バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
- 1 ホオズキって食べられるんでしたっけ?
- 2 ホオズキはナス科
- 3 ホオズキには異名が多い
- 4 ホオズキにはたくさんの品種と名前がある!
- 5 ホオズキの栄養価
- 6 1. 鬼灯(Physalis alkekengi var. franchetii)
- 7 2. ヒメセンナリホオズキ(Physalis pubescens)&食用ホオズキ(Physalis pruinosa)
- 8 3. シマホオズキ(Physalis peruviana)
- 9 4. オオブドウホオズキ(Physalis ixocarpa)
- 10 5. センナリホオズキ(Physalis angulata L.)
- 11 ホオズキの食べ方
- 12 ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
ホオズキって食べられるんでしたっけ?
夏祭りに行くと、昔はよく屋台で鬼灯(ほおずき)が売られていました。ホオズキは食べるものではなく、皮を鳴らして遊ぶものだと思っていました。
それに、「ホオズキには毒があるから食べてはいけない」と、大人から教わった記憶があります。
でも、数年くらい前から、ホオズキが食用として添えられているお料理にレストランで出会うことが多くなりました。「あれ?ホオズキって食べられたんだっけ?」と思いつつも、その都度、「綺麗だな~、美味しいな~」と、美味しくいただきてきました。
今回、あらためて、ホオズキについて調べていたところ、いろいろ面白いことが判ってきました。
ホオズキはナス科
ホオズキは、ナス科の果物で、ナスやトマトと同じ、ナイトシェードと呼ばれる夜行性の果物です。
ナイトシェードは、太陽の光で大きくなるのではなく、太陽が沈んだ後、夜に成長する植物なんです。そのため、後ほど薬効のところでご紹介するナイトシェードの作物に共通する、レクチンやその他の抗がん成分を含んでいます。
食用ホオズキの収穫時期|7月頃~10月
ハウス栽培もおこなわれているそうです。
ホオズキには異名が多い
ホオズキという漢字は「鬼灯」しか知りませんでしたが、「酸漿」という漢字もあります。「酸漿」には、ホオズキという読みの他に、カガチ、サンショウという読み方もあります。
「古事記」には、イザナミ命(いざなみのみこと)とイザナギ命(いざなぎのみこと)が生んだ三兄弟のひとり、スサノオ命(すさのおのみこと)が退治した八岐大蛇(やまたのおろち)の目玉が、赤加賀智(あかかがち)のようだったという表現があります。
目玉が赤いホオズキのようだったんですね。
「サンショウ」は、ホオズキが生薬になった時の名前です。
ホオズキにはたくさんの品種と名前がある!
「ホオズキ」という植物はひとつではなく、様々な品種があるというあたり前のことを、あらためて認識しました。
そして、ひとつの品種に複数の名前・呼び名が存在していて、論文の対象となったホオズキがどれで、どれとどれが同じなのかを確認するために、ひとつひとつ学名を調べなくてはならず、案外面倒でした(笑)
なので、ここでは誤解を生まないよう、品種名の横に学名も記載することにしました。
ホオズキの栄養価
厚生労働省の食品成分表には「ホオズキ」の登録がありません。そのため、米国農務省(USDA)のデータベースを調べてみました。USDAのデータベースには、グラウンドチェリー(ヒメセンナリホオズキ)の登録がありましたが、1982年でデータ更新が終了していました。また、いくつかの数値も実際に計測したものではなく、理論値を用いていると注釈がありました。
また、2013年に北海道の帯広畜産大学が発表した論文の中にゴールデンベリー(シマホオズキ)の栄養価を調べたものがありました。しかし、この研究では、一般的なミニトマトとの特徴的な栄養価の違いを比較したもので、全ての栄養素を調べているものではありませんでした。
ネット上には、特に販売者による宣伝文句としてホオズキの栄養価について記載された記事が思った以上に多いのですが、いずれも同じ様な内容なのにも関わらず、データの出所の記載がなく、裏付けに乏しいので信頼に足るという安心がありません。そのため、上記した2つの情報源を元にお伝えします。
なお、米国FDA(食品医薬品局)は、ある栄養素を1日に必要とする量の10%以上を100g中に含んでいる場合には、その栄養素を「豊富」に含んでいると表現できると定義しています。そのため、ここでも、この基準をもとに各栄養素の多少について記載します。
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
1. 鬼灯(Physalis alkekengi var. franchetii)
別名:ヨウラクホオズキ/丹波ホオズキ/ランピオンフラワー
お祭りで売られている、一般的に日本でよくみかける観賞用のホオズキです。お祭りの屋台で売られていたのもこれではないでしょうか。
生の実は、毒性が強く腹痛を起こすことがあるので食べてはいけません。
鎮咳/解熱/利尿作用
でも、実も葉も根も乾燥させると、生薬の酸漿(さんしょう)になります。根だけなら、酸漿根(さんしょうこん)という生薬です。
咳を鎮め解熱作用や利尿作用があるとして、風邪薬として、あるいはムクミの改善などに用いられます。
ただ、子宮収縮作用があることから、経血過多の生理の改善には良いですが、妊婦さんには使えません。
2. ヒメセンナリホオズキ(Physalis pubescens)&食用ホオズキ(Physalis pruinosa)
別名:グラウンドチェリー
欧米で、一般的に食用として用いられているものがこの品種です。
アメリカ大陸原産です。中国では薬用植物として栽培されてもいます。
グラウンドチェリーには、鉄分、ビタミンC、ビタミンB1、そしてナイアシンが豊富に含まれています。
鉄分補給に最適
1日に必要とする鉄分の約13%、ビタミンCは約12.9%含んでいます。鉄分はビタミンCと一緒に摂ると体内吸収率が高まりますので、ホオズキは鉄分補給に最適なフルーツと言えますね。
それぞれの詳しい機能については『鉄分』、『ビタミンC』をご確認ください。
夏バテ回復に最適
夏バテに効くビタミンB1は1日に必要な量の約10%含まれています。ビタミンB1の詳しい機能については『ビタミンB1』をご確認ください。
また、ナイアシンは29.5%も含まれています。ナイアシンは、脂質や糖質の代謝を助け、私達の元気の源ATPの原料となるビタミンです。また、アルコールの分解も助けてくれるので、夏のビールのおつまみとしてもお勧めです。
イノシトールの含有量は不明
ビタミンB1やナイアシンの様な、ビタミンB群と似た働きをする栄養素のひとつ、イノシトールが、ホオズキには豊富だと書かれているネット情報が多いのですが、USDAのデータベースにイノシトールの項目がないため、グラウンドチェリーにどれくらいイノシトールが含まれているか不明です。
ただ、上記した通り、体内の代謝を助けるビタミンB群そのものが豊富に含まれているので、ダイエット効果は期待できるでしょう。
ビタミンB群の働きについては『ビタミンB群』をご確認ください。
ビタミンAは多くない
USDAのデータベースに基づけば、1日に必要とする量の約7.6%を含んでいます。少ないとまでは言えませんが、決して多い量ではありません。
ネット情報の多くに、ホオズキにはビタミンA(カロテノイド)が豊富と書かれている記事を目にしますが、少なくとも、グラウンドチェリーは赤色をしてはいますが、カロテノイドが「豊富」に含まれているわけではないようです。
詳しいカロテノイドの働きについては『カロテノイド』をご参照ください。
ストレス耐性向上/疲労回復/免疫力向上/脳機能の改善/神経保護作用
ヒメセンナリホオズキは、中国(昔の満州あたり)では、薬用植物として栽培されているホオズキで、実の抽出液から、天然のステロイド成分であるウィタノリドが、新しく4種類も検出されています。
副腎皮質ホルモン(ステロイド)作用をもつ天然成分には300種類ほどありますが、ウィタノリドはそのひとつのグループで、ストレス耐性を高める効果があり、疲労回復や免疫力向上に役立つと考えられています。また、脳機能の改善や神経保護作用があるのではと、期待されている成分です。
がん予防
このウィタノリドは、ナイトシェード(夜行性)の作物に共通した抗がん成分で、今回、グラウンドチェリーから検出されたウィタノリドは、フィサプベシンと呼ばれるグループでした。
フィサプベシンは、腎臓型グルタミナーゼ(KGA)阻害剤としての機能があることが判明している成分です。
がん細胞の多くが、エネルギー源としてグルタミンからグルタミン酸を造る際、腎臓型グルタミナーゼ(KGA)を必要とします。そのため、抗がん剤の中には、この腎臓型グルタミナーゼ(KGA)を阻害する作用をもつものがあります。この抗がん剤と同じ機能を、グラウンドチェリーから抽出したフィサプベシンが持っていることが確認されています。
ただ、臨床試験の結果ではありませんので、「がん予防」と記載することにしました。
グラウンドチェリー、すごいです。
3. シマホオズキ(Physalis peruviana)
別名:ゴールデンベリー/ケープグーズベリー/フルーツホオズキ
こちらも欧米で一般的に食用にされているホオズキです。日本では、小笠原諸島などに帰化したホオズキです。
レストランで私が出会ったのも、いずれも黄色をしていましたので、きっとこの品種です。
帯広畜産大学は、ゴールデンベリーの栄養素のうち、カロテン、ビタミンC、ビタミンE、そして、イノシトール、クロロフィルとポリフェノールを調べているため、その他の栄養素、特にミネラルの含有量については不明です。
ビタミンAが超豊富
論文に掲載されていたそれぞれのカロテノイドの量をレチノール当量に換算して合計すると、1日に必要なビタミンAを約65.9%も含んでいました。
ホオズキにビタミンAが豊富だと記載しているネットの記事が、ゴールデンベリーのことなら、間違いではないですね。
ビタミンAの詳しい機能については『ビタミンA』をご確認ください。
美肌効果と免疫力アップ
ゴールデンベリーには、ビタミンCは約44.2%、ビタミンEはなんと172%も含まれています。両方とも抗酸化ビタミンです。夏のお肌を紫外線から内側から守ってくれます。
また、免疫力アップも期待できますから、秋にはきっと風邪からも守ってくれますね。
ビタミンEの詳しい機能については『ビタミンE』をご確認ください。
イノシトールはミニトマトの1.5倍
帯広畜産大学の研究によれば、ゴールデンベリーには、ミニトマトの約1.5倍のイノシトールが含まれています。
イノシトールには、コレステロールを下げる作用があると考えられていますので、コレステロールが気になる人には、良いおやつになりそうです。
4. オオブドウホオズキ(Physalis ixocarpa)
別名:ハスクトマト
こんな紫色のホオズキもあるんですねー!ただ、Physalis ixocarpa の中にも多くの品種があり、食用として出回っているものの多くは、メキシコ産で緑色をした Physalis ixocarpa Brot.に属するものだということが判りました。
腸内環境を整える
この種のホオズキには、次の6つのペクチン(食物繊維)が大量に含まれていることが明らかにされ、天然の食品添加物としてのペクチン供給源の候補となっています。
- フコース
- ラムノース
- アラビノース
- ガラクトース
- グルコース
- キシロース
ペクチンは、善玉菌を増やすため、下痢や便秘を改善して腸内環境を整える作用のある成分です。
10分間湯煎した後に20分間茹でると、最大量のペクチンを抽出できると報告されています。このホオズキはソースかジャムにして食べると良さそうですね。
ペクチンの詳しい機能については『糖鎖』をご参照ください。
5. センナリホオズキ(Physalis angulata L.)
別名:ヒロハフウリンホオズキ
観賞用にも食用にも用いられているホオズキです。また、生薬として、解熱に用いられてきた薬用ホオズキです。
腎臓がん予防
ヒロハフウリンホオズキの抽出液が、試験管試験ですが、腎臓がん細胞(A498, ACHN, UO-31)を48時間以内に89%~93%死滅させたことが報告されています。
こちらも、動物試験や臨床試験の結果ではありませんので、「腎臓がん予防」と記載することにしました。
ホオズキの食べ方
ホオズキは痛みやすい
ホオズキの実はとても傷みやすいため、外側の袋(ガク)がついている状態のものを購入し、そのまま保存することをお勧めします。また、水気を嫌うので濡らさずに保存することも忘れずに!
お料理に添えて出す際には、ガクをつけたまま出すと映えるようです(笑)
また、サラダに加えたり、お料理に添えたり、ジャムやはちみつ漬けにしたり、ミニトマトでできることは、ホオズキでもできると考えて良さそうです。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
栄養価の面では、信頼できる情報源が2つしかなく、グラウンドチェリーとゴールデンベリーの断片的な情報に基づくものですが、鉄分補給はグラウンドチェリー(赤)、その他ではゴールデンベリー(黄色)が優れている印象を持ちました。また、腸内環境にはハスクトマト(紫/緑)が良さそうです。
薬用効果の面では、グラウンドベリーが優秀ですね。とはいえ、ホオズキはどの品種も腎臓に良さそうだという印象も持ちました。
ホオズキを食用にお買い求めになる際には、販売者の宣伝文句に惑わされることなく、品種を確認して、あなたの求める効果を提供してくれるものを選んでくださいね。
もちろん、栄養価や薬用作用に関係なく、色や形を楽しむために購入するのは当然アリです。
今までホオズキは、ちょっと良いレストランに行った時に偶然出会うご褒美のような存在でした。日常の食材の選択肢として考えたことはなかったのですが、今回、いろいろ調べてみて、かなり興味を持ちました。特に、腎臓によさそうなことがポイント高いです。
鉢植えで簡単に?育てられそうですし(お祭りの屋台で売っていたくらいですから・・)、こんなに良い効果が期待できるなら、育ててみたくなりました。
あなたも一鉢いかがですか?(笑)
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参考文献
- 「ほおずき」、一般社団法人 和ハーブ協会
- “Physapubescin, a natural withanolide as a kidney-type glutaminase (KGA) inhibitor”, Li Cheng, Can-Rong Wu, Li-Han Zhu, Hua Li, Li-Xia Chen, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, Volume 27, Issue 5, 1 March 2017, Pages 1243-1246, https://doi.org/10.1016/j.bmcl.2017.01.057
- “New anti-inflammatory withanolides from Physalis pubescens fruit”, Guihua Wang, Li Xu, Wei Liu, Wen Xu, Yu Mu, Zhanyou Wang, Xueshi Huang, Liya Li, Fitoterapia, 2020 Oct;146:104692. doi: 10.1016/j.fitote.2020.104692. Epub 2020 Jul 25, PMID: 32717293
- 「ゴールデンベリーの機能性成分含量および抗酸化活性」、堀川実加・小嶋道之、帯広畜産大学学術研究報告第34巻、ISSN 1348―5261、帯広畜産大学国立大学法人、帯広畜産大学平成25年11月
- “Husk Tomato (Physalis ixocarpa Brot.) Waste as a Promising Source of Pectin: Extraction and Physicochemical Characterization”, Blanca Elizabeth Morales-Contreras, Juan Carlos Contreras-Esquivel, Louise Wicker, Luz Araceli Ochoa-Martínez, Juliana Morales-Castro, J Food Sci, 2017 Jul;82(7):1594-1601. doi: 10.1111/1750-3841.13768. Epub 2017 Jun 6, PMID: 28585703
- “Physalin F induces cell apoptosis in human renal carcinoma cells by targeting NF-kappaB and generating reactive oxygen species”, Szu-Ying Wu, Yann-Lii Leu, Ya-Ling Chang, Tian-Shung Wu, Ping-Chung Kuo, Yu-Ren Liao, Che-Ming Teng, Shiow-Lin Pan, PLoS One, 2012;7(7):e40727. doi: 10.1371/journal.pone.0040727. Epub 2012 Jul 16, PMID: 22815798, PMCID: PMC3398016
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング