バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
誰だって若々しくいたい
若々しいお肌をいつまでも保ちたいと思うは、誰しも同じだと思います。
だからプチ整形などが人気になるのですよね。
私はあまり無理をせず、歳を重ねることにあまり抵抗せず、人工的なものにも頼ることなく、歳相応に年齢を重ねていけたらいいなと、思っています。
とはいえ、年齢不相応に老けてしまうのは嫌です。
基本は内側を整えること
私達は食べたものでできています。お肌も食べたもので造られています。
ですから、外側からケアすることも大切ですが、一番重要なことは、基本の基本の内側からお肌を整えることです。
そこで、今回は、お肌の若々しさを保つ食事について、コラーゲンのサプリメントには大した効果がない科学的な理由だけでなく、効果のある意外なものについて、お伝えします。
裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
老化は体内の炎症
老化は細胞の酸化によって起こります。
よく、体内が錆(さび)ると表現されますが、まさしく、細胞がさびてしまうのが老化です。
老化は体内で起こっているマイルドな、でも慢性的な炎症が原因だと考えられています。ある年齢を超えると増え始める生活習慣病も体内炎症が原因です。
酸化が原因なら体内の酸化を中和/還元してしまえば良いのです。
だからと言って、運動後の水素水や果物は逆効果になります。その詳しい理由は『水素水って本当に効果があるの?』をご確認ください。また『野菜と果物はあなたを殺そうとしている』もご参照ください。きっと驚きますよ。
細胞を酸化から守るには
1. 肝臓を元気に保つ
酸化還元酵素を造っているのは肝臓です。
体内で細胞の酸化を中和/還元する酵素を造ってくれているのは、主に肝臓です。肝臓が造るグルタチオンという酵素は非常に強力な抗酸化力をもっています。がんの卵まで殺してくれます。
そして、私達が口に入れるもの全てが肝臓を通ります。
食べ物だけでなく、食品添加物、アルコール、薬やサプリメントなども肝臓で、体にとって必要なものかどうか選別され、不要なものは排出されます。肝臓のこのデトックス機能が弱くなると、体にとって不要あるいは有害な物質が体内に蓄積され、炎症が起こり、老化が早まります。
体全体の老化を予防する、老化を遅らせるためには、肝臓に負担をかける有害なものはできるだけ口にしないこと、そして、肝機能を健康に保つ食事をすることが、お肌老化だけでなく、全身の老化の予防にとって重要です。
肝臓の詳しい機能については『口の苦味は肝臓の病気かも?病気の兆候と肝臓を健康に保つ食べ物』を、肝臓に良い食品やハーブについては『ミルクシスル』と『サルサパリラ』をご確認ください。
2. 果物・野菜そしてナッツ・シーズを食べる
これらの食品に多く含まれているビタミンAとビタミンEは、抗酸化ビタミンです。ここではミクロ栄養素(ビタミン)の話をしますが、サプリメントではなく、こうしたビタミンを含む食品を食べてくださいね。
ビタミンE
ビタミンEは、お肌に塗ることもできます。
お肌に塗ることで、傷跡を修復する働きがありますが、食べることで、お肌の内側からダメージを予防・修復してくれます。
ビタミンEはナッツとシーズに多く含まれています。それぞれのナッツとシーズの詳しい個性については『ナッツ』『シーズ』をご参照ください。
しかし、ビタミンEのサプリメントは完全体ではないので摂っても効果が無いことを多くの研究が報告しています。
簡単に言えば、
- サプリメントのビタミンEは、ビタミンEの一部しか含まれていない
- ビタミンEは、完全体で摂らなければ効果は得られない
- 完全体のビタミンEは、食品からしか得られない
詳しいことは『ビタミンE』をご確認ください。上記したフルーツ以外のビタミンEを多く含む食品についてもご紹介しています。
特にビタミンEは、食べ物から摂らなくては意味がないビタミンです。
ビタミンA
お肌に塗るビタミンAが皮膚がんの発症リスクを高めることを示唆する研究報告があります。(詳しくは『パルミチン酸レチニル』をご確認ください)
そのため、やはりビタミンAもサプリメントやスキンクリームからではなく、食品を食べることが最も安全で安心です。ビタミンAの多い食品については『ビタミンA』をご確認ください。
お肌に必要な特殊なコラーゲンを増やす
多くの人がご存知の通り、コラーゲンはお肌のハリの成分です。
でも、コラーゲンは、悲しいかな年齢と共に失われていきます。結果、皮膚が薄くなり、弾力性が無くなり、お肌のシワやたるみが起こります。だから、コラーゲンのサプリメントがよく売れるのですよね。
しかし、コラーゲンには様々な「型」があり、それぞれ機能が異なります。詳しいコラーゲンの型と機能については『コラーゲン』をご参照ください。
お肌の健康にとって重要な働きをしているコラーゲンには主に2つあります。7型コラーゲンと17型コラーゲンです。
お肌老化予防・改善に必要なのは17型コラーゲン
コラーゲンとお肌老化が起こる詳しい仕組みを2019年に発見した日本人研究者がいらっしゃいます。東京医科歯科大学の西村栄美教授等です。
2019年に発表した論文の中では、お肌老化が起こるメカニズムが明らかにされています。
- お肌の幹細胞間でXVII型コラーゲン(COL17A1)が多いとお肌が若々しく保たれる
- 17型コラーゲン(COL17A1)は、加齢、酸化、紫外線などのストレスによって少なくなる
- その結果、お肌老化が起こる
そして、17型コラーゲンの量を維持するためには、「Y27632」と「アポシニン」という成分が必要であることが特定されています。
コラーゲンのサプリメントは1型コラーゲン
サプリメントで使用されているコラーゲンのほとんどは、I型(1型)コラーゲンです。
たまにIII型(3型)コラーゲンを混ぜているものがある他、関節痛のためにII型(2型)コラーゲンのサプリメントもあります。しかし、17型コラーゲンのサプリメントは見たことがありません。西村教授も、
「17型コラーゲンの市販品は存在しない」
と述べ、誤解を与えるような宣伝をしている製品に注意するよう呼び掛けています。
そうした新しい研究成果を踏まえつつ、サプリメントではなく、食事でお肌のコラーゲンを維持する方法をご紹介します。
1. コラーゲンそのものを食べる
食事からコラーゲンそのものを摂ることによって、お肌のハリが戻ったとする研究報告があります。
コラーゲン、は、動物性のタンパク質に多く含まれています。特に軟骨成分に多いと言われています。
- お肉類一般
- 鶏軟骨
- 豚足
- スッポン
- など
お肌のためにコラーゲンを摂るなら、食品から食事を通して摂ることが重要ですね。
2. 体内のコラーゲン生成に必要な成分
ただコラーゲンを多く食べたら、そのまま体内のコラーゲンが増えるわけではありません。
口から入れたコラーゲンは、一旦、胃や腸で消化分解され、再び体内でコラーゲンに造りなおされます。そのため、体内でコラーゲンを増やすためには、次の栄養素が必要になります。
亜鉛、ビタミンB6、ビタミンCについては、以前、詳しい機能とそれぞれを多く含む食品について執筆していますので、リンクを貼っておきましたのでご参照ください。シリカについては、後述します。
フルボ酸は土壌に微量に含まれている成分です。そのため、これを豊富に含む食品というものはありません。サプリメントなどもあるようですが、畑のお野菜などを食べることで自然と摂取できていると考えられます。
亜鉛・ビタミンB6・ビタミンC全てを豊富に含む食品
厚生労働省の食品成分表に基づき、3つの栄養素全てにおいて、各栄養素の1日の必要量を10%以上含んでいる食品を多い順に並べました。(1日の必要量の10%以上を含んでいる時、その栄養素を「豊富」に含んでいると表現できるとするFDA(米国食品医薬品局)の定義に沿って作成しています。)
画像にはトップ15品目しか掲載していませんが、この他にも
- 枝豆
- ネギ(あさつき)
- ピーナッツ
- ワカメ
- 自然薯(じねんじょ)
- ふきのとう
- アボカド
- たけのこ
なども、3つの栄養素を全て必要量の10%以上、豊富に含んでいます。
亜鉛、ビタミンB6、ビタミンCをそれぞれ別々の食品から摂っても、もちろん問題ありません。ただ、3つ全てを一緒に豊富に摂れたら簡単で便利だと思いましたのでご活用ください。
タンパク質・亜鉛・ビタミンB6を豊富に含む食品
ビタミンCはほぼ含んでいないものの、タンパク質と亜鉛、ビタミンB6を豊富に含んでいる食品についても表にしました。
ナッツ類からはビタミンEが摂れ、クジラ肉と馬刺しからはビタミンAも摂れます。
これらの食品とビタミンCを多く含むフルーツ等とを一緒に食べれば良いのです。
シリカ/シリコン/ケイ素
シリカは日本語でケイ素と呼ばれる希少ミネラルです。シリコンとも呼ばれます。半導体などに使われるシリコーンとは異なるものですからお間違えなく。
実は、私は「シリコン」と「シリコーン」が異なる物質とは知りませんでした。そのため、昔、缶コーヒーの原材料に「シリコン」と書かれているのを見て怖くなったことがあります(笑)
厚生労働省の食品成分表にシリカ/シリコン/ケイ素の登録がありません。そのため、各食品に含まれている正式な含有量は判りません。
上記の表とグラフを作成するにあたり、米国農務省(USDA)が参考にしている食品中のシリカ含有量を調査したベルギーの研究論文を基に、ソフィアウッズ・インスティテュートにて作成しました。
含有量と体内利用率の差がかなり大きい食品があることが判ります。
日本のシリカ/シリコン/ケイ素の情報サイトの情報は信用できない
シリカ含有量について調べていた時、日本語で書かれたシリカに関するネット情報もいくつか目にしました。その多くが、ひえ(稗)、あわ(粟)、ジャガイモ、トウモロコシ、ゴボウ、海藻類にもシリカが多く含まれていると記載しています。どのサイトも内容がほぼ同じなので、たぶん、どこかひとつのサイト情報をコピペして利用していることが窺えす。
しかし、どれもデータ出所の記載がなく、含有量の掲載もありません。ただ「多い」と書かれているだけなので、どれくらい多いのか、また、信用できるのか不明です。
かろうじて2社のサイトには、含有量の記載がありましたが、データ出所の記載がありませんでした。また、ベルギーの研究報告の数値とは一桁くらい相違のある数値が記載されていたため、その2社にデータ出所と量の正確性について問い合わせてみました。すると1社から次のようなお返事をいただきました。
「改めてデータ出所を社内で確認したところ不明でしたので
ホームページでの掲載を取り止めます」
もう1社からは、数か月経った今もお返事をいただけていません。
そのため、日本のシリカに関するサイトの情報は、現状では、いずれも鵜呑みにしない方が賢明でしょう。
ただ、ベルギーの研究によって玄米や全粒小麦やシリアルにシリカが含まれていることを考慮すると、ひえ(稗)とあわ(粟)に含まれている可能性は高いと思います。が、「多い」かどうかまでは判りません。
コラーゲンの生成を促す最強食品
上記の研究データを基にすると、コラーゲンの生成を促す栄養素の中で、フルボ酸を除き、亜鉛、ビタミンB6、ビタミンCを豊富に含み、かつ、シリカ/シリコン(ケイ素)を含んでいる最強お肌老化予防・改善食品は次の食品に絞られます。
- ホウレン草
- ネギ
簡単に手に入って、お料理に直ぐ使えるので助かりますね!
また、出所もデータの信ぴょう性も不明なものの、もし本当にシリカが含まれているとしたら、次の2つも亜鉛、ビタミンB6、ビタミンCを豊富に含んでいます。
- わかめ
- あおのり
更に、ビタミンCを他の果物から食べることにすれば、次の3つもお勧めです。
- 玄米
- 小麦(全粒粉)
- コンビーフ(牛肉)
アポシニンを含む食品
また、お肌老化と関係している17型コラーゲン(COL17A1)を増やには、「Y27632」と「アポシニン」が必要であることが西村教授グループによって特定されています。
Y27632は食品から得ることのできない成分なので、ここでは、アポシニンを多く含む食品についてのみお伝えします。
アポシニンは、19世紀のドイツで、バシクルモン/アメリカアサ(Apocynum cannabinum)の根から発見された成分で、20世紀に入ると、肝臓や心臓病の自然療法薬として用いられるようになりました。なお、アポシニンの名前の由来となったアポシナムは、「犬の毒」という意味があり、犬が食べると死んでしまそうですからご注意ください。
次の食品からアポシニンが検出されたとする研究報告があります。
- 胡黄連(こおうれん、生薬)
- Katuki(アーユルヴェーダの生薬)
- 羅布麻茶(ラフマ茶、ヤンロン茶)
- かつお出汁
しかし、それぞれどれくらい含まれているか記載された研究を見つけることはできませんでした。
この中で、日常生活の中で取り入れやすいものは、かつお出汁ではないでしょうか。
西洋人と比べて、日本人が若く見える理由には様々あるのでしょうが、「かつお出汁」もその理由のひとつかもしれませんね。和食最強です。
また、ラフマ茶は、ハーブの専門店などで購入できます。胡黄連とKatukiもネットなどで購入できますが、生薬ですからあまり気安く口にしない方が良いでしょう。
胡黄連とセンブリ
なお、胡黄連は、イランから中国を経て飛鳥時代の日本に伝来した生薬だったことから、当時は非常に高価でした。そのため鎌倉時代に入ると、胡黄連とは異なる植物で成分も同じではないものの、肝臓の機能を回復されるという効果が同じだったことから「センブリ」が代用品として用いられるようになったとのことです。
「センブリ」は便秘薬としてドラッグストアで簡単に購入できるものですが、便秘でもないのに飲んで楽しくも美味しくもありませんし、アポシニンの代わりをするかどうかも、そうした研究がないので不明です。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
今回、ご紹介した食品の顔ぶれをみて、日常生活の中に取り入れられる簡単な方法で私が思いつくのは、
玄米ご飯とお味噌汁(かつお出汁+大豆)
です。そこにネギを散らしたり具にしたり、ホウレン草のお浸しなどあれば最高ですね。
お味噌汁の素晴らしさについては、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースの中でも様々なテーマでご紹介していますが、若々しいお肌を維持するのにも最強だということが判って、益々、一汁三菜の「一汁」の大切さを実感します。
他にもいろいろ今回ご紹介しましたので、そうした食品を上手に取り入れながら、バランスよくお食事をするだけで、お肌老化が予防できるのなら簡単です。
ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを教えています。
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参考文献
- “Silicon in Foods: Content and Bioavailability”, Harry Robberecht ,Kristien Van Dyck, Douwina Bosscher, Rudy Van Cauwenbergh, Volume 11, 2008 Issue 3, Pages 638-645, International Journal of Food Properties, 01 Aug 2008
- “Stem cell competition orchestrates skin homeostasis and ageing”, Nan Liu, Hiroyuki Matsumura, Tomoki Kato, Shizuko Ichinose, Aki Takada, Takeshi Namiki, Kyosuke Asakawa, Hironobu Morinaga, Yasuaki Mohri, Adèle De Arcangelis, Elisabeth Geroges-Labouesse, Daisuke Nanba, Emi K. Nishimura, 03 April 2019, Nature volume 568, pages344–350 (2019)
- 「Y-27632」、STEMCELL Technologies、サポート試薬、株式会社ベリタス
- 「ヤンロン茶 羅布麻茶」、西山和夫准教授、食品機能化学講座、宮崎大学農学部応用生物科学科
- 「胡黄連(コオウレン)」平成29年7月10日号、株式会社ウチダ和漢薬
- 「かつおだし及びその原材料等の抗酸化能発現に関する研究」、根來宗孝,香西彩加,澤村弘美,榎原周平,渡邊敏明,前川隆嗣、2020年10月8日、微量栄養素研究第37集、pp33−37(2020)、日本微量栄養素学会
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング