バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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カタラーゼとは
カタラーゼは、肝臓で造られる抗酸化力の強い重要な酵素です。
カタラーゼは、体内で発生した有毒な過酸化物質を水と酸素に分解し、酸化ストレスから細胞を守る不可欠な役割を果たしています。
活性酸素と過酸化水素の中和の仕組みについては『水素水って本当に効果があるの?』をご覧ください。
今回はカタラーゼについてお伝えします。
カタラーゼの抗酸化力
カタラーゼ分子1個で、毎秒、何百万個もの過酸化水素分子を水と酸素に分解することができます。
この抗酸化酵素は、全ての主要な臓器に存在しています。特に、肝臓、腎臓、そして赤血球に多く存在していて、私達の唾液の中にも含まれています。消毒液のオキシドールと同じような働きをしてくれています。
「すり傷くらい唾をつけておけば治る」と、言う言葉を聞いたことがあると思いますが、あながち嘘ではないんですよ。
カタラーゼは私達の健康にとってなくてはならない酵素です。
1.老化予防
カタラーゼは、体内がサビる(酸化する)のを阻止してくれる酵素ですから、言い換えれば、アンチエイジング(老化予防)酵素なのです。
2.生活習慣病など様々な病気予防
肝臓、腎臓、赤血球など、これらの臓器でカタラーゼが不足すると、細胞や臓器に有毒な過酸化物質が蓄積されていき、甲状腺や動脈が酸化ダメージを受け、他の臓器も傷んでいき、多くの病気の発症を促すことが判っています。
また、カタラーゼ遺伝子の異常は、糖尿病、高血圧、アルツハイマー病、白斑症、無カタラーゼ血液症などに関与していることも判っています。
つまり、カタラーゼは少なくとも
- 甲状腺機能不全
- 糖尿病
- 高血圧
- 心疾患
- アルツハイマー病
- 白斑症
を予防してくれていると言えます。
3. 高血圧予防・改善効果
高血圧の人に降圧剤として一般的に処方されている「リシノプリル(商品名は様々)」を用いた研究がありました。
リシノプリル|高血圧、心不全、および心臓発作後の治療に使用される経口アンジオテンシン変換酵素阻害剤。高血圧の一次治療薬。糖尿病患者には、腎不全予防にも使用。
コレステロール値の血圧への影響について検証している研究ですが、その中でカタラーゼ値も計測されています。
血圧が高くなるほど、カタラーゼ値が低くなることが発見されました。
つまり、血圧の上昇には、アンジオテンシン変換酵素だけでなく、細胞内のカタラーゼ不足も関係していると考えられます。
リシノプリルによって、上の血圧も下の血圧も改善が認められましたが、リシノプリルは、赤血球内のカタラーゼの値も上昇させていました。
そのことから、赤血球内に十分なカタラーゼが存在していることが高血圧予防に必要なのではと研究者は述べています。
4. 新型コロナウイルス感染による重症化予防
カタラーゼなど体内の抗酸化酵素が、内臓炎症を軽減する作用があることに着目し、全身炎症を起こす新型コロナウイルス感染症による重篤化を阻止できるのではないかとの研究が進められています。
試験管試験では有効性が観察されているとのことです。
また、新型コロナウイルスだけに留まらず、過去に感染したウイルスによる感染後疲労症候群(PVFS)の改善に役立つことが報告されています。PVFSについては『ウイルス感染後疲労症候群(PVFS)』をご覧ください。
5.がん予防
動物実験ですが、通常の餌を食べていたマウスと比較して、カタラーゼの産生を促す食品を数週間食べさせたマウスのがん発症リスクが有意に低減したことが報告されています。
がんと診断されたら・・
通常の健康的な細胞には十分なカタラーゼがあり、酸化ストレスから守っています。しかし、がん細胞にはカタラーゼが極端に少ないことも判っています。つまり、がん細胞は過酸化水素を無毒化できないにも関わらず死なないのです。
そのため、がんを発症した際、むやみに細胞内のカタラーゼを増やすと、通常細胞だけでなく、がん細胞にも資してしまう可能性があり、通常細胞だけにカタラーゼを届ける体内経路や抗がん剤の研究が進められています。
乳がんのケースで、抗がん剤だけを用いた場合と比較して、通常の抗がん剤にカタラーゼを混ぜた製剤を用いた臨床研究で、副作用が有意に軽減されたことが報告されています。
そのため、がんと診断されたら、カタラーゼは適切な投与経路を経て通常細胞のみに届ける必要があるのです。
細胞内のカタラーゼを増やす方法
肝臓を強くする
カタラーゼは、私達の肝臓で造られます。ですから、カタラーゼを増やすには、まず肝臓を強く健康にしておかなければなりません。
肝機能を助ける食品や肝臓のデトックスに良い食品などについては、リンク内をご覧ください。
- 『サルサパリラ』
- 『アセトアミノフェンの解毒法』
- 『水素水』
アブラナ科の野菜
これらのお野菜はカタラーゼの重要な原料であり、たくさん食べることで、肝臓でのカタラーゼの産生を促します。
アブラナ科のお野菜を食べさせたネズミのがんの予防効果を調べた研究がありました。その時、研究者はカタラーゼの量も計測しています。
アブラナ科のお野菜を与えられたマウスの肝臓では、アブラナ科のお野菜を与えられなかったマウスと比較して、有意に多くのカタラーゼ(SODとグルタチオンも)が造られたことが報告されています。
その他の食品
これらの食品がカタラーゼの体内での産生を促すと考えられています。
カタラーゼを増加させるか不明なもの
レバーや内臓肉
レバーや内臓肉には、それ自体に多くのカタラーゼが含まれています。
しかし、カタラーゼは胃酸で分解されてしまうため、直接カタラーゼを食べても、そのままの形で細胞に取り込まれるとは考えにくいです。
サプリメント
カタラーゼは、体内で造られるだけでなく、工業で製造することが可能です。実際に次のように工業製品の製造過程で使用されています。
- チーズを製造する過程で牛乳から発生する過酸化水素を除去するために使用されています。
- ポリエステルなどの合成繊維を製造する過程で発生する過酸化水素から生地を守るために使用されます。
- コンタクトレンズを製造する過程では、レンズの洗浄に用いられます。
しかし、工場で造られたカタラーゼをサプリメントとして飲用しても、体内で造られる自前のカタラーゼと同様の効果を示すかは、誰にも分りません。
サプリメントが効かないかもしれない理由
- 経口摂取した(口から食べた)カタラーゼは胃液で分解されてしまう
- 上で紹介した医薬品リシノプリルもアブラナ科のお野菜も、カタラーゼを直接体内に補給しているのではなく、体内でカタラーゼが産生されるように促す働きをしている
- 抗がん剤の研究に用いられたカタラーゼは、経口摂取ではない
- サプリメントを用いた研究が存在しない(だから効果について何も分からない)
- 工場製カタラーゼに効果があったとしても、サプリメントはあくまでも栄養補助食品なので、薬事法によって薬となるほどの量は含有できない
などです。
どうしてもサプリメントを試してみたい方は、繰り返しになりますが、カタラーゼは胃酸で分解されてしまうため、せめて耐酸性のカプセルに入っているものを選ぶようにしてください。
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参考文献
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- “Antioxidant enzyme levels in cancer”, T D Oberley 1, L W Oberley, Review Histol Histopathol, 1997 Apr;12(2):525-35, PMID: 9151141
- “Catalase, a remarkable enzyme: targeting the oldest antioxidant enzyme to find a new cancer treatment approach”, Christophe Glorieux, Pedro Buc Calderon, Review Biol Chem, 2017 Sep 26;398(10):1095-1108. doi: 10.1515/hsz-2017-0131, PMID: 28384098
- “Evaluation of Potential Mechanisms Controlling the Catalase Expression in Breast Cancer Cells”, Christophe Glorieux, Juan Marcelo Sandoval, Nicolas Dejeans, Sandrine Nonckreman, Khadija Bahloula, Hélène A Poirel, Pedro Buc Calderon, Oxid Med Cell Longev, 2018 Jan 28;2018:5351967. doi: 10.1155/2018/5351967, PMID: 29535798 PMCID: PMC5829333
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ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング