バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
大気汚染で骨粗鬆症になる
大気中に含まれているPM2.5と呼ばれる超微粒子に含まれている有害な物質によって、骨粗鬆症になることが報告されています。なお、裏付けとなる論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
大気中の有害な物質の中には、タバコや排気ガスなどの成分も含まれます。
実は、車の排気ガスやタバコと、骨への悪影響との関係は、既に多くの研究によって示唆されてきました。
今回、コロンビア大学は、新たに2003年から2010年における通院歴データを分析し、大気汚染物質のPM2.5や黒鉛の濃度が大気中に高い地域で、骨粗鬆症の発症例について分析しています。
その結果、大気汚染がひどい地域では、骨粗鬆症の発症例が多いことを発見し、大気汚染と骨密度と骨折との関係を明示しました。
例え微量の差であっても、PM2.5濃度が高い地域では、成人の骨折率が高いことが示されています。
大気汚染による害
大気汚染の中には、工場からの排煙や車の排気ガスだけでなく、タバコに含まれているPM2.5の有害成分も含まれます。
大気汚染物質PM2.5は、体内に酸化ダメージや細胞炎症を起こし、次のような疾患を招くと考えられています。
- 循環器系疾患
- 呼吸器系疾患
- がん
- 認知症
- 骨粗鬆症
妊婦による喫煙による胎児への影響については『母親の喫煙とストレスが、胎児の脳へ影響』をご確認ください。
逆に言えば、空気のきれいな環境で暮らすだけでも、こうした病気予防になっていると、いうことではないでしょうか。
大気汚染が気になる都市で暮らすなら
だからと言って、現実的に、皆が空気のきれいな場所へ移住することは難しいです。それに皆が移住したら人口密度が高まり、大気汚染が再び高まるので、イタチごっこになるだけです。
であれば、都会に暮らしつつ汚染された空気をできるだけ肺に取り込まないようにするためには、次の選択肢が現実的です。
- 禁煙する
- 副流煙を避ける
- 空気清浄器を使う
- マスクをする
大気汚染による骨粗鬆症の予防と改善
大気汚染による骨粗鬆症を予防改善したことが報告されている栄養素があります。
喫煙をしない18歳から60歳の健康な被験者10名を対象とした研究が、次の様に行われています。
- 最初の4週間、偽薬(プラセボ)を飲み続ける
- その後、PM2.5の濃度が高い空間で2時間過ごす
- 再び、4週間、ビタミンB群のサプリメントを飲み続ける
- その後再び、PM2.5の濃度が高い空間で2時間過ごす
この実験は、2013年7月から2014年2月まで、一日の同じ時間に季節による温度と湿度の影響を調整して繰り返し行われました。
悪影響は2時間で起き4週間で改善する
その結果、次の事柄が判明しました。
- PM2.5による循環器と免疫機能への悪影響は、2時間で起こる。
- ビタミンB群を摂取し続けることで、悪影響は4週間でほぼ完全に解消できる。
更に、ビタミンB群の摂取によって、次の改善がみられました。
- 心拍の虚弱・・・150%回復
- 白血球数・・・139%増加
- リンパ球数・・・106%上昇
使用されたビタミンB群の種類と量
発表されている論文には、一日に次の量を服用していたことが記載されています。
- ビタミンB6・・・50 mg
- 葉酸・・・2.5 mg
- ビタミンB12・・・1.0 mg
いずれも食品から摂るには難しいほど大量です。しかも、過剰摂取による副作用が心配される量です。
例えば、厚生労働省が定めているそれぞれのビタミンの限界容量は次の通りです。
- ビタミンB6・・・60 mg
限界容量は超えてはいないものの、過剰摂取による感覚性ニューロパシー(手足の感覚がマヒする症状)の発症が心配される量です。(詳しくは『ビタミンB6』をご確認ください。) - 葉酸・・・ 1 mg
研究では、その2.5倍の量が用いられています。その量には、神経管閉鎖障害のリスクが伴います。(詳しくは『葉酸』をご確認ください。) - ビタミンB12・・・限界容量なし
2 μg(0.002 mg)以上の摂取で体内吸収が飽和し生理的に吸収されなくなるため、限界容量が定められていません。(詳しくは『ビタミンB12』をご確認ください。)
コロンビア大学のゾング博士に問い合わせ
あまりに大量の摂取が行われているため、研究主幹でいらっしゃるコロンビア大学のジア・ゾング(Jia Zhong)博士に問合せをしてみました。
例えば、ビタミンB12に、いくら限界容量が設定されていないとはいえ、吸収が飽和する量の500倍もの量に疑問を感じたため、摂取単位が「mg」ではなく「μg(1000分の1mg)」ではないのかと思い、何度も論文を見直してみたのですが、何度確認してみてもやはり「mg」なので、問い合わせをする決心をしたのです。
すると即日お返事がありました。
単位は、「mg」で正しいとのことでした。
研究では「医療として」の効果を検証するために意図的に危険水準まで投与量を高めて、医師の指導の下で行い、ビタミン12に関しては静脈注射で投与したとのことでした。
そもそも研究で用いられた量は、通常の食事で摂れる量ではありませんし、サプリメントを用いたとしても、上記した通り副作用が起こる可能性のある量ですから、くれぐれもご自宅で試すことがないようお願いします。
家庭で出来る予防と改善
禁煙と空気清浄機の導入に加えて、家庭でできる予防と改善は、ビタミンB6、葉酸、B12を多く含む食品を意識して食べることではないでしょうか。
厚生労働省が定める1日に最低必要とされるそれぞれの栄養素の量は次の通りです。
- ビタミンB6・・・1.0mg
- 葉酸・・・200μg
- ビタミンB12・・・2.0μg
この量をクリアしていることが不可欠です。
残念なことに、この3つの栄養素の1日の必要量を全て完全に含む食品は存在しません。
その代わりに、それぞれの必要量の10%以上を含んでいる食品はあります。(ある栄養素を100g中に1日に必要とされる量の10%以上を含んでいる時、その栄養素が「豊富」と表現できると米国FDAは定めています。)
そのため、それぞれを豊富に含む食品を組み合わせて、バランスよく食べることをお勧めします。
3つの栄養素を豊富に含む植物性食品
あまのり、あおのり、いわのり、そして、乾燥わかめです。
これらの食品100g中には、ビタミンB6が1日の必要量の約50%前後含まれていて、葉酸は2倍~6倍、ビタミンB12は10倍~20倍も含まれています。
ビタミンB12を含む植物性食品は海藻類だけですので、3つ全部という条件では、このような結果になります。
3つの栄養素を豊富に含む動物性食品
次の魚介類には3つの栄養素全ての1日の必要量の10%以上が含まれています。
- アユ、いわし、鮭
- たらこ、数の子
- ほたて、はまぐり
- えび、カニ
- うに
また、牛・豚・鶏のレバーにも、100g中に3つの栄養素の1日に必要量の10%以上が含まれています。
ビタミンB12は10~20倍も含まれています。
3つの栄養素を豊富に含む食品
3つの栄養素を、別々に食べたって良いんです。食品を組み合わせてお料理にしてくださいね。
それぞれの栄養素を豊富に含んでいる食品については、次のリンクをご確認ください。
骨粗鬆症予防のその他の食品
大気汚染とは関係なく、骨を健康に保ち骨粗鬆症を予防・改善する食品について執筆した記事です。
また、『骨粗鬆症』に掲載している記事もご確認ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
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参考文献:
- “B vitamins attenuate the epigenetic effects of ambient fine particles in a pilot human intervention trial”, Jia Zhong, et al., February 13, 2017, National Academy of Sciences
- “Bad Break: Osteoporosis-Related Bone Fractures Linked to Air Pollution”, ENVIRONMENTAL HEALTH, COMMUNITY HEALTH, AGING Nov. 09 2017, Columbia University’s Mailman School of Public Healt
- “Vitamin B Diminishes Effects of Air Pollution-Induced Cardiovascular Disease”, ENVIRONMENTAL HEALTH, CHRONIC DISEASE, GLOBAL HEALTH, URBAN HEALTH Apr. 13 2017, Columbia University’s Mailman School of Public Health
- “Taking B Vitamins May Reduce Epigenetic Effects of Air Pollution”, ENVIRONMENTAL HEALTH, GLOBAL HEALTH, GENETICS Mar. 13 2017, Columbia University’s Mailman School of Public Health
- “Association of air particulate pollution with bone loss over time and bone fracture risk: analysis of data from two independent studies”, Diddier Prada, PhD, Jia Zhong, et al, volume 1, No. 8, e337–e347, November 2017, the Lancet
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