
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
ダイエットしても効果なし
食事に気をつけているのに、なかなか痩せないことに悩んでいませんか?
適度な運動をして健康的な食事をしているのに、体重が減らない。それどころか、体重が増加傾向にある・・・。
もしかしたら、今飲んでいる医薬品が原因かもしれません。
医薬品の多くは、脂肪燃焼スイッチや甲状腺ホルモンの分泌を阻害するような力をもっています。幸福ホルモンのセロトニンの分泌や腸内細菌に影響を与える医薬品もあります。
詳しくは『抗生物質だけでなく数多くの医薬品が腸内細菌にダメージを与えていることを権威ある業界誌が発表。薬品の真実について』をご参照ください。
医薬品からの影響で太ってしまっている、あるいは、体重が減らない場合には、カロリー制限をしても効果はありません。
そこで今回は、体重を増加させることが判明している医薬品についてお伝えします。
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
抗ヒスタミン剤/アレルギー薬

アレルゲンに接すると、あなたの体はヒスタミンを放出して体を守ろうとします。しかし、ヒスタミンの放出が多すぎると不快感を伴うアレルギー症状が表れます。
そのため、アレルギー症状の改善薬には、ヒスタミンを抑制する働きのあるもの、つまり、抗ヒスタミン作用のある薬が多く存在しています。
例えば、次のような製品は抗ヒスタミン剤です。
- フェキソフェナジン (商品名アレグラ)
- セチリジン (商品名ジルテック)
- ロラタジン (商品名クラリチン)
- ジフェンヒドラミン (商品名ベネドリル)
- など
1. 食欲をコントロールする酵素の阻害
体内でヒスタミンの産生を抑制するこれらの薬は食欲を増進させます。
ヒスタミンをブロックする際に、脳内で食欲をコントロールする酵素の分泌も阻害してしまうからです。
ただ食欲の増進は、1~2週間の服用では起こりません。3か月以上の習慣的な服用によって引き起こされます。
2010年の研究は、「アレグラ」と「ジルテック」を服用しているグループで、服用前よりも体重が 55%も増加したことを報告しています。
体重40kgの人が、62kgになってしまうのです。
2. アレルギー反応は食事で改善
アレルギー反応は、腸内環境を整え、免疫機能を高めることで、ある程度抑えることができます。あなたの皮膚や粘膜に共生している細菌や腸内細菌がアレルギーと深くかかわっていることは、すでに多くの研究によって明らかにされています。
腸内細菌の顔ぶれや善玉菌の量は、食事で変えることができます。
ポンっ!と口に放り込む錠剤は、直ぐに症状を抑えてくれますが、その効果は一時的です。あなたのアレルギーを治してくれているわけではありません。
時間はかかっても、そもそも薬に頼らなくてもよい体を作ることを検討しましょう。アレルギーの薬なんて要らない体は、作ることができます。
季節性のアレルギー症状を改善・緩和する方法については『統合食養学的アプローチ』をご参照ください。
3. 特別講座のご案内
ソフィアウッズ・インスティテュートでは、プライベート・ヘルスコーチング・プログラムやマインド・ボディ・メディシン講座を通して、臨床に裏付けされた、かつ、40年弱花粉症の薬を常用していた私自身も実践して効果を得られた方法をお伝えしています。

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抗うつ薬

抗うつ薬の多くは、セロトニンの分泌を促すように働きます。
セロトニンの別名は、幸福ホルモンです。あなたの幸福感と密接なかかわりをもっているホルモンです。
セロトニンの脳内濃度を高める作用をもつ抗うつ薬は次のようなものです。
- フルオキセチン (商品名プロザック)
- セルトラリン (商品名ゾロフト)
- パロキセチン塩酸塩水和物 (商品名パキシル)
- ベンラフェキシン (商品名イフェクサー)
- ミルタザピン (商品名レメロン)
- など
1. レプチンと無関係
通常、セロトニンは、満腹ホルモンのレプチンの分泌を促し食欲を抑えるように働きます。そのため、服用を始めて最初の1~2か月は体重が減る人もいます。しかし、その効果は一時的です。
体重が落ちた後、炭水化物への食欲が旺盛になり、1年以上抗うつ薬を服用している人は、驚くほどの体重増加を経験します。
2000年の『神経精神薬理学(Neuropsychopharmacology)』に掲載された論文は、抗うつ薬により、腫瘍壊死因子(TNF)αが活性化することが、セロトニンが増えているのに食欲が旺盛になってしまう原因だと報告しています。
TNF-αは、肥満によって内臓脂肪細胞から分泌される悪玉サイトカインのひとつで、インスリン抵抗性を誘発する物質です。
そして、抗うつ薬や向精神薬による体重増加は、レプチンの血中濃度に関係なく起こる可能性があると結論付けています。
2. 抗うつ薬間の体重への影響の差
抗うつ薬が起こす影響は同じではありません。
英国のキングスカレッジ・ロンドン校の研究者は、約58,000人を含む臨床試験と米国食品医薬品局(FDA)のデータベースを用いて、システマチックレビューとランダム効果ネットワークメタアナリシスを実施し、30種の抗うつ薬が体重や血圧など15項目の生理学的パラメータに及ぼす影響を比較した結果、薬剤間で生理学的変化に明確な差があることを明らかにし、2025年10月にランセットに発表しています。
(1)体重減少を起こす抗うつ薬
プラセボ(偽薬)を服用したグループと比較して、最も体重を減少させた薬剤から順に記載すると次のとおりでした。
- アゴメラチン群・・・平均群間差 −2.44kg
- モクロベミド群・・・−0.94kg
- フルオキセチン群・・・−0.81kg
- ブプロピオン群・・・−0.79kg
- レボミルナシプラン群・・・−0.77kg
- セルトラリン群(商品名ジェイゾロフト)・・・−0.76kg
- ベンラファキシン群(商品名イフェクサーSR)・・・−0.74kg
- シタロプラム群(商品名レクサプロ)・・・−0.65kg
- デュロキセチン群(商品名サインバルタ)・・・−0.63kg
- デスベンラファキシン群・・・−0.63kg
なお、日本で承認されている薬剤には商品名を記載しています。商品名のないものは、日本では未承認の薬です。
(2)体重増加を起こす抗うつ薬
プラセボを服用したグループと比較して、体重増加が大きかった薬剤から順に記載すると次のとおりです。
- マプロチリン群(商品名ルジオミール)・・・平均群間差 +1.82kg
- アミトリプチリン群(商品名トリプタノール)・・・+1.60kg
- ミルナシプラン群(商品名トレドミン)・・・+1.16kg
- ミアンセリン群(商品名テトラミド)・・・+1.15kg
- フルボキサミン群(商品名デプロメール、ルボックス)・・・+0.96kg
- ミルタザピン群(商品名リフレックス、レメロン)・・・+0.87kg
特に、マプロチリンまたはアミトリプチリンを服用したグループでは、約半数に2kg以上の体重増加が生じたことが報告されています。
3. セロトニンを食事で増やす
セロトニンの約90%は腸内で作られます。そのため腸内環境を整え腸内細菌の顔ぶれを良くすることで体内のセロトニンを増やすことは可能です。
もちろん、腸内のセロトニンは、脳へは届きませんが、腸内細菌を介した脳腸相関によって腸内のセロトニン濃度が脳内の神経伝達物質のバランスに影響を与えていることは多くの研究によって明らかにされています。
その他、セロトニンを増やす作用のある食品については『セロトニン』に掲載の記事をご参照ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートのセルフドクターコースでは、もっと詳しく幸せ体質の作り方を教えています。
高血圧薬/降圧剤

降圧剤は、血管を拡張することで血圧を下げる作用のある薬です。しかし、そのことが体重増加を引き起こします。
心不全や不整脈、冠動脈疾患の治療に処方されます。
1. ベータブロッカー
降圧剤のうち、体重増加を招くのは、ベータ(β)ブロッカーです。
代表的なベータブロッカーは次のような薬です。
- メトプロロール
- プロプラノロール
- カルベジロール (商品名アテノート)
- ネビボロール(商品名バイストリック)
同じベータブロッカーというカテゴリーに含まれる医薬品でも、他のベータブロッカーよりも体重増加を起こしにくいものもあります。
例えば、メトプロロールとカルベジロールを比較した研究では、次の結果が示されています。
- メトプロロール・・・約45%の人が、服用前の体重から7%以上の体重増加
- カルベジロール・・・約1%の人のみが、7%以上の体重増加
体重をまったく増加させないわけではありませんが、もし体重が心配でしたら、お薬の変更をお医者様あるいは薬剤師さんに相談してみてはいかがでしょうか。
2. その他の降圧剤
ベータブロッカー以外の降圧剤も体重増加を起こすことが時々あります。
例えば、次のような降圧剤です。
- ACE阻害剤
- ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)
3. 体重減少を起こす降圧剤
降圧剤の中には、体重を減少させる作用のあるものもあります。
利尿剤です。
この種の薬は、体液(血液)を減少させるように作用するため、体重が減少したように感じます。
4. 降圧剤を必要としない体を作る
ヘルスコーチとしては、どの降圧剤が良いかということではなく、そもそも降圧剤に頼らなくても済むような食生活とライフスタイルをお勧めしたいです。
次の記事がそのためのお役に立てるはずです。
- 『血圧とコレステロールが気になる人はヨガ』
- 『心臓病や糖尿病の対策にいい食べ物と、薬の代りになる食事とは。』
- 『高血圧・高コレステロール・動脈硬化そして心室肥大に効果が期待できる食品とハーブ』
- 『生活習慣病の改善にはサンザシがお勧め』
- 『ケンフェロール』
- 『シナモン』
インスリン

インスリンは、血液中の糖(血糖)を細胞内に取り込む作用があります。
そのため、血糖値は下がりますが、細胞内に取り込まれた糖はエネルギーとして代謝されなければ脂肪として蓄えられるので、体重増加を招きます。
インスリンの総摂取量と体重増加には、正の相関があります。つまり、インスリンを摂取すればするほど、体重は増加します。
実際、インスリンを摂取している人の約95%が体重増加を経験します。しかも、その増加速度はかなり急激です。体重増加は、インスリン摂取を始めてから、3~4か月の間に起こります。
糖尿病治療のために処方されるインスリンが、結果として体重を増加させ、肥満症を誘発するというのは皮肉です。
ちなみに、インスリンそのものでなくても、インスリンの分泌を促す作用のある薬グリブリドも同じ理由で体重が増加します。
1. 糖尿病予備軍と言われたら
もし糖尿病予備軍と診断されたら、インスリンを摂取しなければならない状態にならないよう、できる限りの努力をしましょう。
インスリンを摂取している人の中には、体重減少を経験する人もいます。でもそれは、平行して行われる食事制限や運動の取入れによって起こるものです。
糖尿病の予防と改善に役に立つ食事とライフスタイルについては、次の記事をご参照ください。
解決策はキッチンを薬局にすること

1. 薬は症状を改善するだけ
薬は特定の症状を改善するように作られています。
頭痛薬は、頭の痛みを止める。降圧剤は、血圧を下げる。インスリンは、血糖値を下げる。
薬は、症状を鎮めてはくれますが、症状が起る根本原因を治しているわけではありません。頭痛は繰り返し、高血圧も高血糖も薬を飲み続けなければなりません。
2. 体はホリスティック
あなたの体はホリスティックです。すべてがつながって存在しています。ひとつの症状だけに着目するのではなく、体全体を診なくてはいけません。
ひとつの症状だけを無理に抑えようとすれば、他の部分にも影響が現れます。
理由(原因)があるから上がっている血圧や血糖を、原因は放置したまま、無理矢理に薬で下げるのですから、そのうちに他の臓器に負担や支障が現れても不思議はありません。
3. あなたは食べたものでできている
TVで流れてくる、ポンっ!と口に放り込めば解決するかのような印象を与えるサプリメントや健康食品のコマーシャルは魅力的です。
でも、あなたは食べたものでできています。
医食同源。薬食同源です。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

もし毎日の食事を改善することに関心があるものの、ひとりで取り組むことに不安や心配があるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
プライベート・ヘルスコーチング・プログラムについて
お気軽にご相談ください。
初回相談を無料でお受けしています。
あるいは、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで学びませんか?セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを学びます。
サプリメントに頼らなくても、食事でできる簡単な栄養補給方法やレシピをお伝えし、極端な食事制限などしなくても痩せる、適性な体重管理をする方法について教えています。
新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

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参考文献:
- “Food preservatives linked to obesity and gut disease – Mouse study suggests that emulsifiers alter gut bacteria, leading to the inflammatory bowel condition colitis“, Sara Reardon, 25 February 2015, Nature
- “An Additive Sugar Helps the C. diff Go Round”, Michael C. Abt, Volume 23, Issue 2, p156–158, 14 February 2018, Cell Host & Microbe, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chom.2018.01.016 |
- “Association of prescription H1 antihistamine use with obesity: Results from the National Health and Nutrition Examination Survey”, Joseph Ratliff, Jessica Barber, Laura Palmese, Erin Reutenauer, and Cenk Tek
- “Effects of antidepressants on weight and on the plasma levels of leptin, TNF-alpha and soluble TNF receptors: A longitudinal study in patients treated with amitriptyline or paroxetine”, Hinze-Selch D, Schuld A, Kraus T, Kühn M, Uhr M, Haack M, Pollmächer T, Neuropsychopharmacology. 2000 Jul;23(1):13-9.
- “Body weight changes with beta-blocker use: results from GEMINI”, Messerli FH, Bell DS, Fonseca V, Katholi RE, McGill JB, Phillips RA, Raskin P, Wright JT Jr, Bangalore S, Holdbrook FK, Lukas MA, Anderson KM, Bakris GL; GEMINI Investigators, Am J Med. 2007 Jul;120(7):610-5.
- “Long-term changes in insulin action and insulin secretion associated with gain, loss, regain and maintenance of body weight”, Weyer C, Hanson K, Bogardus C, Pratley RE, Diabetologia. 2000 Jan;43(1):36-46.
- “The effects of antidepressants on cardiometabolic and other physiological parameters: a systematic review and network meta-analysis.”, Pillinger T, Arumuham A, McCutcheon RA, D’Ambrosio E, Basdanis G, Branco M, Carr R, Finelli V, Furukawa TA, Gee S, Heald A, Jauhar S, Ma Z, Mancini V, Moulton C, Salanti G, Taylor DM, Tomlinson A, Young AH, Efthimiou O, Howes OD, Cipriani A., Lancet. 2025 Nov 1;406(10515):2063-2077. doi: 10.1016/S0140-6736(25)01293-0. Epub 2025 Oct 21. PMID: 41135546.
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング



