
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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この記事は、2018年1月に初めて執筆したものです。そして、その後、新しい情報が発表されるごとに追記をしています。
この間に解禁された適応症もあれば、追加された危険な副作用もあります。
鎮痛剤は何であれ痛みを一時的に麻痺させる(感じなくさせる)だけのものです。痛みの原因を治してくれているわけではありません。しかも、何かしらの副作用を伴うものです。
安易な常用を避け、鎮痛剤を必要としない根本的な体つくりを始めることをヘルスコーチとしてお勧めします。
目次
薬物性肝障害の第1位
頭痛の時、生理痛の時、発熱した時、二日酔いの時、関節痛や筋肉痛がある時にアセトアミノフェンを含む鎮痛剤を飲んでいる人は少なくないと思います。
特に、アセトアミノフェン製剤の「カロナール」はコロナウイルス感染症の流行によって、人気度と知名度をかなり高めたお薬ではないでしょうか。
でも、アセトアミノフェンは、肝機能を不全に陥らせる成分です。常用してはいけない薬です。
ニューイングランド医療ジャーナル(N Engl J Med)による2013年の報告では、英国と米国における、薬物性肝障害を原因とする急性肝不全を起こした薬は、次の通りです。
- 英国・・・アセトアミノフェン – 57%(他剤11%)
- 米国・・・アセトアミノフェン – 39%(他剤13%)
東海大学消化器内科教授の加川建弘教授は、2021年の第29回日本消化器関連学会週間において、次のように説明しています。
アセトアミノフェンは、
薬物性肝障害を直接的に起こす代表的な薬剤のひとつであり、
用量依存性があり、
肝機能障害の発生までの期間が短く、数日で起こる
腫れを伴う炎症痛には効かない
それに、アセトアミノフェンは、関節炎などの炎症性の痛みには効きません。
アセトアミノフェンは、痛みを抑えることはできますが、腫れを抑えることはできないのです。だから、腫れを伴う炎症(関節炎など)の痛みには効かないのです。
アセトアミノフェンを主成分とする鎮痛剤

次の鎮痛薬の成分にアセトアミノフェンが含まれています。
- 医療用医薬品「カロナール」
- 第一三共「カロナールA」
- シオノギの「新セデス」シリーズ、「セデス・ファースト」シリーズ、「セデスV」シリーズ
- 大正製薬の「ナロン」シリーズ
- アラクスの「ノーシン散剤」シリーズ、「ノーシン」シリーズ
- タケダの「タイレノール」
- ライオンの「バファリンルナ J」、「小児用バファリン」、「バファリン・プレミアム」、「バファリンルナ」
バファリンプレミアムとバファリンルナには、イブプロフェンも含まれています。イブプロフェンについては、この記事の一番最後をご確認ください。
アセトアミノフェンを飲んではいけない人
2023年7月以前の基準では、次の疾患や症状をもっている人には、アセトアミノフェンを処方してはいけないことになっていました。
- 消化性潰瘍
- 重篤な血液の異常
- 重篤な肝障害
- 重篤な腎障害
- 重篤な心機能不全
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴がある
- 非ステロイド抗炎症薬(NSAID)による喘息発作またはその既往歴のある患者
しかし、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会の医薬品等安全対策部会安全対策調査会は、2023年7月25日に医療用のアセトアミノフェン含有製剤について、腎臓と心臓の関連学会などからの要望などを踏まえて、「3.重篤な肝障害」がある場合を除き、適応を解禁しました。
つまり、アセトアミノフェンを処方してはいけないのは、肝臓に疾患を抱えている人だけということになったのです。
しかし、上でご紹介した市販の鎮痛薬は処方箋が無くても誰でも購入できます。
つまり、肝臓機能に問題をもっている人は、アセトアミノフェンを含んでいる鎮痛剤は止めておきましょう。
もちろん、肝臓に問題を持っていない人も、習慣的に常用することは止めましょう。
急性肝不全を起こす可能性のある人

肝臓に障害がない人でも、たった1回のアセトアミノフェンを主成分とする鎮痛剤の服用で急性肝機能不全が起きた例があります。
理由は、アセトアミノフェンが600種類以上の医薬品に使用されているためです。
特に、次の習慣がある人は、要注意です。
1. 睡眠導入剤を飲んでいる
睡眠導入剤を日常的に服用している人が、風邪薬を飲み、ついでに頭痛薬も飲んだら、それだけで過剰摂取となる可能性が高くなります。
急性肝不全に陥る可能性があります。
2. 生理痛などで数日間飲み続けている
通常量を守っていても、生理期間中、例えば1週間毎日飲み続ければ、肝不全が起こる可能性があります。
3. アルコールを飲む習慣がある

アルコールが肝臓に悪いことは、よく知られている事実です。実際に、お酒を飲む習慣のある人は、健康診断で肝機能の数値が指摘されることが多いです。
それに加えて、二日酔い改善のためにアセトアミノフェンを飲んでいれば、肝臓にとってはダブルパンチのダメージです。その結果、健康診断で脂肪肝、糖尿病、肥満症と診断される可能性は高まります。
もしかしたら、既に、そう指摘されている人もいるのではありませんか?
アルコール+アセトアミノフェンというライフスタイルが、肝機能を不全に追い込んでいきます。
妊婦が唯一飲んでよい鎮痛剤と言われてきたが・・

アセトアミノフェンは、妊娠中に安全に使用できる唯一の鎮痛薬と長く考えられてきました。
確かに妊婦自身にとっては安全かもしれませんが、一方で、胎児のADHDや自閉症スぺクトラム障害などの神経発達障害リスクの増加との関連を示唆する観察研究が多数報告されています。
1. 胎児の神経発達障害との関係
2024年2月に発表された米国イリノイ大学アーバナシャンペーン校による研究では、妊娠中のアミノフェンの服用で胎児の神経発達の転帰が悪化(自閉症、注意欠陥多動性障害/ADHD、知的障害が発症)することが指摘されています。
この研究は、妊娠期間を3か月ごとに3分割し各妊娠期間中の母親のアセトアミノフェン服用回数と、2013年12月から2020年3月までに誕生した535人の新生児の1歳半~5歳までの児童行動を追跡調査しています。
妊娠第2期(13週~28週)が重要
妊娠第2期(13週~28週)の服用並びに妊娠期間中の累積アセトアミノフェン服用量が多いほど、次の問題行動が有意に高くなることが報告されています。
- 2~3歳で注意力、ADHD、外在化行動、全体的問題
- 4歳で外在化行動と全体的問題
註:外在化行動|攻撃、非行、かんしゃく、多動性など周囲の人々との間で軋轢を生じさせる行動
2. 女児のADHDリスクとの関係

米国ワシントン大学が行った調査では、妊娠中にアセトアミノフェンを服用した妊婦から生まれた子の注意欠陥多動性障害(ADHD)リスクが増加する可能性があることが示されています。しかも、そのリスクは女児でより高いことも示されています。
アフリカ系アメリカ人の母子307組が調査対象となっています。
妊娠第2期(13週~28週)が重要
この研究においても、妊娠第2期(13週~28週)でのアセトアミノフェンの服用が、子供のADHD発症リスクを 3.15倍 にすることが示されています。
妊婦によるアセトアミノフェンの服用が、次の現象と関連があることが示されています。
- 胎盤の細胞内で起こる呼吸に関連した現象(酸化リン酸化)の低下
- ADHDの発症
特に、胎児が女児の場合にのみ、妊婦によるアセトアミノフェンの服用によって、胎盤の免疫グロブリン重鎖定常ガンマ 1 (IGHG1)発現が増加し、ADHDのリスクが更に5.22%上昇することが示されています。
研究者は、妊婦によって服用されたアセトアミノフェンの胎盤の細胞に対する潜在的な毒性が原因しているのではないかと述べています。
胎児の脳神経の発達を阻害してしまうというのは恐ろしい事実です。近年増えているように感じるADHDのお子さんは、もしかしたら妊娠中の母親のアセトアミノフェンの服用が関係しているのかもしれませんね。
ただし、この件については、今まさに研究者の間で議論が続けられている分野です。そのため、科学的に明確な白黒はついていませんが、疑義がある以上、妊婦さんはアセトアミノフェン製剤の服用はやめておいた方が無難ではないかと考えます。
3. 男児が停留精巣に
停留精巣は陰嚢(ふくろ)の中に精巣(睾丸)が入ってない先天的な生殖異常症です。
ヒト胎児の精巣組織片の培養試験において、アセトアミノフェンがテストステロンの産生を減少させることを証明した実験データによって、アセトアミノフェンが停留精巣を起こすことが裏付けられています。
また、停留精巣を発症した群と自閉症を発症した群が共通していることから、胎児時のテストステロンの減少が、両方の障害に関係していると考えられています。
お腹のお子さんが男の子でも女の子でも、アセトアミノフェンが毒性をもっていると考えられる複数の研究があるのですから、妊娠中はアセトアミノフェンもやめておいた方が良いでしょう。
アセトアミノフェンは抗がん成分泥棒
肝臓では、グルタチオンと呼ばれる強力な抗酸化物質が造られます。グルタチオンはがん細胞すら殺すことのできる強力な物質です。
アセトアミノフェンによって肝機能に障害が起これば、もちろん、グルタチオンの量は減ります。アセトアミノフェンは、グルタチオン泥棒といってよい薬です。
グルタチオンが体内から減少したり、消失してしまえば、がん細胞の発生を放置することになりますし、多くの炎症性疾患が起こりやすい体内環境になることを意味します。
アセトアミノフェンを主成分とする鎮痛剤を常用することは、肝機能障害がおこりやすくなるだけでなく、がんが発生する土壌を耕しているようなものです。
アセトアミノフェンの解毒法
アセトアミノフェンによる薬物性肝障害を起こし抗酸化物質であるグルタチオン欠乏に陥った肝臓の治療には、グルタチオンの前駆体であるNAC(N-アセチルシステイン)を摂取するという方法が医療現場では執られます。
NAC(N-アセチルシステイン)は、N-アセチル-L-システインとも呼ばれます。
NAC(N-アセチルシステイン)は、世界保健機構(WHO)が定める必須医薬品のひとつであり、アセトアミノフェンの解毒に使用される成分です。
アセトアミノフェンを解毒する食品
薬物性肝障害には至っていないものの、アセトアミノフェンを服用することが多い人は、アセトアミノフェンを解毒する作用をもつ食品や肝臓を保護する作用のある栄養素や食品を積極的に食事に加えることをお勧めします。
もちろん、アセトアミノフェンを含んでいる鎮痛剤を飲まないことが一番の解決策です。
1. アセトアミノフェンを解毒する栄養素
アセトアミノフェンの解毒効果があるとされる食品成分は次の通りです。詳しい機能にについては、リンクを貼りましたのでご確認ください。
それを踏まえて一覧表にしたものが下の画像です。

上位に記載されている食品は、偶然?にも幸福ホルモンのセロトニンの材料となる食品と同じです。
これらの食品は、アセトアミノフェンを解毒して肝臓を守ってくれるだけでなく、セロトニンとなってあなたに幸福感を感じさせ、痛みの緩和してもくれるはずです。優秀な天然の鎮痛剤ですね。
ちなみに、お肉の中では、豚肉が唯一マルチに上記の栄養素を豊富に含んでいる、肝機能に良いお肉であることが判りました。
2. 豚ゼラチン・ホタテ貝柱・スルメ
アミノ酸グリシンが豊富に含まれている食品です。
グリシンは、睡眠の質を高めたり、不眠改善と関係の深い物質であることは良く知られていますが、医薬品として用いられる場合、粘膜トラブルによる皮膚や口腔内の治療の他、肝機能回復のために用いられる成分です。
グリシンは、上記した食品を食べるだけでなく、体内で造ることもでき、体内のコラーゲンの3分の1を占めている成分です。
3. PQQ(ピロロキノリンキノン)
PQQは、1979年に発見された物質で、2003年に新種のビタミンとして認められた物質です。母乳に豊富に含まれています。

不可欠アミノ酸であるリジンの分解が正常に行なわれるためには、PQQ が必要です。リジンは肝機能強化にとって不可欠なアミノ酸です。
PQQは、脳機能の改善にも効果があることが判っています。また、ヒトの脂質や尿酸値、血糖値の改善効果があることも示されています。更に、高齢による乾燥肌の予防や改善にも効果を示しているようです。
4. 橙(だいだい)

グルタチオンとは異なるメカニズムによって肝機能を保護することが報告されているのが橙です。
橙の皮を乾燥させて作る生薬(漢方薬)が、肝臓の代謝障害を調節することにより、アセトアミノフェンによって誘発される肝臓への損傷を予防できることが実証されています。
更に、乾燥させた橙の皮が、アセトアミノフェンによって起こる肝臓細胞のアポトーシス(細胞死)を阻止できることが確認されています。
5. 小麦・大豆・干し魚・ドライトマト


これらの食品は、旨味成分として知られているグルタミン酸を豊富に含む食品です。
脳の興奮を鎮めるGABAを生成することで知られていますが、肝臓でアンモニアを無毒化し、尿として排出する助けをしています。
アセトアミノフェンによって肝機能不全に陥ったマウスにグルタミン酸を投与すると、肝臓のグルタチオンの保全(肝機能の回復)に効果があったとする報告があります。
ヒトを対象とした研究ではありませんが、グルタミン酸の多い食品は日常の食事に取り入れやすい食品ばかりですから、予防のためにも食事に活用したいですね。
ただし、グルタミン酸をたくさん摂る目的で旨味調味料を大量に使用するようなことはしないでくださいね。加工食品や化学調味料に用いられている旨味成分や旨味調味料は、グルタミン酸ナトリウムと呼ばれる、欧米では規制対象となっている脳毒です。(日本では、味の素と呼ばれていますけどね、笑)
その他の鎮痛剤の影響と代替方法
こちらのサイトをご覧ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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参考文献:
- “Acute Liver Failure”, William Bernal, and Julia Wendon, December 26, 2013, N Engl J Med 2013;369:2525-2534, DOI: 10.1056/NEJMra1208937, VOL. 369 NO. 26
- 「漢方薬の肝障害は、西洋薬より死亡率が高い」、渕本稔、2021年12月7日、メディカル・トリビューン
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- “Protective Effects of Garlic and Silymarin on NDEA-Induced Rats Hepatotoxicity“, Sabry M Shaarawy, Amany A Tohamy, Saad M. Elgendy, Zakaria Y Abd Elmageed, Abeer Bahnasy, Maha S Mohamed, Emad Kandil, and Khalid Matrougui, Int J Biol Sci. 2009; 5(6): 549–557, Published online 2009 Aug 11, PMCID: PMC2737715
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