
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
『減塩し過ぎると○○するって知っていました?』では、塩分は多過ぎても少な過ぎても危険であることをお伝えしました。
適塩を維持することは大切です。
今回は、減塩が特に必要なライフスタイルの人についてお伝えした後で、上手に適塩する方法についてお伝えします。
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献一覧として掲載しています。
睡眠時間が7時間未満の人

睡眠時間と糸球体(腎臓機能のひとつ)のろ過率について調べた時間遺伝子の研究では、睡眠時間が7~8時間の時、eGFRが最も低下することが明らかにされています。
eGFRは、心疾患を引き起こす腎機能障害の程度を示す指標で、低いほど良いものです。
睡眠時間7~8時間の人と比べ、睡眠時間が5時間以下の人では、 eGFR が1.3倍になることが示されています。
つまり、睡眠時間が7時間未満の人は、腎臓を傷めやすく、心疾患リスクが上昇することを意味します。
その他の睡眠不足による危険性については『睡眠不足』をご確認ください。
外食やコンビニ活用率が高い人

加工食品やスーパーのお惣菜、コンビニ弁当、ファストフード店の利用や、外食する機会の多い人は、塩分摂取量が多くなりがちです。
塩分量そのものが多い
なぜなら、そうした加工食品や外食店では、工場塩(ほぼ純粋な塩化ナトリウム)が主に使用されているからです。
工場塩は、海塩や岩塩と比較して塩分(ナトリウム)含有量が高いため、ただそれだけで過剰摂取になりやすい調味料です。
また、外食店などで塩が多く使われる主な理由には次のようなものがあります。
- 味にメリハリをつける(一口めで美味しいと感じさせる)
- 腐敗防止
- 飲み物の販売量を増やす
- など
加工食品やインスタント調味料に含まれている塩分量については『隠れ塩分』をご参照ください。
腎機能を阻害する成分の使用
加工食品に使用されている食品添加物には、リンを多く含むものが少なくありません。
リンを含む食品添加物を使用した食品を飲食することによって、体内にリンが蓄積し、リン過剰になる可能性があります。
体内のリンの過剰は、慢性腎臓病を引き起こします。
お惣菜などに繰り返し使用された油は、確実に酸化しています。酸化した油(トランス脂肪酸)は、腎臓病のリスクを1.2倍にします。
加工食品や添加物によるその他の危険性については『超加工食品』をご確認ください。
上手に減塩/適塩する方法

自然塩を使う
自然塩とは、海水を乾燥させて作る塩(海塩)や、岩塩のことです。
一方、工場塩とは、工場で化学反応によって造る「塩化ナトリウム」だけでできている塩のことです。いわゆる「卓上塩」のことです。ちなみに「アジシオ」は「工場塩+味の素(MSG:グルタミン酸ナトリウム)」でできている調味料です。
自然塩はナトリウムだけでなく、多くのミネラルを含んでいます。例えば、藻塩に含まれているナトリウムは、工業塩の約3分の2です。
同じ1gを使っても、ただそれだけで30% の減塩になります。
様々なお塩の特徴については『お塩の個性いろいろ』をご参照ください。
朝~日中は薄味で
時間栄養学は、あなたの細胞ひとつひとつに組み込まれている時間遺伝子の働きに沿って、食事を考える新しい栄養学です。何をどれくらいどのように食べるのが良いかということと併せ、いつ食べるのが良いのかについて研究をしています。
朝は、これから活動を始める時間なので、体はナトリウムの排出を抑えることで血圧を上昇させ、日中あなたが行動しやすいようにします。つまり、午前中~日中は塩分が体に蓄積しやすい時間帯です。
特に睡眠時間の少ない人や外食や加工食品が多い人は、朝から日中は、塩分の少ない食事を心がけましょう。
夜は一品濃い味でもOK
夕方からは、体はナトリウムを排出し血圧を下げ始めます。体をリラックスさせ睡眠導入が自然と起きるようにするためです。
そのため、夕食の一品だけは濃い味にしても大丈夫です。
ヒトは、食卓のお料理のうち一品にしっかり味がついていれば満足できるという報告もありますから、減塩を目指したい人にお勧めです。
調理する際の秘訣
調理する際のひと手間で減塩できます。
- 缶詰を使用する際は、中の食品を水ですすいでから使う
- パスタを茹でる時に塩を加えず、茹であがりに素早く粗熱を丁寧にとる(くっつきにくくなる)
- お野菜を茹でる時に塩を加えず、75℃のお湯でゆっくり茹でる(退色予防)
- ハーブやスパイスのフレーバーを活用する
- 柑橘類の搾り汁や酢を活用する
- 一味唐辛子などの辛味を活用する
- 出汁をしっかりととり旨味を活用する
出汁をしっかりととり旨味を活用することで、約20%の減塩が達成できることが東京大学の研究によって示されています。
ただし、その際、うま味調味料など(味の素など)の化学調味料を用いることはしないでくださいね。うま味調味料の原材料であるグルタミン酸ナトリウムは、欧米では規制対象となっている添加物です。日本では大人の事情で規制がありませんが、勧められるものではありません。
Two wrongs don’t make a right
悪に悪を足しても善にはならない
塩にうま味調味料を加えても、健康にはなりません。
桜エビとエビの尻尾を食べる

塩分は、「キトサン」という栄養素といっしょに摂るとナトリウムの吸収率が抑制され、血圧が上昇しないことが明らかにされています。
キトサンは、次の食品に多く含まれています。
- イカの筋
- カニの筋や甲羅や殻
- エビの殻
- 桜エビ/小エビ
- など
なかなか食べ難い部分に含まれているのが問題ですが、例えば、エビは天ぷらにすると、尻尾まで食べやすくなります。若いカニの丸ごとの素揚げなんていうお料理もあります。
ただ、毎日天ぷらを食べるわけではありませんし、カニの丸の素揚げがある居酒屋さんも限られます。それにもちろんイカやカニの筋は食べられません。
この中では、一番、毎日の食事に使いやすいのは、桜エビや小エビではないでしょうか。
乾燥したものをおやつ替わりにバリバリと食べたり、釜茹でも美味しいです。
海藻類と緑の葉物野菜とナッツ類
これらの食品には葉酸とビタミンEが豊富です。
葉酸とビタミンEには、腎機能の低下を予防する働きがあります。
腎臓に大きな負担をかけるような食生活をしている人、睡眠時間が少ない人は、意識して葉酸とビタミンEを多く含む食品を食べることが大切です。
それぞれを多く含む食品については、次のリンクをご参照ください。なお、サプリメントで摂る危険性についても記載していますので、必ずご確認ください。
- 『葉酸』
- 『ビタミンE』
- 『秋はナッツが美味しい季節!』
- 『秋はシーズも美味しい季節』
ハーバード大学医学部が作った減塩クックブック
最後に、ハーバード大学医学部ベス・イスラエル・ディコネス・メディカルセンターと心臓循環器学会が作った『Hungry Heart Cookbook(ハングリーハート・クックブック)』という減塩レシピが掲載されている冊子をご紹介します。
無料で配布されているものです。英語で書かれていますが、レシピなのでたぶん大丈夫です。
減塩で美味しいフルコース・ディナーを作りたい人にお勧めです。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

ソフィアウッズ・インスティテュートでは、プライベート・ヘルスコーチング・プログラムの中で、ヘルスコーチが必要と判断した際には、塩分摂取について、チェックシートなどを用いて詳しく問診し、それぞれのクライアントさんに適した減塩法をご提案しています。
もしおひとりで取り組むことに難しさや不安を感じているのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

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参考文献:
- 「健康日本21」、厚生労働省
- 「腎不全予防の新しい基準と高齢者栄養」、女子栄養大学栄養学講座、2016年7月24日
- 「時間栄養学-時間遺伝子と食事リズム」、女子栄養大学出版
- “Modelling of salt intake reduction by incorporation of umami substances into Japanese foods: a cross-sectional study.”, Tanaka S, Yoneoka D, Ishizuka A, Adachi M, Hayabuchi H, Nishimura T, Takemi Y, Uneyama H, Nakamura H, Lwin KS, Shibuya K, Nomura S., BMC Public Health. 2023 Mar 19;23(1):516. doi: 10.1186/s12889-023-15322-6. PMID: 36935509; PMCID: PMC10024820.
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング