バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
食品摂取基準は欠乏症の予防に役に立つが・・
政府が発表している食品摂取基準を見ると、ひとつひとつの栄養素を1日にどれくらい摂取する必要があるか、詳しく裏付けとなる分析や研究論文を要約して説明してくれています。
栄養素をひとつひとつ個別に説明することで、ガイドライン(基準)を理解しやすくなります。
また、こうしたアプローチは、欠乏症や過剰摂取の予防に役に立ちます。
でもある食品に含まれている栄養素たちはチーム
ほとんどの栄養素は、私達の体内で単独ソロ活動はしません。グループのメンバーとして、時に助け合い、時に競争し合い、お互いに影響し合いながら行動しています。
それが、自然食品をホールフードで食べた方が良い理由のひとつです。
自然食品に含まれている栄養素たちは、一緒にまとめてひとつのチームなんです。既にそれぞれの個性が活かされるように組み合わされてひとつの食品になっています。ひとつひとつでは弱かったり、気まずかったりするメンバーも、それを仲介するメンバーもちゃんと居て、ひとつの食品として成り立っています。
例えば、マルチサプリメントで複数の栄養素を一緒に摂ったとしても、そこに仲介役はいません。
ソフィアウッズ・インスティテュートでは、ブログやセミナーや講座、ヘルスコーチングプログラムの中で、サプリメントで栄養補給するよりも自然食品を食べること、ホールフードで食事をすることの大切さをお伝えしています。(詳しいサプリメントの落とし穴や自然食品の力についてお知りになりたい方は、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースへお越しくださいね。)
今回は、一緒に行動することで効果を発揮する、典型的な栄養素を豊富に含んでいる食品を紹介します。もちろん、ここに紹介するものだけではありません。これらはほんの代表例です。
なお、「豊富に含んでいる」とは、FDA(米国食品医薬品局)の基準に則って、可食部100g中に、ある栄養素が1日に必要とされる量の10%以上を含んでいることを指します。
どちらが欠けても上手くいかない栄養素
ビタミンDとカルシウムは、どちらか一方が欠けると、私達の体内で上手く機能してくれません。
カルシウムのほとんどは、小腸で吸収されます。しかし、カルシウムが吸収されるためには、ビタミンDの助けが必要なんです。カルシウムだけ摂っても吸収されないので、もちろん、骨にはなりません。
カルシウム不足が気になるのなら、カルシウムのサプリメントを飲む前に、次の食品を意識して食べてみましょう。
これらの食品には、ビタミンDとカルシウムの両方が、1日に必要な量の10%以上含まれているので一石二鳥です。
- キクラゲ(黒、白)
- あじ、いわし、はも
- あゆ、うなぎ
- 北の魚(鮭、さば、さんま、にしん、ほっけ)
ビタミンDはその他多くの良い働きももっています。
- ビタミンDのその他の働きについては『ほぼ全ての細胞が必要とするビタミンDはほぼ全ての機能と関係している』をご参照ください。
- カルシウムについては『ミネラルの精神安定剤、筋肉痛予防にもなるカルシウム|カルシウムを多く含む食品と乳製品の功罪』をご参照ください。
現代人に欠かせない栄養素
特に 加工食品、簡単調味料、冷凍加工食品を食べる頻度の高い人、または、既に高血圧や不整脈などが指摘されたことのある人は、カリウムの豊富な野菜やフルーツなどの食品を一緒にたくさん食べることが大切です。
なぜなら便利な加工食品、簡単調味料、冷凍加工食品には、多くのナトリウムが使用されています。
ナトリウムは、ご存知、塩分です。そして日本人の多くは必要以上に毎日摂ってしまっています。過剰なナトリウムは、血管の弛緩と収縮、つまり弾力性を失わせ、血圧を上昇させ、心疾患を発症するリスクを高めます。
カリウムは、腎臓によるナトリウムの排出を助けます。多くの研究がカリウムを十分に摂ることが健康的な血圧の維持、心臓の健康に関係していることを示しています。
ナトリウムの多い食事をする傾向のある人は、カリウム豊富な食品と一緒に食べることがそうした疾患予防に不可欠です。
これらの食品には、カリウムが1日に必要な量の10%以上含まれています。
- きのこ類
- 芋類
- 豆類
- 野菜とフルーツ
加工食品に含まれている塩分については『隠れ塩分を見逃すな!』を、カリウムの働きについては『生命維持に欠かせないミネラル・カリウムの多い食品』をご参照ください。
栄養素のベストカップル
葉酸はビタミンB群の一員です。ビタミンB群は、群。グループとして一緒に機能するビタミン群です。(ビタミンB群については『意外と知られていないビタミンB群の正しい摂り方』をご参照ください。)
中でも、ビタミンB12と葉酸は、協働して細胞分裂や再生に関与し、 大人だけでなく、特に 胎児や子供の成長にとって重要 な働きをする、ベストカップルのような栄養素です。
ビタミンB12と葉酸のどちらか一方が欠乏しても、細胞内のDNAの合成が阻害され、未熟な赤血球(巨赤芽球)ができ、巨赤芽球性貧血と呼ばれる悪性貧血が起こります。
また、胃の細胞と髪のキューティクルは、他の細胞よりも再生のタイミングが早いので、胃と髪の健康にとって、ビタミンB12と葉酸は欠かすことのできない栄養素と言えます。
次の事柄に心当たりのある人は、ビタミンB12または葉酸のどちらか、あるいは両方とも不足している可能性があります。
- 胃炎がある、あるいは枝毛が多い人
- 動物性食品を含まないヴィーガン食の人(ビタミンB12欠乏に陥る可能性があります)
- 加工食品や偏食の多い食事傾向の人、あるいは飲酒量が多い人(葉酸欠乏に陥る可能性があります)
ヴィーガンの人はビタミンB12のサプリメントには危険な成分が含まれていることが多いため、サプリメント選びには注意が必要です。
これらの食品には、ビタミンB12と葉酸の両方が1日に必要な量の10%以上含まれていますので、サプリメントで飲むよりも効果的です。
- あじ、いわし、かつお、かれい
- 北の魚(さば、鮭、たら、にしん)
- あゆ、うなぎ
- いか、うに
- 甲殻類(えび、かに)
- 貝類(あわび、かき、さざえ、しじみ、はまぐり、ほたて)
- 海藻類(のり、わかめ)
- 牛・豚・鶏の内臓
詳しくは、ビタミンB12については『ビタミンB12の作用|多く含む食品とサプリメントの選び方』、葉酸については『葉酸には2種類あるって知っていますか?』をご参照ください。
お互いをけん制してしまう栄養素
亜鉛と銅は、小腸内で吸収を争うライバル同士です。
亜鉛が多すぎると銅が欠乏し、銅が多すぎると亜鉛欠乏が起きます。そのため、どちらか一方だけをサプリメントなどで摂ると体内でバランスを崩し、どちらかの欠乏症のような症状が現れる可能性が高まります。
例えば、黄斑変性症の治療のために開発されたAREDSと呼ばれる特殊なビタミンとミネラルの混合剤があります。このAREDS錠剤には、黄斑変性症の症状の進行を遅らせることが示されている亜鉛が80 mgも含まれています。銅欠乏を起こすには十分な量です。そのため、この合剤には、銅も2mg含まれています。
医薬品はわざわざそうした配慮をして製造されなければなりませんが、自然食品にはそれぞれの栄養素が自然とバランス良くなるように仲介役と一緒に含まれています。
次の食品には、亜鉛と銅の両方が豊富に含まれているので安心です。
- 根菜類、とうもろこし、しそ、ホウレン草
- キノコ類(きくらげ、まいたけ、しいたけ、まつたけ、しめじ)
- 海藻類(のり、こんぶ、わかめ)
- ナッツ類(栗とぎんなんを除く)
- 豆類(あずき、いんげん、大豆、ひよこ豆、そらまめ)
- あじ、いわし、かつお
- 北の魚(鮭、さば、さんま、たら、にしん、ほっけ)
- あゆ、うなぎ
- 貝類(あさり、さざえ、かき、しじみ、はまぐり、ほたて)
- 甲殻類(えび、かに)
- 軟体(いか、たこ)
- 肉類(牛、豚、鶏、羊)
もし亜鉛が足りていないことを示す不調が現れたら、亜鉛のサプリメントを飲むのではなく、ここに紹介した食品を食べることから始めましょう。
亜鉛については『美肌や美髪・不妊予防に不可欠なミネラル亜鉛を多く含む食品と不足してしまう原因』を、銅については『生命維持にとって不可欠な銅|でも多くても少なくても問題』をご参照ください。
今回紹介した栄養素と食品の図解
例えば、あじ、いわし、鮭、さば、にしん、等の魚には可食部100gに、ビタミンB12、葉酸、カルシウム、ビタミンD、亜鉛、銅の6つの栄養素が1日に必要な量の10%以上含まれています。
しかし、魚はナトリウムの多い食品です。そのため、カリウム豊富なキノコ類や緑の野菜類などと一緒に食べると安心です。
あるいは、白と黒のキクラゲにはどちらにも 可食部100gに、カリウム、カルシウム、ビタミンD、亜鉛、銅の5つの栄養素が1日に必要な量の10%以上含まれています。 そのため、キクラゲと一緒にイカや貝類、エビなどと一緒にお料理したらビタミンB12と葉酸も一緒に摂れる一品が作れます。
マルチサプリメントを飲むよりも、ずっと体も心も満たされます。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
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