シナモンは葛根湯にも入っている生活習慣病を予防するスパイス

2018/10/18/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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秋になるとシナモンが恋しくなります。

米国やドイツで暮らしていた時には、10月に入る頃から様々なところから、シナモンの香が漂っていました。

ホット・アップルサイダーの中のシナモンスティックだったり、シナモンロールだったり、ジンジャーブレッドだったり・・・。

お店で購入できるシナモンには2種類ある

さて、お店で購入できるシナモンには2種類あるってご存知でしたか?

  1. セイロンニッケイ
  2. カッシア

1. セイロンニッケイ

スパイス専門店などで売られているもので、風味が良いと言われています。

2. カッシア

スーパーマーケットなどで広く売られているタイプのものです。

シナモンを使った臨床研究(人体実験)では、大抵、このタイプのシナモンが使われます。

シナモンは漢方の生薬

シナモンは、とても身近なスパイスですが、古来から薬として用いられてきました。

日本には遣唐使によってもたらされたと言われています。

和名は桂皮(ケイヒ)、漢方薬の生薬です。

体を内側から温める効果があると考えられていて、冷えからくる腹痛や関節痛、月経痛などの痛みの緩和に用いられてきました。

体を温める効果があるので、葛根湯の7つの生薬のひとつです。

シナモンは、聖書の中にもしばしば登場するスパイスです。

例えば、『出エジプト記』では、シナモンは「必ず携えておくもの」のひとつとして記載されています。(出エジプト記 30:23)

科学で示されたシナモンの機能

2014年の専門誌『エビデンスに裏付けられた代替医療Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine)』は、シナモン抽出液やシナモン精油に含まれる次の成分の機能について、今まで報告されてきた多くの研究論文の内容をまとめて掲載しています。

  • 桂皮アルデヒド
  • 桂皮酸
  • 桂皮酸エステル

今回は、その『エビデンスに裏付けられた代替医療』に掲載されていたシナモンの機能を中心にお伝えします。

なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。

1. 抗炎症作用/炎症性疾患の予防改善

カッシアの皮(シナモン)から抽出した「2’-ヒドロキシ桂皮アルデヒド」が、核内因子κB (NF-κB) を不活性化することで、一酸化窒素の産生を抑制したことが報告されています。

これは、シナモンの成分に抗酸化作用があることを意味します。

NF-κBはストレスや紫外線等の刺激によって活性化され、次の疾患に関与しています。

  • クローン病
  • 関節リウマチ
  • 炎症性疾患
  • 敗血症性ショック
  • がん/悪性腫瘍
  • サイトメガロウイルス (CMV) 増殖
  • ヒト免疫不全ウイルス (HIV) 増殖

(1)関節リウマチ

免疫シグナル伝達の重要な調節物質で、不活性化させることで関節リウマチの改善が期待される脾臓チロシンキナーゼを シナモン(カッシア)のエタノール抽出物が不活性化することが観察されています。

更に、関節リウマチや乾癬などの発症を誘発する過剰な腫瘍壊死因子α」の血中濃度をシナモンの水性抽出物が減少させたことが報告されています。

腫瘍壊死因子αは、マクロファージ(免疫細胞)により産生され、固形がんに出血性の壊死を生じさせる物質なので、ほどほどには必要ですが、過剰になると炎症性疾患の症状を悪化させてしまうのです。

2. 抗がん作用(血管新生の抑制)

シナモンの水性抽出液とプロシアニジンが、血管内皮の成長因子サブタイプ2キナーゼを不活性化させ、がんに伴う血管新生を抑制したことが報告されています。このことから、シナモンの抗がん作用に期待されています。

シナモンの桂皮アルデヒドの血管新生抑制効果について多くの検証がなされ、桂皮アルデヒドを化学合成した物質が、試験管試験と動物実験の両方で、腫瘍の成長を抑制したことが報告されています。

(1)大腸がん

スイスで行われたマウスの実験では、大腸がんに対するシナモンとカルダモンの効果を調べています。

シナモンとカルダモンの抽出物によって次の効果が表れたことが報告されています。

  • 抗酸化酵素であるグルタチオンS-転移酵素の活性が上昇
  • 過酸化脂質が減少

(2)メラノーマ

シナモン(カッシア)の精油が、次の効果を示したことが報告されています。

  • メラニンの生成を抑制
  • メラノーマ細胞の酸化ストレスを抑制

3. 脳神経障害/認知症予防と改善

シナモンの成分が脳を保護することが報告されています。

シナモン(カッシア)の多くの成分が、中枢神経系において、次の物質の産生を抑制したことが報告されています。

  • 一酸化窒素合成物(iNOS)
  • 酸素添加酵素(COX-2)
  • 一酸化窒素(NO)

そのことから神経変性疾患の治療に効果があるのではないかと期待されています。

(1)グルタミン酸中毒

シナモンの水性抽出物プロシアニジンのタイプAトリマー1(トリマー1)に、グルタミン酸ナトリウム(MSG、味の素)の摂取によって発生する興奮物質から脳神経を保護する作用があることが報告されています。

(2)パーキンソン病

シナモンの代謝物が、次の因子を増加させることが報告されています。

  • パーキンソン病の初期段階で劣性となる常染色体型DJ-1
  • 脳神経栄養因子(BDNF)
  • 神経栄養作用をもつニュートロフィンと呼ばれるタンパク質の一群(NT-3)

これは、シナモンの成分がパーキンソン病を予防・改善できる可能性を意味する他、認知症の予防改善できる可能性も意味しています。

(3)アルツハイマー病

動物実験ですが、シナモン抽出成分が、次の物質の産生を抑制したことが報告されています。

  • アミロイドβ寡量体
  • ニューロン褐色細胞腫(PC12)細胞の毒性
  • タウ・タンパク質の蓄積
  • フィラメント・タウの形成

これは、アルツハイマー病の予防・改善に対して期待できることを意味します。

4. 血糖値管理(糖尿病予防)

(1)インスリン模倣因子(IPF)

シナモンに含まれている次のような数種類のポリフェノール(抗酸化物質)が、インスリンのような挙動を示すことが報告されています。

  • ルチン
  • カテキン
  • ケルセチン
  • ケンフェロール
  • イソラムネチン
  • など

これらの成分は、インスリン抵抗性マウスのインスリン感受性を改善させ、糖尿病予防効果を示したことから、インスリン模倣因子IPF)と命名されています。

IPFを含んでいるスパイスは他にもありますが、シナモンには他のスパイスの20倍以上のIPFが含まれていると報告されています。

具体的には、シナモンには次のIPFが含まれていて、血糖値を下げる作用が観察されています。

  • シンナムタンニンB1
  • ポリフェノール・タイプAポリマー
  • ナフタレンメチル・エステル(ヒドロキシ桂皮酸から派生した化合物)

ちなみに、シナモンに含まれている抗酸化成分カルコンノイドの一種のメチルヒドロキシカルコンは、長いことIPFだと考えられてきましたが、今ではIPFではないことが判明しています。

(2)糖新生の低下

糖新生とは、ブドウ糖以外の物質をブドウ糖に作り変えてしまう体内の仕組みです。主にアミノ酸(タンパク質)のひとつアラニンが肝臓でピルビン酸に還元されることが糖新生に重要な役割を果たしています。

マウスを使った動物実験では、シナモンの水性抽出物が、アラニンの腸内吸収を有意に低下させたことが観察されています。

糖尿病の人もそうではない人もシナモンを食事に加えるだけで血糖値を安定させられそうですね。

(3)HbA1c

Ⅱ型糖尿病(生活習慣による糖尿病)の患者を対象に、シナモンを4~8週間、1日120mg~6,000mgを食べさせた研究では、残念ながら、糖尿病マーカーのひとつである HbA1c の値に変化はみられなかったことが報告されています。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、血液中のヘモグロビンがどれくらい糖と結合しているかを示す指標です。血液中の糖と結びついたヘモグロビンは「糖化ヘモグロビン」と呼ばれ、この糖は赤血球が死ぬまで離れません。

血糖値が高い状態が続けばHbA1c が増えることから、HbA1cは過去1~2か月間の血糖値の状態を表します。

言い換えれば、HbA1c は、短期間の食事の影響を受けないため、シナモンを食べる期間をもっと長くして検証したら異なる結果となった可能性は否定できません。

5. コレステロールと中性脂肪減少

複数の研究が、シナモンが血糖値を下げるだけでなく、コレステロール値も低下させることを報告しています。

(1)鶏の場合

ブロイラーの鶏にシナモン精油を与えたところ、コレステロール値が低下したことが報告されています。

つまり、まったく運動をしなくてもシナモンの精油を食べるだけで鶏は痩せたことになります。

ヒトはどうなんでしょう?

まったく運動しなくても、ただ大量にシナモンを食べるだけでコレステロールが減ったら魔法の粉ですね(笑)

(3)マウスの場合

餌の15%をシナモン(カッシア)の粉末にして35日間マウスに与えた研究では、次の数値が低下したことを報告しています。

  • 総コレステロール
  • 中性脂肪
  • 悪玉コレステロール

とはいえ、人間の食事の15%をシナモンにするのは非現実的ですね・・・

(3)ヒトの場合

Ⅱ型糖尿病(生活習慣による糖尿病)の患者を対象に、シナモンを4~8週間、1日120mg~6,000mgを食べさせた研究では、次の数値が低下したことが報告されています。

  • 総コレステロール
  • 悪玉コレステロール
  • 中性脂肪
  • 収縮期血圧(上の血圧)
  • 拡張期血圧(下の血圧)

また、善玉コレステロールが増加しました。

シナモンは、大さじ1杯で約 5.4g なので、毎日大さじ1杯強のシナモンを食べるのと同じですね。これならいけそうです(笑)

6. 心疾患予防

多くの研究が、シナモン(カッシア)の「桂皮アルデヒド」と「桂皮酸」に、心筋虚血症などの循環器系疾患の予防効果があることを報告しています。

トロンボキサンA2(TXA2)は、様々な免疫・炎症反応に関与する代謝産物のひとつで、血小板表面に結合し、血小板凝集を誘導します。そのため、TXA2を抑制したり、TXA2受容体をブロック(阻害)することは血栓症を予防することになります。

シナモンに含まれているリグナンのひとつの「シンナモフィリン」は、TXA2受容体をブロックすることが、マウスと豚を使った実験で確認され、動脈硬化を予防することが観察されています。

TXA2受容体の不全が関係している病気の治療にシナモンを並行して取り入れることで治療効果を高めるのではないかと期待されています。

7. 抗菌作用

シナモン精油が、次の菌類に対して、抗菌作用を示したことが報告されています。

  • リステリア菌
  • フェカリス菌
  • 黄色ブドウ球菌
  • セレウス菌
  • サルモネラなどのグラム球菌
  • E.Coli大腸菌
  • 肺炎球菌
  • 腸炎エルシニア菌
  • トルラ酵母
  • 分裂酵母
  • カンジダ
  • パン酵母

8. 老化予防/最終糖化産物(AGEs)形成の抑制

AGEは、タンパク質の糖化反応(メイラード反応)によって作られる生成物の総称で、体の老化に関与しており、現在判っているだけでも、数十種類あると言われています。

シナモンに含まれている次のフェノール類とフラボノイドが、AGE形成における中間反応物質であるメチルグリオキサール(MGO)などを除去し、AGEの形成を阻害する可能性が示唆されています。

  • エピカテキン
  • カテキン
  • プロシアニジンB2

ちなみに、AGEsは次の疾患を悪化させると考えられています。

  • 糖尿病や糖尿病の合併症
  • アテローム性動脈硬化症
  • 慢性腎不全
  • アルツハイマー病などの神経変性疾患

シナモンをお料理に活用する

美味しくて素晴らしい機能が期待できるスパイスを使わない理由はないですね。

シナモンを使った簡単レシピです。

なお、シナモンをお料理に活用する基本的な考え方については『キッチンを薬局に|基本の15ハーブの効能と使い方(3)』をご参照ください。

2024年7月、米国FDA(食品医薬品局)は、シナモンパウダー製品から大量の鉛が検出されたとして、一部の製品の使用を中止し、製品を廃棄するよう警告を発表しています。

詳細は『FDA Public Health Alert Due to Presence of Elevated Levels of Lead』をご確認ください。鉛が検出された製品名が画像と共に掲載されています。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

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ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング