・血管内皮細胞の破壊
- グルタミン酸ナトリウム・・・動脈硬化の促進
- 亜硫酸塩・・・心臓組織の損傷
- 乳化剤・・・腸内細菌の変化(善玉菌の減少)
- 増粘剤・・・体内炎症
- 甘味料・・・動脈硬化促進性アポリポタンパク質の増加
グルタミン酸ナトリウムは、「味の素」の主成分で、味の素の97%はグルタミン酸ナトリウムです。欧米では規制されている物質ですが、日本では大人の事情で何の規制もされていませんから、さまざまな食品(レトルト食品、インスタント食品、調味料など)のうま味成分として用いられています。
原材料表の「アミノ酸」「うまみ調味料」「加水分解タンパク質」「酵母エキス」などと書かれているものは、グルタミン酸ナトリウムと同じ種類の添加物です。
加工食品の裏の顔を見る方法
その食品が本当に大丈夫なものなのかを判別するひとつの方法は、食品の裏に貼られている、あるいは、印刷されている、「原材料表」を確認することです。
もちろん、上でお伝えした通り、微量にしか含まれていないものは記載されていない可能性はありますが、それでも大量に使われているものの確認はできます。
2015年の改正による変更
食品表示の仕方(原材料表の記載方法)は、2015年4月1日に消費者庁が改正しています。詳しくは、消費者庁のパンフレットをご確認いただくとして、ここでは、主なものについてご紹介します。
大きな変化は、原材料表で食品と添加物を区別して記載することになったことです。そして、区別して表示する方法を次の4種類に限定しています。
例えば、苺ジャムの原材料表示は次の様になります。
- 別の欄を設けて表示
- 食品と添加物を「/」で区分する方法
- 食品と添加物を改行して別々の行に表示する方法
- 区切り線を設けて表示する方法
どれが添加物でどれが食品か分からない人にとっては見やすくなったように思います。
この改正による問題点
でも、酵母エキスや酒精など、実際は食品添加物なのに、法律上は食品として分類されているようなものは、食品の中へ記載されてしまうので、やはり何が添加物で何が食品なのか分らない人は、添加物の欄になにも記載がないからと言って、安心できません。
また、以前の原材料表では、食品と食品添加物をあわせて一番多く使用されているものから左から順番に記載されていました。そのため、その加工食品に多く使われているのが、食品なのか添加物なのかが一目で判りました。しかし、この新しい表示ではそれが分からなくなってしまいました。
上の例を用いると、いちごとゲル化剤のうち、どちらが多く入っているのか判りません。
いちごジャムなんだから、苺の方が多くて当然だと思っているあなた!ゲル化剤の方が苺よりも多く入っている苺ジャムは、実は、案外多いんですよ。でも、この新しい法律の下では、もはや判別できなくなりました。
2022年の改正による変更
「人工」「合成」「天然」という表示ができなくなりました。
詳しくは、『「無添加」表示が禁止に』をご確認ください。
遺伝子組換え食品の表示
表示義務のある食品
表示義務のある遺伝子組み換え食品を原材料としている場合、
- 「遺伝子組み換えのものを分別」
- 「遺伝子組み換え不分別」
と、表示することが義務付けられました。
でも、2018年現在、「遺伝子組み換えのものを分別」という表示を大豆などで見たことがありません。何も表示が無い場合がほとんどです。なので、やっぱり、「非遺伝子組み換え」とか「遺伝子組み換えでない」という表示がないものは、遺伝子組み換えだと思っておいた方が安心な気がします。
2023年の改正による変更
2023年4月から表示法が改正され、次のようになります。
「非遺伝子組換え」・・・遺伝子組換え食品の混入がない
「分別流通生産管理」・・・遺伝子組換え食品の混入が5%以下で有る
「遺伝子組み換え不分別」では意味が分かりにくことから、パッケージの余白にその意味を記載することになりました。これには次の2つの場合が含まれています。
- 遺伝子組換えと非遺伝子組換えの食品を分別管理していない
- 分別管理はしたが、遺伝子組換え食品が5%超混入している可能性がある
この改正が発表されてから、ようやく「分別流通管理」や「不分別」という表示を目にするようになりました。ということは、今まで5%以下の混入があっても「非遺伝子組換え」と表示していた製品があったということですね。怖いです。
また、アメリカには遺伝子組換え表示義務がありません。なのに今まで、アメリカ産の加工食品に「非遺伝子組換え」と表示された製品があることを常々疑問に思ってきました。この改正が発表されて以降、アメリカからの輸入食品あるいは輸入食材を用いた製品は、全て「不分別」表示になっています。
「やっぱり」と思うと同時に、改正されて良かったです。
アレルギー食品の表示
アレルゲンとして表示義務のある食品
アレルゲンとして表示義務のある食品には、下線がひかれることとなりました。こんな感じです。
そのため、特定原材料を含む加工食品を、別途、特定加工食品として表示することが廃止されました。
2023年3月発表(2025年4月改正)
年々、クルミに対するアレルギーの発症事例が増加し、とうとう、ピーナッツの事例数を超えたことから、クルミが特定原材料に追加されることになりました。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
どうしても加工食品に頼らざるを得ないような時には、ちゃんとパッケージ裏の原材料表を読んで、せめて、添加物の少ないものを購入するようにしてくださいね。
ソフィアウッズ・インスティテュートのプライベート・ヘルスコーチングでは、初日に、食品の裏側の見方をお伝えしています。私達現代人が添加物をゼロにすることは、なかなか難しいので、現実的に
- どのように加工食品を選んだら良いのか
- 何が良くて何が悪いのか
- どこまで大丈夫なのか
- 比較的安全な加工食品はどこで購入できるのか
そんなことをお伝えするところから始まります。
プログラムを通してクライアントさん達は、それが習慣になるので、海外に滞在している間にも、「これを買っても大丈夫ですか?」と、例えば、下のような写真が届きます。
頼もしい限りです。
これはカナダにある普通のスーパーの、ヴィーガン用のお肉(本物のお肉じゃないけど、お肉のように作ってある食品)が並んでいる棚の写真です。
普通のスーパーにこんなにヴィーガン食品があることに驚きますが、だからと言って、添加物フリー(無添加)ではないのが、ちょっと残念。
言葉が違うと分かりにくいですからね。クライアントさん達とは、こうして、二人三脚でやっています。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献:
- 「知っておきたい食品の表示(平成28年6月版・消費者向け)」消費者庁
- 「カップ麺などの「超加工食品」がんのリスク高めるか」2018/5/12, 日経Gooday 30+,
- “Consumption of ultra-processed foods and cancer risk: results from NutriNet-Santé prospective cohort“, BMJ 2018; 360 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k322 (Published 14 February 2018), Cite this as: BMJ 2018;360:k322
- “Association Between Ultraprocessed Food Consumption and Risk of Mortality Among Middle-aged Adults in France“, Laure Schnabel, Emmanuelle Kesse-Guyot, Benjamin Allès, et al, February 11, 2019
- “Cross-sectional examination of ultra-processed food consumption and adverse mental health symptoms“, Hecht, E., Rabil, A., Martinez Steele, E., Abrams, G., Ware, D., Landy, D., & Hennekens, C. (2022), Public Health Nutrition, 25(11), 3225-3234. doi:10.1017/S1368980022001586
- 「遺伝子組換え表示制度」、消費者庁
- 「くるみの特定原材料への追加及びその他の木の実類の取扱いについて」、消費者庁、2023年3月9日
- “Ultra-processed foods and cardiovascular disease: analysis of three large US prospective cohorts and a systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies”, Kenny Mendoza, Stephanie A. Smith-Warner, Sinara Laurini Rossato, Neha Khandpur, JoAnn E. Manson, Lu Qi, Eric B. Rimm, Kenneth J. Mukamal, Walter C. Willett, Molin Wang, Frank B. Hu, Josiemer Mattei, Qi Sun, he Lancet Regional Health – Americas, Volume 37, September 2024, 100859, https://doi.org/10.1016/j.lana.2024.100859
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング