【限定公開】ハーバード大学病院の医師が忠告「DHA/EPAのサプリメントの効果に確証なく悪影響の可能性も」

2024/02/27/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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DHA/EPAのサプリメント製品のラベルには、「心臓の健康を促進」「健康なコレステロールと血圧をサポート」などと記載しているものがほとんどです。そのため、60歳以上の5人に1人が心臓病予防にDHA/EPAのサプリメントが役立つと思い込み、魚油のサプリメントを飲んでいると言われています。

しかし、

「DHA/EPAのサプリメントが
心臓血管系の疾患予防に効果があるという
証拠は存在しません。」

と、ハーバード大学附属ブリガムアンドウィメンズ病院で魚油のオメガ3不飽和脂肪酸について研究をしている、心臓血管がご専門のプレストン・メイソン教授はおっしゃいます。

メイソン先生によれば、半世紀以上に遡る研究で、脂肪の多い魚を食べる人は心臓病の発症率が低いことがわかっているものの、過去20年に渡る魚油のサプリメントを用いてプラセボ(偽薬)と比較した複数の無作為化試験では、魚油のサプリメントが心臓血管系の利点となる証拠は示されていません

DHA/EPAのサプリメントに限らず、サプリメントや健康食品の効果や機能について、国はまったく関与していません。国が監督してくれているとか、第三者によって実証されているから、その様に記載して販売しているのだと考えるのは、あまりに危険です。

厚生労働省が責任をもって審査しているのは、医薬品だけです。特定保健用食品も消費者庁が許可しているだけです。厚生労働省ではありません。

機能性表示食品や栄養機能食品、もちろん、普通のサプリメントや健康食品も、届け出さえすれば、その内容の真偽を確認されることもなく、効果や機能を自由に表示して良いというのが現在の法律です。「自社の研究によって実証されました」と言っている宣伝も、その研究結果が本当なのか、そもそも本当に研究したのか等の第三者による検証はなされていません。「言ったもの勝ち」が健康食品とサプリメントの業界です。

だから、何の裏付けが無くても、DHA/EPAのサプリメントに「健康な心臓機能をサポート」と記載しても良いのです。

ただし、サプリメントからではなく、食事からDHA/EPAを摂取すること、つまり実際に魚を食べることにはメリットがあることは、冒頭で記載したメイソン先生の言葉通り、50年以上も前に明らかにされている事実です。

魚油(DHA/EPA)のサプリメントを服用している人の多くが、

「魚を食べるのは好きじゃないけれど、
魚油が体に良いことはわかっているので、
代わりにサプリメントを摂取している」

とよく口にします。ここに落とし穴があります。

「魚が心臓に良いのは、魚油のおかげ」と聞くと、「じゃぁ、魚油だけ食べればよい」と思ってしまう。そこに落とし穴があるのです。

確かに魚の油には薬効があるかもしれません。でも、その薬効が体内で機能するためには、魚に含まれているその他の栄養素も一緒に食べなければ効果が発揮されないという行間に気がつかないのです。

このことは、魚に限らず、すべての栄養素と食品について同じことが言えます

統合食養学は、単一のミクロ栄養素で栄養摂取することを勧めません。食事をすること、ホールフードで食べることを推奨する栄養学です。その信頼性が、ここでもまた証明されましたね。

DHA/EPAの供給源には大きく、魚とナッツ&シーズがあります。

DHAとEPAの両方とも、魚に多く含まれている動物性のオメガ3不飽和脂肪酸です。

厚生労働省の食品成分表をもとに上の表を作っていて意外だったのは、オメガ3が多いとして一般的に名前が挙げられることの多い紅鮭(サーモン)が上位に入らず、白鮭という珍しい鮭の、しかも卵が上位に来ていたことです。

サーモンよりもやっぱりマグロがいいんですね。

もうひとつは、αリノレン酸(ALA)と呼ばれる植物性のオメガ3不飽和脂肪酸を含むナッツ類やシーズ類です。亜麻仁油やえごま油が有名になりましたね。

ただし、ALAは植物性の油なので、私たち動物の体内で機能するためには、DHA/EPAに変換されなければなりません。その変換率はあまり高くはなく、わずか約8%です。上の表には、ALAのDHA/EPA相当量も記載しておきました。

変換してもなお、えごま油と亜麻仁油には、十分なDHA/EPAが含まれていることが分かります。すごいですね!

ただし、上の表は、100g中の含有量ですからご注意ください。魚100gは食べられますが、油100gは飲めません!(笑)

なお、各オイルの個性については、セルフドクターコースで詳しくお伝えしています。

魚を好んで食べる人に心疾患が少ない理由には、DHA/EPAだけではなく、魚を食べる分、肉や加工肉(ハム・ソーセージ)を食べる量や頻度が少ないことも一因だと考えられています。

また、魚を食べないベジタリアンやヴィーガンの心疾患リスクは、魚を食べる人よりも低いことが明らかにされています。

彼らは、ナッツやシーズを大量に食べることから、ALAの低い変換率を考慮してもなお、植物性食品から十分な量のDHA/EPAを得ていると考えられます。

加えて、魚を好んで食べる人は、肉も多少食べますが、ベジタリアンとヴィーガンは、肉を一切食べません。

つまり、DHA/EPAよりも、肉を止める方が心疾患予防には効果があるということですね。実際にそれを証明する研究が多数あります。

不飽和脂肪酸は非常に酸化しやすく、熱にも弱い成分です。しかし、

「広く使用されている魚油のサプリメントの多くは、
熱や酸素が制御されていない工場で製造されています。

そしてその結果、不飽和脂肪酸は酸化され、
生物学的利点が失われている
ことが、
数十の製品に対する複数の検査で確認されています。」

とメイソン先生は述べています。

酸化した油が、心血管系疾患の主な原因となる血管炎症の発症に関与していることは、既に明らかにされている事実です。(酸化した油とは、トランス脂肪酸を多く含む油のことです。詳しいトランス脂肪酸の害については『トランス脂肪酸』をご参照ください。)

つまり、DHA/EPAをサプリメントで摂ることは、効果が期待できないだけでなく、逆に、心疾患リスクを高めてしまう可能性すらあるということです。

ちなみに、このことは DHA/EPAだけでなくオメガ3オイルのサプリメント全般について言えることです。それが亜麻仁油であろうとαリノレン酸であろうと酸化しやすいことに変わりはありません。

では、すべてのDHA/EPAのサプリメントがダメかといえば、そうではありません。実は、医療用水準で製造されるDHA/EPAのサプリメントがあります。

イコサペントエチル

という、精製EPA製剤です。ただし、医師の処方箋がなければ購入できません。

心疾患がありコレステロール低下薬を処方されている人は、医師にイコサペントエチルと併用できないか相談してみると良いでしょう。

もしかしたら、お薬を減らしてもらえるかもしれません。なぜなら、心臓病を発症している人がコレステロール低下薬のスタチンと一緒に服用することで、心疾患リスクを有意に低下させることが明らかにされているからです。

なお、コレステロール低下薬の副作用については『コレステロール低下薬』をご確認ください。

その他、心疾患予防と改善についての記事は『心疾患・糖尿病・肥満』をご確認ください。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

心臓病をまだ発症していない人は、効果が期待できないだけでなく、酸化して心疾患リスクを高めてしまうかもしれないドラッグストアのサプリメントではなく、週に2回以上魚を食べたり、ナッツやシーズをおやつや食事に取り入れることをお勧めします。

実質的な効果が期待できるだけでなく、サプリメントよりも安全でずっと経済的ではないでしょうか。

そして、心疾患を持っている人もいない人も、もしおひとりで予防や改善に取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング