バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
オメガ3オイルは、ここ10年ほどの間にとっても認知度を高めました。
でも、オメガ9オイルについて知っている人はまだ少ないかもしれません。
どんなオイルがオメガ9かと言えば、とても身近なオイルなんですよ。
そう、オリーブオイルです!
今日は、オメガ3に劣らないすごい機能をもったオメガ9オイルの代表選手、オリーブオイルについてお伝えします。しかもオリーブオイルってある意味では、亜麻仁油よりも優れているんですよ。
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
オリーブは聖書に出てくる果物
ご存じでしたか?オリーブって、聖書に出てくる果物なんです。
56回も出てきます。
(こういうことを検索できる聖書サイトがあるんです、笑)
例えば、「ノアの方舟」で、洪水に襲われた世界から水がひいたかどうかを調べるために、ノアが鳩を放つのですが、7日目の夕方に鳩がくわえて戻ってきたのが、オリーブの若葉です。
「鳩は夕方になって彼の許に帰ってきた。すると見よ。
(創世記8:11)
むしり取ったばかりのオリーブの若葉がそのくちばしにあるではないか。
それで、ノアは地から水が引いたのを知った。」
オリーブオイルは感謝を示す
紀元前からオリーブの実から搾った油(オリーブオイル)を様々なことに使っていたことが聖書から分かります。
特に、神様にお供えする生贄(肉)が貧しくて手に入れられない人は、小麦粉にオリーブオイルを混ぜ、イーストを入れずに焼いたパンを代りにしても良いと、聖書内の様々な「記」に書かれています。
「最良の小麦粉で、イーストを入れない丸いパンと、
(出エジプト記29:2)
イーストを入れずオリーブオイルを混ぜ込んで焼いた厚いパンと、
イーストを入れずにオリーブオイルを塗って焼いた薄いパンを作ります。」
当時、お肉と同等の価値がオリーブオイルにはあったということなのかもしれませんね。
また、感謝のためにお供えするパンにはオリーブオイルを使い、罪を懺悔するためにお供えするパンにはオリーブオイルを使ってはいけない等も書かれています。(レビ記 5:11、7:12など)
オリーブオイルは、「晴」のオイルだったようですね。
オリーブオイルの選び方
スーパーの棚には、さまざまなオリーブオイルが並んでいます。
でも、今回ご紹介する素晴らしいオリーブオイルの効果を求めるのなら、適切なオリーブオイルを選ばなければなりません。
何でも良いわけじゃないんです。
オーガニック認証
まず、原料となるオリーブがオーガニック栽培あるいは自然栽培(無農薬&無化学肥料)されていることが大前提です。
簡単なのは、EUのオーガニック認証を確認することです。世界で最も厳しい(最も消費者保護が強い)基準を設けているのがEUです。(アメリカには遺伝子組み換え食品に関する基準がありませんし、日本の有機JASは穴だらけです)
エキストラ・ヴァージン
次に、エキストラ・ヴァージンであることが大切です。これは、油を抽出する際に、薬品(ヘキサン)を使用していないこと、搾り機で搾っていることを意味しています。
ヘキサン(薬品)で抽出された油は、抽出後、ヘキサンを蒸発させるために加熱されています。つまり、熱に弱い脂肪酸やフェノール化合物(薬効の素)が破壊されているので、エキストラ・ヴァージンではない油に健康効果を期待することはできません。
搾り機で油を搾り出すことで、ビタミン、アミノ酸、脂肪酸、フェノール類の破壊を最小限に抑えることができます。
コールドプレス
次に、コールドプレス(冷温圧搾)であることが大切です。
なぜなら、機械(搾り機)で搾る際にも、摩擦熱が発生します。大量に高速で搾るような場合には特に。こうした過程によっても熱に弱い成分は失われてしまいます。
コールドプレスとは、文字通り、冷たく圧搾することを意味します。摩擦熱が起きないようゆっくりと、あるいは冷却しながら圧搾することを意味します。
エキストラ・ヴァージンという言葉はオリーブオイルのボトルの表のラベルに大きく記載されていることが多いですが、コールドプレスかどうかは、裏側のラベルを見なければ判りません。何も記載されていなければ、コールドプレスではありません。コールドプレス(冷温圧搾)の場合は、必ずそう記載されています。
良質で本物のオリーブオイル
そのオリーブオイルが本物で良質かどうかは飲んでみると判ります。
オリーブオイルは飲んでも構わないんですよ。
本物の良質のオリーブオイルは、飲んだ時に喉の奥にチクチク/ヒリヒリとした感覚が生じます。これは、非常に強い抗酸化成分オレオカンタールが起こす作用です。
要注意
ちなみに「ピュアオイル」と記載されているものが日本にはありますが、オリーブオイル100%(無添加)という意味でも、無農薬という意味でもなく、単なる商品名ですからご注意くださいね。
オリーブオイルの薬効成分
オリーブの実にも葉にもオイルにも多くの薬効成分が含まれています。
例えば、次のような成分です。
など
これらの薬効成分の機能をPub Med で検索すると膨大な量の研究論文が出てきます。
オレウロペインとオレオカンタール
特に、オレウロペインとオレオカンタールに次の作用があることが多く報告されています。
- 抗酸化作用
- 抗炎症作用
- 血糖値コントロール
- 歯垢防止
- 抗がん作用
- 抗菌作用
- 抗ウイルス作用
- コレステロール低下作用
- 鎮痛作用(イブプロフェンに類似)
- 血小板の活性抑制作用(アスピリンに類似)
など
オリーブオイルの健康効果
もちろん、オリーブオイルは食品で、純粋なオレウロペインでもなければ、オレオカンタールでもありません。
でも、上記した薬効成分の作用によって、オリーブオイル自体にも次のような健康効果があることが明らかにされています。
- 悪玉コレステロールの減少
- 免疫細胞の活性化
- 高血圧改善
- 心疾患予防
- 血糖値改善など
更に、ビタミンEの含有量が多いことからも、お肌の健康にとっても効果が示されています。
病気との関係
関節炎の改善
オレオカンタールには、医療的に注目されるほどの強力な抗炎症作用があり、その鎮痛作用はイブプロフェンよりも高いことが示されています。
イブプロフェンは、関節炎の鎮痛薬として用いられることの多い薬です。イブプロフェンには鎮痛作用だけでなく抗炎症作用があります。(ちなみにアセトアミノフェン/カロナールには抗炎症作用はありません。)
急性の炎症性の痛みの発生で増加するC反応性タンパク質の抑制効果をさまざまな鎮痛成分と比較した研究では、オリーブオイルに含まれるオレウロペインとオレオカンタールには、他の鎮痛薬と同程度かそれ以上の抑制効果があることが示されています。
- オレウロペイン・・・ -7.758
- インドメタシン・・・ -6.0775
- オレオカンタール・・・ -5.5734
- イブプロフェン・・・ -5.3857
神経変性疾患予防効果
オレオカンタールが、パーキンソン病、アルツハイマー病など、急性・慢性の神経変性疾患のリスクを低減させることが明らかにされています。
2018年8月に国際分子科学ジャーナルで「酸化ストレスに対するオレオカンタールの神経保護メカニズムを明らかにするプロテオミクス的アプローチ」と題された研究が発表されました。
アルツハイマー病、パーキンソン病、ALS、MSなどの神経変性疾患はすべて、次の共通の問題を抱えていることが知られています。
- 異常なタンパク質凝集
- 恒常性の乱れ
- 興奮毒性
- ミトコンドリア機能低下
- アポトーシス
- 炎症
- 酸化ストレス
など
「活性酸素の存在下で、
オレオカンタールが19種類のタンパク質を
大幅に調節することが明らかになりました。」
活性酸素による神経細胞の損傷に対するオレオカンタールの良い効果について、研究者は上記のように述べています。
がん予防効果
オリーブオイルが、次のがんの発症リスクを低減することが多数報告されています。ただし、次のがんに限定されません。
- 乳がん・・・1日21gの摂取で閉経後の女性の発症リスクは0.85倍。まったく摂取しないグループと比較して1日に8.8g以上の摂取で発症リスクが73%低下。1日に2g未満の摂取と比較して20g超摂取するグループの発症リスクは0.71倍などなど
- 子宮がん・・・多く摂取する人の発症リスクは、0.74~0.82倍
- 卵巣がん・・・多く摂取する人の発症リスクは、0.8~0.85倍
- 前立腺がん・・・多く摂取する人の発症リスクは、0.44倍。まったく摂らないグループと比較して、1日5.5ml超で発症リスクが50%低下。1か月に0.25リットル超で、発症リスクが20%低下。
- 大腸がん・・・多く摂取する人の発症リスクは、0.72~0.94倍
- 膀胱がん・・・多く摂取する人の発症リスクは、0.47~0.62倍
- 肺がん・・・多く摂取する人の発症リスクは、0.67倍
- 膵臓がん・・・多く摂取する人の発症リスクは、0.58~0.76倍
- 胃がん・・・多く摂取する人の発症リスクは、0.5~0.6倍
- 食道がん・・・多く摂取する人の発症リスクは、0.36~0.74倍
など
ほぼ全てのがんを予防すると言えそうですね。毎日のお料理に不安なく使えます。
心疾患予防効果
オリーブオイルには、LDL(悪玉)コレステロールを減少させ、心疾患リスクを低下させる作用(予防効果)のある一価不飽和脂肪(オメガ9)が豊富に含まれています。
また、オリーブオイルにはアスピリンに似た抗血小板凝固作用があることが示されており、血栓を予防し心臓発作のリスクを減少させると考えられています。
2019年3月に発表された研究では、週に1回、オリーブオイルを食べるだけで、血小板の活性が低下し、血栓リスクが軽減されることが確認されています。
また、オリーブオイルの摂取量が増えるほど、血栓ができるリスクが低下することが観察されています。
脳卒中予防効果
米国心臓協会で発表された研究は、オリーブオイルの抗血小板凝固作用によって脳卒中リスクが低減することを報告しています。
II型糖尿病予防効果
オリーブオイルが、インスリン濃度や、HbA1C(糖尿病のマーカー)や血糖値などを大幅に改善できることが示されています。
数十件の研究を調査したメタ分析によって、オリーブオイルを多く摂取することで、II型糖尿病リスクが約16%低下し、副作用も起こらないことが報告されています。
肥満予防・改善
オリーブオイルが満腹感と満足感を生じさせることが報告されています。
また、満腹感を持続させることによって過食や間食を予防することや、炭酸飲料、キャンディー、クッキー、ジャンクフードなどへの欲求(クレイビング)を解消する効果があることも示されています。
オリーブ関連記事
オリーブに関連して執筆した次の記事もご参照ください。
- 『オリーブの葉』
- オリーブオイルとココナッツオイルの比較・・『どっちのオイル』
- 『ナチュラルオイルの選び方』
さまざまな食用オイル関連記事
その他のオイルについて執筆した記事です。併せてご覧ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
私はオリーブが大好きです。
オリーブの実(黒も緑も)、エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル、オリーブの葉のお茶、全部大好きです。
そして、適切に栽培され、適切に抽出されたオリーブオイルは、天然オイルの中で最も日常使いしやすい健康的なオイルではないかと私は思っています。
だって、亜麻仁油は加熱調理には使えませんし、日本の食用の椿油は高すぎます(笑)
私のキッチンに現在あるお料理用のオイルは次のようなものです。全てコールドプレスで自然栽培あるいはオーガニック栽培されたものです。
- オリーブオイル
- ココナッツオイル
- パンプキンシードオイル
- ごま油
- 椿油
- 亜麻仁油
以前は、自然栽培でコールドプレスされた飲める(!)菜種油もおいていたのですが、最近は、もうずっとオリーブオイルがメインです。
既に気になる疾患の兆候がないのであれば、いくら健康効果があると言っても、わざわざサプリメントのように食事とは別に摂取する必要があるとは、私は思いません。日々の生活の中で、楽しくお料理に使う。それで良いのです。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
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健康的なオイルの選び方や、さまざまな脂肪酸の個性についても教えています。
新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。
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参考文献
- “Olive oil intake is inversely related to cancer prevalence: a systematic review and a meta-analysis of 13,800 patients and 23,340 controls in 19 observational studies“, Psaltopoulou T, Kosti RI, Haidopoulos D, Dimopoulos M, Panagiotakos DB, Lipids Health Dis. 2011 Jul 30;10:127. doi: 10.1186/1476-511X-10-127. PMID: 21801436; PMCID: PMC3199852
- “Oleocanthal, a phenolic derived from virgin olive oil: a review of the beneficial effects on inflammatory disease“, Parkinson L, Keast R, Int J Mol Sci. 2014 Jul 11;15(7):12323-34. doi: 10.3390/ijms150712323. PMID: 25019344; PMCID: PMC4139846.
- “Bioactivity of Olive Oil Phenols in Neuroprotection“, Angeloni C, Malaguti M, Barbalace MC, Hrelia S, Int J Mol Sci. 2017 Oct 25;18(11):2230. doi: 10.3390/ijms18112230. PMID: 29068387; PMCID: PMC5713200.
- “A Proteomic Approach to Uncover Neuroprotective Mechanisms of Oleocanthal against Oxidative Stress“, Giusti L, Angeloni C, Barbalace MC, Lacerenza S, Ciregia F, Ronci M, Urbani A, Manera C, Digiacomo M, Macchia M, Mazzoni MR, Lucacchini A, Hrelia S, Int J Mol Sci. 2018 Aug 8;19(8):2329. doi: 10.3390/ijms19082329. PMID: 30096819; PMCID: PMC6121693.
- “Ibuprofen-like activity in extra-virgin olive oil“, Beauchamp, G., Keast, R., Morel, D. et al, Nature 437, 45–46 (2005). https://doi.org/10.1038/437045a
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング