バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
心と体をつなぐホリスティックな食事法について、
ニュースレター登録者限定のキャンペーン情報等も配信しています。
ご登録は、こちらから
もれなく統合食養学(ホリスティック栄養学)冊子が無料ダウンロードできます
目次
〇〇好きは風邪をひきやすい
食べ過ぎたら太ることは誰でも知っています。特に甘いもの。
でも、甘いものの食べ過ぎで免疫機能が低下することを知っている人は、少ないかもしれません。
かなり前から科学によって証明されている事実なのですが・・。
甘いものの食べ過ぎで、コロナウイルスやインフルエンザウイルスを含め、感染症と戦う力が損なわれ、風邪をひきやすくなることはかなり前から多くの研究によって示されています。
心当たりがある人、いるのでは~?
〇〇を食べ過ぎると免疫機能が暴走する
甘いものを食べ過ぎると免疫力が落ちるだけでなく、免疫機能を暴走させてしまうことが以前から示されてきました。
本来なら免疫細胞は、体にとって有害となる物質や細菌・ウイルスなどを攻撃するように働きます。しかし、暴走すると、自己の臓器まで攻撃するようになってしまうのです。それを自己免疫疾患と呼びます。
甘いものの食べ過ぎは、自己免疫疾患の発症や自己免疫疾患の症状の悪化と関係しています。
自己免疫疾患には80種類以上あると、米国国立アレルギー感染症研究所は発表しています。I型糖尿病や橋本病、関節リウマチなどはよく知られているものですが、それだけでなく、狼瘡、多発性硬化症、バセドウ病、乾癬、湿疹、強皮症、シェーグレン病、アジソン病なども自己免疫疾患です。
自己免疫疾患の詳しい兆候や検査などについては『あなたのその症状は自己免疫疾患かもしれません』をご参照ください。
免疫力は低下するのに免疫機能が暴走する矛盾
甘いものを摂り過ぎると免疫力が低下するのに免疫機能が暴走するというのは、矛盾しているように思えます。免疫細胞の攻撃力が低下するのですから、自己の臓器への攻撃も弱くなるはずだと考えるのが普通です。
でも実際は甘いものを摂り過ぎると自己の臓器への攻撃は激しくなります。
なぜこんなことが起こるのかの詳しいメカニズムは今まで解っていませんでした。それが新しい研究によって、砂糖の摂り過ぎが自己免疫疾患を悪化させるメカニズムが解明されたのです。
〇〇が自己免疫疾患を起こす仕組み
砂糖(ブドウ糖)が血糖値を上昇させることは、皆さん、既に知っていることと思います。
血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンと呼ばれるホルモンが分泌され、血液中のブドウ糖が回収され血糖値が下がります。回収されたブドウ糖は、エネルギー源として細胞で利用される他、余った分は脂肪として細胞に蓄積されます。
ほどほどの砂糖の量であればこの仕組みに何の問題もありません。
しかし、大量の砂糖(ブドウ糖)が体内に入ってきた場合には、次のような作用が起こることが判ったのです。
- 大量のブドウ糖によって、免疫T細胞が過活動になる。
- 過活動になった免疫T細胞は、活性酸素(ROS)を大量に発生させる。
- 大量のROSに反応して、TGF-β(トランスフォーミング増殖因子β)と呼ばれるサイトカイン(炎症性物質)が大量に発生する(TGF-βは免疫機能を抑制する作用があり、がんの成長を促すことに関与しています。多くなるほど多くのがんの悪性度を高めます。)
- TGF-βの大量発生によって、免疫T細胞がヘルパーT17細胞(Th17細胞)に変化(分化)する。
- Th17細胞は、自己臓器への攻撃に関与している強烈なサイトカインのインターロイキン17(IL-17)を発生させる。
つまり、砂糖を摂り過ぎると、TGF-βが増えるために免疫機能は抑制され、同時に自己の臓器を攻撃するTh17細胞が増えるために自己免疫疾患が発症/悪化するという正反対のことが起こるのです。
免疫T細胞が悪いわけではない
私達の健康維持のためには、免疫T細胞は適度に活性していることが重要です。免疫T細胞が活性していると免疫力が高まります。だから、免疫T細胞が元気でいること自体が悪いわけではありせん。
問題は、砂糖によってT細胞が過剰に刺激されて、過活動になってしまうことです。その結果、T細胞がTh17細胞に変身してしまうことが問題なのです。
過剰に取り込まれた砂糖(ブドウ糖)が、まるで抗原の様な働きをして、免疫T細胞を変身させてしまうのです。
甘いもの好きな人が運動するのは返って危険
しかも免疫T細胞だけでなく、大量のブドウ糖によって通常細胞内のミトコンドリアも、活性酸素(ROS)を大量発生させてしまうことが今回判明しています。その結果、更にTGF-β(高グルコース誘導TGF-β)が増加し、Th17細胞が増加することが判ったのです。
つまり、白い砂糖を使った甘いものを食べ過ぎた後で運動をすると、自己免疫疾患を発症/悪化させてしまう可能性を高めてしまうことになります。言い換えれば、甘いものをたくさん食べた直ぐ後に運動をするのはあまりお勧めできないということです。
「甘いものをたくさん食べても大丈夫
だって、この後、直ぐにジムに行くから」
と、言ったことのある人いるんじゃありませんか?
そんなことを続けていると、橋本病や関節リウマチ、あるいは他の自己免疫疾患を発症する可能性を徐々に高めてしまっている可能性があります。
Th17細胞の増加に関係している疾患
次の病気は、Th17細胞の増加によって発症/悪化します。つまり、甘いものを食べ過ぎることによって発症あるいは悪化する可能性のある病気です。
- 自己免疫疾患全般
- 線維筋痛症
- 不妊症
- 骨粗鬆症
- 喘息
- 様々なタイプの心疾患
甘いものの食べ過ぎが不妊の原因となる理由
ブドウ糖の摂り過ぎが不妊症の原因になり得る仕組みとして、女性のTh17細胞が精子を攻撃してしまうことが示唆されています。
通常であれば女性ホルモンのひとつエストラジオールによって、体内に入った精子に対する免疫反応(精子への攻撃)は低下し、受精が可能になります。しかし、Th17細胞が過活動になっている場合、精子への攻撃が止まないことがマウスを用いた実験で観察されています。
不妊の原因には様々なことが考えられますが、もし甘いものがとても好きで食べ過ぎる傾向にある人で、なかなか赤ちゃんに恵まれない状態が続いているのなら、甘いものを控えてみることもひとつの解決策になるかもしれません。また、妊活中の人は、白いお砂糖が使われているお菓子類は控えた方が良さそうです。
自己免疫の暴走を減らすためにできること
あなた自身の体が、あなたの臓器の細胞ひとつひとつを、文字通り皆殺しにしようとしている時、あなたができることは、次の2つに絞られます。
- 食事を変える
- ライフスタイルを変える
1.単純な炭水化物を避ける
甘いものの食べ過ぎと書いてきましたが、白いお砂糖だけのことではありません。
白い小麦や白米など、精白された炭水化物、つまり、ビタミンもミネラルも食物繊維もほぼ無くなり、ほとんどブドウ糖だけになってしまっている単純な炭水化物は、私達の免疫力を低下させます。
原則は、単純な砂糖(ブドウ糖)の多い食品や食事を少なくすることです。
完全に排除したい食品
「完全に排除したい食品」とは、具体的には次のようなものです。
- 白米、白い小麦、白い砂糖など(精製された/単純な炭水化物)
- 単純な炭水化物を使用した加工食品(麺類、パン類など)
- 白砂糖を使用した加工食品(お菓子、スイーツ、お惣菜など)
統合食養学は、’自然’食品に「NG」のレッテルを貼りません。
だから甘い自然食品(果物や野菜)を食べてはいけないのではなく、精製され単純化した炭水化物と甘い’加工’食品を避けて欲しいのです。
適量に食べたい食品
「適量に食べたい食品」とは、次のようなものです。
- 玄米、全粒粉、ブラウンシュガーなど(複雑な炭水化物)
- 豆類、芋類など(でんぷん質の多い食品)
複雑な炭水化物とは、ビタミンもミネラルも食物繊維も含んでいる、精製される前の炭水化物のことです。例えば、黒砂糖やハチミツ、メープルシロップ、玄米や全粒粉などです。
「適量に」と記載したのは、いくら複雑な炭水化物でも食べ過ぎれば、健康を害します。だから「ほどほど」が肝要なんです。炭水化物は抜くのではなく、複雑な炭水化物を「適量」食べて欲しいのです。
現代社会で、これを完璧に実行することがいかに難しいかを私は知っています。
だから、完璧ではなく、できる範囲で最善を尽くすことが重要です。
努力はしないよりもした方が、自己免疫疾患を発症する可能性は低く抑えられますし、既に発症している人は、症状をある程度自分でコントロールできるようになります。
食事とライフスタイルは、あなたが自分でコントロールできるものです。
最低1週間は甘い味のするものは全て排除する
甘いものへの執着が落ち着くまでの間、甘い味がするものはそれが何であれ、避けることをお勧めします。甘いものを口にすることで、砂糖への執着が蘇ってきてしまうため、我慢することがもっとつらくなるからです。
とても辛いのは最初の1週間です。
そこを乗り越えられたら、少しずつ、砂糖への執着が少なくなっていきます。
2.発酵食品を避ける
免疫機能の改善には発酵食品が良いと良く言われます。しかし、発酵食品には大量のヒスタミン(炎症性物質)が含まれていて、大量のヒスタミンは自己免疫疾患の症状を悪化させます。
そのため、自己免疫疾患をもっている人は、発酵食品やその他ヒスタミンの多い食品を避けることをお勧めします。
詳しくは『発酵食品を食べてはいけない人』をご確認ください。
3.生姜を食べる
生姜が炎症性物質を減少させ、Th17細胞を鎮静化させ減少させることが報告されています。そのため、生姜をたくさんお料理に使ったり、ジンジャーティーを飲むことをお勧めします。生姜の鎮痛作用については『生姜』もご確認ください。
ターメリックも生姜の仲間ですから、ターメリックを活用することもお勧めです。ターメリックの詳しい機能については『ターメリック』をご確認ください。
4. 亜鉛、ビタミンD、葉酸が豊富な食品を食べる
これらの栄養素もTh17細胞の過活動を抑えるのに役に立ちます。それぞれの栄養素の詳しい機能と多く含む食品については、『亜鉛』、『ビタミンD』、『葉酸』をご確認ください。
ここでは、この3つの栄養素全てを1日の必要量の10%以上含んでいる食品をご紹介します。米国食品医薬品局(FDA)は、食品100g中に、ある栄養素の1日の必要量の10%以上を含んでいる場合、その栄養素が「豊富」と言えると定義しています。
植物性食品の中で、この3つの栄養素全てにおいて1日の必要量の10%以上含んでいるのはキノコ類だけです。キノコの中でも次の6種類だけです。
- きくらげ
- 白きくらげ
- 椎茸
- うすひらたけ
- 舞茸
- エリンギ
動物性食品では、次の種類の魚がこの基準をクリアしています。メジャーなお魚ばかりです。
- あゆ
- いわし
- 鰹
- 鮭
- さば
- さんま
- たら
- 数の子
お肉では豚肉のレバー(肝臓)とマメ(腎臓)だけです。
東洋医学では、甘いもの(陰性食品)への執着は、お肉(陽性食品)の食べ過ぎによっても起こると考えられています。そのため、甘いもの執着のない自己免疫疾患の人は上記した動物性食品を食べても構いませんが、甘いものが大好きという自己免疫疾患の人は、動物性食品によって甘いもの執着が悪化してしまうかもしれませんので、ご注意くださいね。
4.ライフスタイルを改善する
- 夜遅い時間に食事をしない
- 適切な運動をする
- ストレスを解消する
- 十分な睡眠をとる
メラトニンは、免疫機能の一部を担っているホルモンです。ミトコンドリアで発生する活性酸素を除去してくれています。詳しいメラトニンの機能については『メラトニン』をご確認ください。
細胞が破壊されたことによる機能不全の回復にメラトニンに効果があることが判っていますので、十分な休息、特に良質な睡眠をとることによっても、免疫機能の暴走を抑制あるいは鎮静することに役立ちます。
数か月間様子を観察する必要がある
食事を変更したり、ある食品を排除したことによる効果が現れるまでには、通常、数か月かかります。そのため、少なくとも半年間は、食事とライフスタイルの改善を続けましょう。そして、症状の変化を観察してください。
砂糖の摂り過ぎが自己免疫疾患の発症と関係し、症状を悪化させることは確かです。でも、だからと言って、食事から砂糖を抜いたからと言って、全ての自己免疫疾患が必ず治るとは言えません。
ただ、血糖値を正常に維持し続けることができれば、Th17細胞は減少しますから、時間の経過と共に、症状の緩和や改善に期待ができます。
そして必要に応じて食事内容に変更を加えたりしながら、不安なことがあれば医師やヘルスコーチに相談をしてください。
ソフィアウッズ・インスティテュートのプライベート・ヘルスコーチング・プログラムは、6か月間です。新しい生活習慣が定着し症状の効果が表れ始めるまでに最低でもかかる期間、しっかりと伴走するように構築されています。
その他自己免疫疾患に関する記事
以前、自己免疫疾患について執筆した記事を下にご紹介します。ご参考になれば幸いです。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
自己免疫疾患を抱えているということは不確実性を生きていることと同じ
自己免疫疾患を抱えて生きるということは、不確実な状況と生きることと同じです。だから、ハーバード大学医学部のリウマチの専門医ロバート・シュメーリング医師は、
「自分でコントロールできることは、できるだけコントロールする」
ことが、重要だと述べています。
どれだけの量の砂糖を食べるかは、100%あなたの意思で決められる要因です。
もし、おひとりで取り組むことに不安や難しさを感じる場合には、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
プライベート・ヘルスコーチング・プログラムについて
お気軽にご相談ください。
初回相談を無料でお受けしています。
あるいは、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで学びませんか?セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを教えています。
新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。
心と体をつないで健康と幸せを手に入れる
ニュースレターのご登録は、こちらから
統合食養学(ホリスティック栄養学)冊子が無料ダウンロードできます
参考文献
- “autoimmune diseases“, National Institute of Allergy and Infectious Diseases
- “High Glucose Intake Exacerbates Autoimmunity through Reactive-Oxygen-Species-Mediated TGF-β Cytokine Activation”, Dunfang Zhang, Wenwen Jin, Ruiqing Wu, Jia Li, Sang-A Park, Eric Tu, Peter Zanvit, Junji Xu, Ousheng Liu, Alexander Cain, WanJun Chen, Immunity, 2019 Oct 15;51(4):671-681.e5. doi: 10.1016/j.immuni.2019.08.001. Epub 2019 Aug 23, PMID: 31451397
- “Female sex hormones regulate the Th17 immune response to sperm and Candida albicans”, S. Lasarte, D. Elsner, M. Guía-González, R. Ramos-Medina, S. Sánchez-Ramón, P. Esponda, M.A. Muñoz-Fernández, M. Relloso, Human Reproduction, Volume 28, Issue 12, December 2013, Pages 3283–3291, , 24 September 2013, https://doi.org/10.1093/humrep/det348
- “Therapeutic potentials of ginger for treatment of Multiple sclerosis: A review with emphasis on its immunomodulatory, anti-inflammatory and anti-oxidative properties”, Abdollah Jafarzadeh, Maryam Nemati, J Neuroimmunol, 2018 Nov 15;324:54-75. doi: 10.1016/j.jneuroim.2018.09.003. Epub 2018 Sep 12, PMID: 30243185
- “Effect of ginger extract on expression of GATA3, T-bet and ROR-γt in peripheral blood mononuclear cells of patients with Allergic Asthma”, M Kardan, A Rafiei, J Ghaffari, R Valadan, Z Morsaljahan, S T Haj-Ghorbani, Allergol Immunopathol (Madr), 2019 Jul-Aug;47(4):378-385. doi: 10.1016/j.aller.2018.12.003. Epub 2019 Feb 10, PMID: 30745246
- “Living with an Autoimmune Diseases”, Harvard Medical School Publication
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング