自己免疫疾患かもしれないよくある症状

2020/02/18/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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診断された時にはかなり進行している

自己免疫疾患は、どの臓器の疾患であっても

診断断された時には既に80%~90%の細胞組織が破壊されている

と言ったら、驚きますか?

でも、本当のことです。

例えばアジソン病の場合

アジソン病は、副腎の一部が破壊されることで、副腎皮質で造られるホルモンが不足するために起こる、全身に症状が現れる病気です。

先天的にも後天的にも起こる病気ですが、自己免疫疾患で起きている場合、副腎組織の80%~90%が免疫T細胞に食い尽くされるまで、従来の血液検査では発見できません。

まず、体重減少や疲れやすさ、食欲低下が起こります。

適切な血圧調整ができなくなり、立ちくらみが生じることがあります。

吐き気や嘔吐、下痢、筋力低下があることもあります。

気分の落ち込み、うつ症状、何となく活気がない、元気がない、という状態でも既に発病していることがあります。

つまり、「自己免疫疾患と診断されていない」自己免疫疾患の人が、その可能性を疑われることもないまま検査もされないまま、不可解な不調に苦しんでいることは、実際にあるのです。

自己免疫疾患は稀な病気?

お医者様に訊ねたら、きっと「自己免疫疾患は、稀な病気だ」と言うでしょう。でも、それは、従来の検査方法では、細胞組織または臓器の90%が完全に破壊されるまで検知されないからです。

自己免疫疾患は、症状が対処不能になって、ひどい痛みに襲われるか、体の形状に異変が生じ始める(例えば、リウマチの関節のように)まで、検査結果に現れてきません。

細胞組織のほとんどが破壊されるまで、自己免疫疾患と診断されないのです。だから、「稀な病気」ということになるのですが、それでは遅すぎます。

この事実は、どの自己免疫疾患においても同じです。それは非常に怖いことではないでしょうか。

最近、次のような症状はありませんでしたか?

  • 疲れが抜けなくてコーヒーが手放せない
  • 低血圧気味で立ちくらみがある
  • ちょっと気分が落ち込み気味で時々下痢もある
  • なんとなく元気がない

こうした何気ない症状も、自己免疫疾患による可能性があるのです。

今回は、自己免疫疾患についてお伝えします。

自己免疫疾患は薬では完治しない

自己免疫疾患で処方される薬を飲めば、病気が治ると考えるのが普通です。

でも、残念ながら、それは間違いです。

橋本甲状腺炎やグレーブス病の例

両方とも、免疫T細胞が甲状腺を破壊する自己免疫疾患です。

症状は、グレーブス病か橋本病かを問わず、甲状腺機能低下症と甲状腺機能亢進症の両方向に揺れ動きます。両方の症状が現れることもあります。(甲状腺機能低下症については『甲状腺機能低下症』をご参照ください。)

一般的な治療法は、甲状腺ホルモン剤の処方と手術や放射線治療などです。そして、お医者様は大抵、「様子を見ましょう」と言います。抗不安剤を処方してくれることもあります。

投薬によって甲状腺検査の結果や症状は良くなります。

でも、完治はしていないんです

なぜ完治しないのでしょうか?

少し考えたら、答えはすぐに見つかります。

例えば甲状腺機能低下症の場合、処方薬は甲状腺ホルモンを補完するだけです。薬が甲状腺ホルモンの代わりをしてくれるので、甲状腺の検査結果(甲状腺ホルモンの量)は改善しますし、症状も改善します。

でもその薬は、暴走している免疫T細胞の攻撃を止めさせたり、攻撃を防御しているわけではありません。免疫T細胞は、変わらず全力であなたの体内組織を破壊しようとして働いています。

そして、数ヶ月から数年後、別の臓器を標的とする別の自己免疫疾患が発症することがほとんどです。

自己免疫疾患をもっている人は、大抵、「多重組織抗体」を持っています。

つまり、ひとつの自己免疫疾患をもっている人は、大抵、2つ、3つ、時に4つの自己免疫疾患をもつようになります。

甲状腺摘出術を受けても完治しません

そもそも甲状腺が悪いのではなく、甲状腺は免疫T細胞の攻撃の標的にされている被害者です。

学校でいじめがあった時に、いじめられている子を転校させても、いじめっこが校内に留まっている限り、その学校でいじめがなくならないのと同じです。

いじめっこをどうにかしなければ、次の標的がいじめられるだけです。

例えるなら免疫T細胞がいじめっこです。免疫T細胞の暴走を納めなければ、またひとつ、もうひとつと、次々に臓器が標的にされていくだけです。暴走した免疫T細胞は、あなたの臓器を殺し続けるのです。

全ての自己免疫疾患で、免疫T細胞の暴走が起きています。

告げられた病名は、最も大きなダメージを受けた臓器の名前というだけのことなのです。

自己免疫疾患の専門検査機関で検査する

臓器の90%が死んでしまう前に、病名に関係なく全身に起こる不調に気づいたら、専門の検査を受けてみてはどうでしょうか。

がんと同様に、自己免疫疾患も早期発見が重要です。

冒頭に記載した通り、自己免疫疾患は気づかれないまま、今まさに進行しているかもしれない可能性がある病気です。

専門の検査機関のひとつにCyrex Labsという会社があり、「多重自己免疫反応スクリーン(Multiple Autoimmune Reactivity Screen)」という検査をしてくれます。一般的な医療機関による検査よりも自己免疫疾患を検出できる確率が高いとの評価がある機関です。

なお、ソフィアウッズ・インスティテュート並びに私個人共に、Cyrex Labsと何らビジネス関係はありません。

自己免疫疾患の引き金となるもの

免疫T細胞の暴走を生むキッカケになる要因にはいくつかあります。

例えば、次のようなものが引き金になると考えられています。

  • 病原菌による感染症
  • 食品

食べ物は重大な引き金です。

食事を変えることで、自己免疫疾患を治してしまったと報告している人もいらっしゃいます 。

引き金になると考えられている食品

現在、自己免疫疾患との関連性・相関関係が報告されている食品にはいくつかあります。しかし因果関係が証明されたものは、まだありません

ですから、今回ご紹介する食品が必ず自己免疫疾患を起こすとは言えません。

また、私たちは、ひとりひとり異なるバイオ個性をもっています。ある人にとって薬となる食品があなたにとって毒になることもあれば、ある人にとって毒となる食品があなたにとって薬になることだってあります。

ですから、次の食品との付き合い方は、ひとそれぞれであり、あなた自身の体の声に従うことが重要です。

  • グルテンを含む食品(小麦、大麦、ライ麦など)
  • 乳製品
  • 穀類(アマランス、スペルト小麦、米、オート麦、タピオカ、キヌア)
  • 発芽した穀類
  • とうもろこし
  • 発酵食品
  • 白砂糖

ただ、もし「自己抗体が上昇している」と診断されたなら、まずは小麦、白砂糖、乳製品を食事から抜くことから始めてみてください。

積極的に食べた方が良い食品

一方で、免疫細胞の暴走を予防したり、鎮静化させる効果があることが報告され、積極的に食べて欲しい食品があります。

免疫細胞の60%以上は腸内にあり、腸内細菌が免疫細胞の挙動を指導していることが判っています。そのため、免疫T細胞の暴走は、腸内環境を改善させることで次第に抑えられる可能性があります

一般的に腸内環境を整えるのに効果的だと考えられている食品は、プロビオティクス=発酵食品です。しかし、自己免疫疾患の人の場合、発酵食品のヒスタミンが分解できないケースもあることから、発酵食品を避け、ビタミンDの多い食品を積極的に食べることをお勧めします。

ビタミンDは、腸内環境を整え、免疫機能を調整してくれます。

ビタミンDと自己免疫疾患との詳しい関係については『ビタミンD』をご確認ください。また、『発酵食品を食べてはいけない人』も併せてご確認ください。

抗炎症作用/抗酸化作用のある食品

自己免疫疾患の人の体内には、通常よりも多くの過酸化水素が発生しており、細胞に酸化ダメージを与えていると考えられています。

呼吸をしている限り、過酸化水素は細胞内で発生するものです。ですから、その発生自体が悪いのではありません。発生量が多すぎたり、発生した後ただちに中和されないことが問題なのです。

細胞内の過酸化水素を中和してくれる酵素には2種類あります。

  • グルタチオン
  • カタラーゼ

グルタチオンもカタラーゼも両方とも酵素ですから、直接、そのままの形で食品から摂ることはできません。胃液で分解されてしまうのです。

だから、例えば、肝臓で造られ肝臓に多く存在しているグルタチオンも、レバーを食べたとしても胃で分解されてしまうので、体内にグルタチオンとして吸収されることはありません。サプリメントについても同じことが言えます。

ですから、これらの酵素の材料となる食品を食べて、体内で自前で産生を促すことが必要です。

カタラーゼを増やすには『カタラーゼを体内で作る方法』を、グルタチオンについては『グルタチオンを増やすには』をご参照ください。また、水素水については『水素水って本当に効果があるの?』をご覧ください。

アブラナ科のお野菜には、ビタミンCを豊富に含んでいるものが多いです。

ビタミンCは、体内で過酸化水素が中和される過程で必要となる栄養素です。体内のカタラーゼを増やしてもくれます。

ビタミンCの多い野菜と果物』もご確認ください。

ナッツ類&豆類

グルタチオン

グルタチオンは、3種類のアミノ酸グルタミン酸シスチングリシン)が結合して体内で造られるトリペプチドと呼ばれる物質です。

これら3つのアミノ酸が豊富に含まれている食品、つまりナッツ類を多く食べることが体内でグルタチオンを造る上で大切となります。ナッツに抗酸化作用があることが近年よく知られてきました。

また、ニンニク玉ねぎブロッコリーカリフラワー等、硫黄の成分となる物質を持っている食品と一緒に食べることで、グルタチオンの産生が促されます。

赤身の魚とキノコ

ナイアシン

赤身の魚とキノコには、ナイアシンが豊富です。ナイアシンは、過酸化水素が私達の体内で中和される過程で必要となる NADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の材料となります。

赤身の魚には、体内でカタラーゼを増やすと言われているセレンも豊富です。

穀類・種(シーズ)

ひまわりの種、蕎麦、豆類にもセレンは豊富に含まれています。

セレンを多く含む食品については『セレン』をご確認ください。

ターメリック生姜

ターメリックや生姜にも体内の過酸化水を中和する効果があると考えられています。

ターメリックの詳しい機能については『ターメリック』をご確認ください。

その他自己免疫疾患に関する記事

これまでに自己免疫疾患について執筆した記事です。こちらもご参照ください。

ソフィアウッズ・インスティテュートができること

自己免疫疾患は、重篤になるまで、なかなか一般的な検査では発見されない病気です。

不調が全身に表れるのが特徴です。例えば、更年期症状に似ています。

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