バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
植物性オイルの特性/個性
植物性ナチュラルオイルの特性は、『植物性ナチュラルオイルを選ぶ基準』でご紹介した異なる成分同士の相乗効果によって生まれます。
異なる有効成分の含有割合や組み合わせによって特性に違いが生まれ、それが個々のオイルの個性となります。
植物性ナチュラルオイルの特性には次のようなものがあります。
- 抗酸化活性
- 抗炎症特性
- 直接的および間接的抗菌特性
- 創傷治癒の促進
- 抗がん性
よく目にする植物性ナチュラルオイル19種類の特性について分析調査した多くの研究の中から、信頼できる裏付けのあるものを基準に、科学的な根拠のある個々のオイルの特性を一覧にしたものが下の表です。
その研究成果を基に、ひとつひとつのオイルの特性/個性をご紹介していきます。
今回は、グレープシードオイル、ココナッツオイル、ごま油、ザクロオイル、サフラワーオイル(紅花油)についてお伝えします。
グレープシードオイル
ぶどうの種から採れるオイルですが、香りはありません。
グレープシードオイルは、リノール酸などの遊離脂肪酸、フィトステロール、フェノール類、レスベラトール、そして、ビタミンEを豊富に含んでいます。
グレープシードオイルの抗酸化作用のほとんどは、フェノール類、レスベラトロール、ビタミンEによるものです。また、フィトステロールには、間接的な抗炎症作用があります。
グレープシードオイルは、オリーブオイルと似たフェノール類を多く含んでいます。
- フェノール酸
- フラボノイド
- タンニン
- スチルベン
などです。
また、グレープシードオイルには、次のようなポリフェノールも含まれています。
- カテキン
- エピカテキン
- トランスレスベラトロール
- プロシアニジンB1
浸透力は平均的でさらっとして軽いオイルです。肌のキメを整え滑らかにする効果があり、顔だけでなく、体の広範囲のトリートメントに向くと言われています。
ニキビ・肌荒れ・アトピー性皮膚炎
ニキビを含む様々な肌荒れやアトピー性皮膚炎では、黄色ブドウ球菌の増加が報告されています。
レスベラトロールには、黄色ブドウ球菌、大便連鎖球菌、緑膿菌などの病原菌に対する直接的な抗菌作用があります。レスベラトロールを直接、正常な皮膚に塗ると、黄色ブドウ球菌の増殖を阻害するカテリシジンと呼ばれる抗菌ペプチドの産生が促進されます。
しかし、グレープシードオイルを肌荒れやアトピー性皮膚炎の改善のために、直接ヒトのお肌に塗る効果については、まだ十分に研究されていないことから、注意が必要だと研究者は述べています。
ただ、ボディバターとしてブレンドするオイルのひとつにグレープシードオイルを使ったことがありますが、他のオイルとブレンドしてあるせいか、特に問題を感じたことはありません。
創傷治癒
マウスを用いた研究では、グレープシードオイルが傷跡の収縮を早め、血管内皮成長因子(新しい血管の成長を助ける成分)の合成を促すことが観察され、創傷治癒効果が示されています。
ココナッツオイル
ココナッツオイルは、次のような多くの遊離脂肪酸を含んでいます。
- ラウリン酸(49%)
- ミリスチン酸(18%)
- パルミチン酸(8%)
- カプリル酸(8%)
- カプリン酸(7%)
- オレイン酸(6%)・・オメガ9
- リノール酸(2%)・・オメガ6
- ステアリン酸(2%)
ココナッツオイルの脂肪酸成分の中で、ラウリン酸から作られるモノラウリンに特別な効果があることが示されています。モノラウリンは、モノグリセリドです。
モノグリセリドは、脂肪酸1つがグリセリン1つと結びついたものです。一方、トリグリセリドは、脂肪酸3つがグリセリン1つで束ねられたものです。
浸透力はあまり高くありませんが、保湿に優れ、さらさらと軽い感触で使いやすいオイルです。
白髪や抜け毛予防にも効果があると言われています。
抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用
ココナッツオイルの約50%を占めるラウリン酸(モノラウリン)は、アクネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌など、脂肪で覆われている細菌の脂質膜を分解でき、抗菌作用をもっています。それだけでなく、抗ウイルス、抗真菌作用があることも示されています。
ココナッツオイルは、5%~40%の濃度で、緑膿菌、大腸菌、腐敗菌(プロテウスブルガリス)、枯草菌を殺菌できます。
皮膚炎の保湿剤
軽度から中程度の乾癬とアトピー性皮膚炎の保湿剤として、ミネラルオイルと同等に安全で効果があり、皮膚バリア機能の改善に効果があることが示されています。
また、ココナッツオイルが細胞外皮成分を増加させること、そのことによって角質の保護バリア機能に貢献していることが実証されています。
そのことからシワ予防に効果があると言われています。
創傷治癒効果
組織病理学的研究は、ココナッツオイルには次の効果があることを明らかにし、エクストラ・ヴァージン・ココナッツオイルを傷口に塗ることで、表皮の再生が早くなり、傷が早く治ることが判明しています。
- 血管新生の増加
- 線維芽細胞の増加
- ペプシン可溶性コラーゲンの合成
- 傷口のコラーゲンのターンオーバー
紫外線予防
ココナッツオイルには、お肌の紫外線保護効果があります。
ココナッツオイルを塗ったお肌では、紫外線(B波)を受けた後のお肌炎症が軽度であったことが報告されています。そのため、サンオイルとして適しています。
食用としてのココナッツオイルについては『ココナッツオイル』をご確認ください。
ごま油
過去6000年間、ごま油は、様々な国の様々な料理に用いられてきました。
胡麻の実は、セサミン、セサモリン、セサミノールなど、抗酸化活性をもつリグナンを大量に含んでいます。
セサミンの含有量は、ごま油の脂肪酸成分が多いほど、多くなります。
お肌の疎水性
セサミンは、疎水性に優れている成分です。疎水性とは、水と馴染まない性質のことですが、お肌表面はもともと疎水性が非常に高くできていて、水が浸透しないようにできているんです。
つまり、ごま油はお肌バリアを維持してくれるオイルです。
お肌老化予防
ごま油を塗ると、お肌でのキサンチン酸化酵素(活性酸素種を発生させる酵素)と一酸化窒素の産生が阻害され、お肌の酸化ストレスが低下することがマウスの研究によって示されています。
鎮痛作用
台湾伝統医療では、関節の炎症痛や傷の痛みの緩和のために、ごま油が用いられてきました。ごま油でマッサージすることで、手足に重度の外傷がある患者の痛みを大幅に軽減する効果があることが示されています。
また、他の研究者による臨床研究によっても、手足に重度の外傷がある患者さんの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用頻度が減少したことが示されています。
皮膚がん予防
ごま油は、紫外線からもお肌を保護します。
ごま油の成分のセサモールに抗がん作用があることが示されていて、ごま油をお肌に塗ることで皮膚がん予防になることが報告されています。
ごま油を塗って日光浴したら、美味しそうになりそうですね(笑)
サフラワーオイル(紅花油)
サフラワーオイルは、紅花の種から採れるオイルです。主な成分は次の通りです。
- リノール酸(70%)・・・オメガ6
- オレイン酸(10%)・・・オメガ9
- ステアリン酸、その他
リノール酸などの多価不飽和脂肪酸は、お肌に塗るとお肌表面の酵素によって分解され、抗炎症作用をもつ成分を発生させます。
経皮吸収されるオイル
サフラワーオイルは経皮吸収され、栄養素として体内の脂肪酸のバランスを変えることが観察されています。実際、サフラワーオイルを皮膚の治療に用いた研究では、リノレン酸(オメガ3)とアラキドン酸(オメガ6)の増加が観察されています。
ザクロオイル
ザクロオイルは、ザクロの種から採れる油です。
ザクロ種子油の主成分は次の通りです。
- リノール酸(29%)
- オレイン酸(10%)
- その他の不飽和脂肪酸(24%)
フェノール類、フィトステロール、ポリフェノール、脂溶性成分も豊富に含んでいます。ポリフェノール含有量が高いことで抗酸化特性と抗炎症特性があることがよく知られています。
皮膚がん予防
5%ザクロオイルをお肌に塗ることで、皮膚がん予防になることがマウスの研究で示されています。
妊娠線や成長線の改善
ザクロオイルとクロトンレクレリ樹脂を含むクリームは、皮膚線条の予防や改善に役立つと考えられています。
皮膚線条は、皮膚が引っ張られることでできるお肌の亀裂で、やや凹んでいます。妊娠でできる妊娠線も皮膚線条です。
その他の植物性ナチュラルオイル
残りの14種類+その他5種類については、こちらをご覧ください。
- 『あなたのお肌に合うのはどのオイル?|植物性ナチュラルオイルの個性(1)』
アーモンドオイル、アボカドオイル、アルガンオイル、オーツオイル、オリーブオイル - 『あなたのお肌に合うのはどのオイル?|植物性ナチュラルオイルの個性(3)』
シアバター、ジャーマンカモミールオイル、大豆油、ひまわり油、ビターアプリコットオイル、ピーナッツオイル、ホホバオイル、ボラジオイル、ローズヒップオイル - 『あなたのお肌に合うのはどのオイル?|植物性ナチュラルオイルの個性(4)』
米ぬかオイル、椿油、ヘンプシードオイル、マカダミアナッツオイル、カクタスシードオイル
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参考文献:
- “Anti-Inflammatory and Skin Barrier Repair Effects of Topical Application of Some Plant Oils”, Tzu-Kai Lin, Lily Zhong, Juan Luis Santiago, Int. J. Mol. Sci. 2018, 19(1), 70; https://doi.org/10.3390/ijms19010070
- “Apricot kernels pose risk of cyanide poisoning”, European Food Safety Authority, 27 April 2016
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング