
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
あなたの集中力に影響するもの
何かに集中することが難しい世の中になっているかもしれません。
インフォメーション・テクノロジー(IT)は、数えきれないほど、あなたの気を散らすものを開発してきました。
SNSに投稿があったとか、メールが届いたとかという通知音は絶え間なく聞こえてきます。どんなに集中力が高い人の集中力をも削いでしまいます。
でも、ITだけが悪者ではありません。
ストレスや老化によっても、周囲の雑音を無視する力は弱まります。
そして、食事です。
多くの人は、集中力を高めるために、コーヒーや甘い物(砂糖)に手をだしがちです。
でも、過剰なコーヒーや砂糖には、健康への悪影響が伴います。
今回は、あなたの集中力にポジティブな影響を与える食品についてお伝えます。これらの食品は、脳だけでなく、あなたの心と体にとっても有益です。
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしてます。

1. 胡桃
2015年にUCLA(カリフォルニア大学ロスアンジェルス校)の研究者が、成人における認知機能(集中力など)と胡桃の摂取量に正の相関が存在することを発見しました。
『栄養、健康と加齢のジャーナル(the Journal of Nutrition, Health and Aging)』に発表された論文によれば、毎日 手のひらいっぱいのクルミを食べる習慣のある人は、年齢に関わらず、認知機能が良好だったとのことです。
他のナッツ類と比べると、クルミは、脳機能を高める抗酸化物質をとても多く含んでいます。また、クルミには、多くのαリノレン酸が含まれています。これは、脳の健康と成長に欠かせない植物性のオメガ3脂肪酸です。
脳の重さの約8%は、ドコサヘキサエン酸(DHA)と呼ばれるオメガ3脂肪酸でてきています。そして、クルミに多いαリノレン酸は、体内で、DHAに変換されます。
その他にもオメガ3オイルを含むナッツ類については、『ナッツ』をご確認ください。
2. ベリー類

ベリー類には、多くの抗酸化物質(ポリフェノール)が含まれています。特に、抗酸化物質の中でも、内臓炎症を抑制し、認知機能を高めることが示されてきたアントシアニンを含んでいます。
2007年に発表された研究は、アントシアニンは1種類のベリーから摂るよりも、さまざまなベリー類から得る方が効果が高いことを報告しています。
例えば次のようなベリーです。詳しい機能について執筆した記事をリンクしましたので併せてご確認ください。
アロニア(ブラック・チョークベリー)もお勧めです。日本ではまだあまり一般的なベリーではありませんが、ベリー類の中では、最も多くの抗酸化物質を含んでいるベリーなんですよ。詳しくは、『アロニア』をご参照ください。
ベリー類は、おやつとして最適です。食物繊維やマグネシウム、ビタミンKやCも豊富です。旬でない時にも、冷凍されたものや乾燥されたものが手に入りやすいのも嬉しいですね。
3. サーモン

サーモンは、脳の重さの約8%を占めるオメガ3脂肪酸ドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富です。
米国シカゴにあるラッシュ大学は、6年間に渡り65歳以上の成人を追跡調査した結果、魚を食べない人と比較し、魚を多く食べる傾向にある人の認知機能の低下速度はゆるやかであったと報告しています。
具体的には、魚を食べない人と比較し、次のとおり認知機能の低下速度が遅かったことが示されています。
- 毎週1回魚料理を食べる習慣がある人・・・10%
- 毎週2回以上魚を食べる習慣のある人・・・13%
4. アボカド

アボカドには、オメガ9脂肪酸(オレイン酸)が豊富です。オレイン酸は、中性脂肪や悪玉コレステロールを低下させてくれるので、血管を綺麗にし、充分な栄養が脳に届けられるようにしてくれます。
更に、アボカドには、ビタミンEが多く含まれています。ビタミンEは、アルツハイマー病の進行を遅くする可能性があると報告されています。
魚を使った研究では、9ヵ月間ビタミンEを豊富に与えた魚と、ビタミンEを与えなかった魚の脳細胞内のドコサヘキサエン酸(DHA)の量を比較しています。DHAは、ニューロンなど脳の神経細胞の主成分です。
ビタミンEを豊富に与えられて飼育された魚と比較し、ビタミンEを与えられなかった魚は、約3割もの脳神経細胞が減少していたことが示されています。
アボカドのその他の詳しい機能については『アボカド』を、ビタミンEの機能については『ビタミンE』をご確認ください。
5. エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル(コールドプレス)

エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルは、抗酸化物質とビタミンEを多く含んでいます。
2012年に『アルツハイマー病ジャーナル(the Journal of Alzheimer’s Disease)』に掲載された論文は、エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルは、酸化ストレスによって起こった脳のダメージを修復したことを報告しています。
マウスを用いた実験では、6週間に渡り、老化促進モデルマウス(老化を促して飼育したマウス)に、エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル(EVOO)、ココナッツオイル、またはバターを与えて飼育し、その後、迷路と新規物体の認知速度を比較しています。
ココナッツオイルやバターを与えられたマウスよりも、EVOOを与えられたマウスはより迷路を解く確率が高く、新しい物体と過ごす時間が長かった(好奇心が高い)と報告しています。
また、脳内でのグルタチオン(抗酸化物質)の量が増加し、加齢と病気などによって衰えた記憶力や学習能力の改善を示したことが報告されています。
オリーブオイルの詳しい機能については『オリーブオイル』をご確認ください。
6. かぼちゃの種

かぼちゃの種は、調度良いおやつになるだけでなく、集中力を高めるおやつとなります。
かぼちゃの種にもオメガ3脂肪酸が含まれていますが、2001年静岡大学が発表した論文によれば、かぼちゃの種には、脳神経系の病気予防になると言われる亜鉛を多く含んでいます。
亜鉛は、脳内で一定量が維持されるよう保たれています。体内の亜鉛ほとんどは、金属結合タンパク質として、神経細胞やグリア細胞(ニューロン以外の脳細胞)内に存在しています。また、脳内の亜鉛の約10%がシナップスに存在しています。
記憶と嗅覚の機能に関係する海馬で亜鉛が不足すると、記憶障害や嗅覚障害が現れるようになります。
かぼちゃの種の詳しい機能については『かぼちゃの種』をご確認ください。また、亜鉛の詳しい機能については『亜鉛』をご確認ください。
7. 緑の葉物野菜

2015年にラッシュ大学によって行われた研究によれば、濃い緑色の葉物野菜、例えば、ホウレン草、ケール、コラードなどは、認知機能の低下速度を遅くする可能性を示しています。
5年間に渡り、研究者は高齢の被験者の食事と認知機能を調べています。その結果、濃い緑色の葉物野菜をたくさん食べている人の認知機能の衰えが少なかったとのこと。
毎日、1皿から2皿分食べている人の認知機能は、実年齢よりも11歳程度若いことを発見しました。
研究者によれば、ビタミンKと葉酸が認知機能を支えている主要な栄養素ではないかと述べています。
ビタミンKと葉酸の詳しい機能については『ビタミンK』と『葉酸』をご確認ください。
8. 卵

卵にもオメガ3脂肪酸が含まれています。また、卵は、脳の発達に不可欠な栄養素コリンを多く含んでいます。
神経伝達物質のアセチルコリンの前駆体であるコリンが不足すると、認知機能に障害が現れることが、過去のアルツハイマー病患者の脳の検死などから判っています。
2011年に『米国臨床栄養学ジャーナル(the American Journal of Clinic Nutrition)』に発表された研究です。
認知機能に問題のない1,391人(男女ほぼ半々)の食事傾向と認知機能の変化を数年に渡り追跡調査しています。認知機能を言語記憶、視覚記憶、言語学習、高度機能の4つで調べ、MRIを用いて脳の髄質の質量も測っています。
言語記憶と視覚記憶は、コリンを含む食品を多く食べていた群で高かったものの、髄質の量には大きな差がなかったそうです。
ちなみに、卵には、脳と脳神経を守るビタミンB12も含まれています。
卵、コリン、ビタミンB12の詳しい機能については『卵』、『ホスファチジルコリン』、『ビタミンB12』をご確認ください。
9. 発酵食品
プロバイオティクスが腸内環境を整えると言われていますが、脳の健康にも関与しています。
2013年カリフォルニア大学ロスアンジェルス校(UCLA)の研究によれば、ヨーグルトを日常的に食べている女性は、休息中も、課題を実行している間も、脳機能が向上しているとのことです。
10. オートミール/全粒穀類

全粒穀類(精白されていない穀類)は、エネルギーを提供します。
空腹感は、集中力を失わせますから、しっかり朝食を食べてから行動を始めることが大切だと報告されています。
お湯をかけたら直ぐに食べられるようなインスタント・オートミールではなく、ゆっくりと煮た・茹でたオートミールは、健康的な朝食となります。
ご飯なら、白米よりも玄米や雑穀米がおススメです。
玄米には、ミネラルや食物繊維やビタミンが残っている(白米の3-10倍)ので、体を極端に酸性にすることもなく、食後に眠気が起きにくいので、食後も集中力を維持するには最適です。
どうしても白米じゃなくちゃっ!という方は、黒ゴマなどをかけてから食べると良いですね。
オートミールの詳しい機能については『オートミール』をご確認ください。
11. ダークチョコレート
チョコレートは、コーヒーと同様の刺激を脳に与えます。
2015年、ノーザンアリゾナ大学(Northern Arizona University)の研究者は、 60%カカオ以上のチョコレートを食べた被験者は、よりテキパキし、注意力が高くなったと報告しています。
チョコレートにも抗酸化物質が豊富です。
ダークチョコレートの詳しい機能については、『チョコレート』をご確認ください。
12. ペパーミント茶

英国のノーサンリア大学(Northumbria University)が、2012年に発表した研究は、ペパーミントは、認知機能を高める可能性があることを示しています。
被験者は、ペパーミントの香り、イランイランの香り、無香の空間で、認知テストを受けます。ペパーミントの香りのする空間でテストを受けたグループは、注意深さや意識レベルが向上しており、一方で、イランイランの空間のグループでは、注意深さや意識レベルは低下し、反対にリラックス感が向上したとのことです。
そのことから、空間の香りを変化させることで、集中力や注意力を変化できる可能性があると述べています。
ペパーミントの詳しい機能については『ミント』をご確認ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

砂糖がリストに入っていないことに驚きましたか?
「脳には砂糖」という宣伝もあるのに、なぜ砂糖が入っていないと思いますか?
白砂糖による健康への影響は多岐にわたりますが、まずは『白砂糖』をご確認ください。
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参考文献:
- “A cross sectional study of the association between walnut consumption and cognitive function among adult us populations represented in NHANES”, A. Ang, The journal of nutrition, health & aging, March 2015, Volume 19, Issue 3, pp 284–290
- “Walnuts are top nut for heart-healthy antioxidants”, American Chemical Society, News Releases, 2011 March
- “Berry anthocyanins as novel antioxidants in human health and disease prevention”, Zafra-Stone S1, Yasmin T, Bagchi M, Chatterjee A, Vinson JA, Bagchi D, Mol Nutr Food Res. 2007 Jun;51(6):675-83.
- “Fish Consumption and Cognitive Decline With Age in a Large Community Study”, Martha Clare Morris, Denis A. Evans, Christine C. Tangney, et al, Julia L. Bienias, Robert S. Wilson, Arch Neurol. 2005;62(12):1849-1853. doi:10.1001/archneur.62.12.noc50161
- “Maintaining Brain Health by Monitoring Inflammatory Processes: a Mechanism to Promote Successful Aging”, Caterina Rosano,Anna L. Marsland, Peter J. Gianaros, Aging Dis. 2012 Feb; 3(1): 16–33, Published online 2011 Sep 30, PMCID: PMC3320802
- “Vitamin E deficiency could lead to brain damage, zebrafish study suggests”, Wednesday, April 15, 2015, the National Institutes of Health.
- “Extra virgin olive oil improves learning and memory in SAMP8 mice”, Farr SA, Price TO, Dominguez LJ, Motisi A, Saiano F, Niehoff ML, Morley JE, Banks WA, Ercal N, Barbagallo M, J Alzheimers Dis. 2012;28(1):81-92. doi: 10.3233/JAD-2011-110662.
- “Zinc homeostasis and functions of zinc in the brain”, Takeda A, Biometals. 2001 Sep-Dec;14(3-4):343-51.
- “Eating green leafy vegetables keeps mental abilities sharp”, March 30, 2015, Federation of American Societies for Experimental Biology (FASEB), Science News, Science Daily
- “The relation of dietary choline to cognitive performance and white-matter hyperintensity in the Framingham Offspring Cohort”, Coreyann Poly, Joseph M Massaro, Sudha Seshadri, Philip A Wolf, Eunyoung Cho, Elizabeth Krall, Paul F Jacques, and Rhoda Au, 2011 American Society for Nutrition
- “Changing gut bacteria through diet affects brain function, UCLA study shows”, Rachel Champeau, May 28, 2013, News Room, UCLA
- “A Better Breakfast Can Boost a Child’s Brainpower”, September 4, 2006
- “Eat dark chocolate to beat the midday slump, NAU study says”, May 7, 2015, Northern Arizona University
- “Modulation of cognitive performance and mood by aromas of peppermint and ylang-ylang”, Moss M, Hewitt S, Moss L, Wesnes K, Int J Neurosci. 2008 Jan;118(1):59-77.
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング


