バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
鎌倉時代と平安時代の縁起粥
七草は、早春にいち早く芽吹くことから邪気を払う縁起物といわれ、鎌倉時代ころから、無病息災を祈ってお粥に入れて食べ始められたと言われています。
それより以前の平安時代には、七草ではなく七種の穀物(むぎ、米、きび、あわ、ひえ、ごま、あずき)をお粥にして食べていたそうです。
実は、この七穀に“黒”を付け加えると私の主食になります。
押し麦、玄米、黒米、きび、あわ、ひえ、小豆/蕎麦の実でご飯を炊いています。炊きあがった後、黒ゴマをふりかけることも多いです。
七草の縁起
上の写真の鉢植えは、江戸川区の真利子農園さんの無農薬七草です。Atelier 1011さんで購入しました。
それぞれの縁起(謂れ)は次の様に考えられています。
- セリ …競り勝つ
- ナズナ …なでて汚れをはらう
- ゴギョウ …仏体
- ハコベラ …繁栄がはびこる
- ホトケノザ…仏の安座
- スズナ …神様を呼ぶ鈴
- スズシロ …汚れのない純白さ
七草粥は、縁起をかついで昔は草を刻む回数も決められていて、それにはおまじないの意味もあったようです。
おまじないの効果だけでなく、ちゃんと薬膳としての効果もあるんですよ。
年末年始の食事で疲れた胃腸に優しいお粥です。作ってみませんか?
七草の効果
可食部100g中に、1日の必要量の10%以上を、茹でた後でも含んでいる栄養素を記載にしています。(米国FDA(食品医薬品局)は、1日の必要量の10%以上を含んでいる時、その栄養素が「豊富」と定義しています。)
セリ(芹)
豊富な栄養素|カリウム、鉄分、銅、マンガン、ビタミンA、E、K、ビタミンB群(B2、B6、葉酸、ナイアシン)、ビタミンC
鉄分、銅、葉酸が豊富に含まれているため、造血作用が期待でき、血脈を整え、貧血や神経痛、通風、リウマチに効くと言われています。茹でてもビタミンCを豊富に維持していることから、熱を冷まし、痰を取り、風邪の諸症状に効くと考えられています。
更年期の症状を和らげ、肝機能の回復効果があるとされています。カリウムが豊富なので利尿作用があり、むくみ解消に効果が期待できます。その他、健胃効果、食欲増進作用があります。
それぞれの栄養素の詳しい機能については、『カリウム』『鉄分』『銅』『ビタミンA』『ビタミンE』『ビタミンK』『ビタミンB群』『ビタミンC』をご確認ください。
ナズナ(薺)
豊富な栄養素|カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄分、亜鉛、マンガン、ビタミンA、E、K、ビタミンB群(B12を除き全て)、ビタミンC
厚生労働省の食品成分表には生の状態での栄養量しか掲載がないため、茹でた後にそれぞれの栄養素がどの様に変化するかは不明ですが、生の状態では、ほぼ全ての主要ミネラルと主要ビタミンを豊富に含んでいる、スーパーハーブです。
マルチビタミン&ミネラルのサプリメントを飲むよりもずっと効果的なハーブですね。
葉を乾燥させてハーブティとしていただくと便秘やむくみ解消、解熱効果があり、洗眼にも使用されてきたとのことです。また、若葉の青汁は動脈硬化を予防するとも言われています。
詳しい機能については『マグネシウム』『亜鉛』をご確認ください。
ゴギョウ(御形)
厚生労働省の食品成分表に登録がないため、含まれている栄養素については正式には不明です。
しかし、咳やのどの痛みを和らげる効果があり、せき止め、気管支炎予防、扁桃腺炎予防になると考えられています。葉を乾燥させてハーブティとして飲んでも、咳、痰の解消に役立ちます。
しかし摂り過ぎると、胃痛、胸やけ等の副作用があるそうですから、飲み過ぎにご注意ください。
ハコベラ(繁縷)
厚生労働省の食品成分表に登録がないため、含まれている栄養素については正式には不明です。
しかし、胃腸の疲れを取って、歯槽膿漏を予防し歯茎の出血を止める薬として、古くから使われている薬草です。また、母乳の分泌を促すと言われています。利尿作用によってむくみの解消効果があると考えられてきたハーブなので、きっとカリウムが豊富なのではないでしょうか。
ホトケノザ(仏の座)
厚生労働省の食品成分表に登録がないため、含まれている栄養素については正式には不明です。
高血圧を予防して、胃腸の働きを整え、健胃効果、食欲増進効果があると考えられています。また、解熱作用もあると言われています。
スズナ(菘、蕪)
豊富な栄養素|カリウム、葉酸、ビタミンC
アブラナ科のお野菜なので、がん予防に高い効用があると考えられています。消化を助けるジアスターゼを含み、健胃効果、食欲増進効果があると考えられています。これらは、蕪の根の部分の機能ですね。
また、リラクセーション効果や心の安定効果もあると言われていますが、きっとこれは、生の蕪の葉に含まれているマグネシウムとセレンのお陰です。加えて、そばかすの予防効果があると言われていますが、これも茹でても減らない葉のビタミンCの効果ですね。
蕪は、葉っぱも一緒に食べた方が良いことが判ります。
詳しい機能については『セレン』をご確認ください。
蕪(かぶ)の葉の栄養素
カルシウム、鉄分、銅、マンガンが茹でても豊富に含まれています。生のままであれば、カリウム、マグネシウム、セレン、クロム、モリブデンなどの希少ミネラルも豊富に摂れます。
ビタミンでは、ビタミンA、E、K、ナイアシン、B6、葉酸、ビタミンCを茹でても豊富に含んでいます。生のままであれば、加えて、ビタミンB2も摂れます。
詳しい機能については『カルシウム』『クロム』をご確認ください。
蕪の根の栄養素
カリウムと葉酸を豊富に含んでいます。皮をむいて茹でてもこの2つを豊富に含んでいます。
スズシロ(蘿蔔、大根)
豊富な栄養素|カリウム、モリブデン、葉酸、ビタミンC
アブラナ科のお野菜ですから、がん予防に高い効用があると考えられています。蕪と同様に消化を助けるジアスターゼが豊富なので、健胃効果、食欲増進効果があります。
また、せき止め、気管支炎予防、扁桃腺炎予防、ひび、あかぎれ予防に使用されます。大根の汁を飲むと喉の渇きを止める効果があり、塗ると打撲や火傷の鎮静に効果があります。
大根の葉の栄養素
カルシウム、鉄分、ビタミンA、E、K、B6、葉酸、ビタミンCが茹でても豊富に含まれています。生でたべたら、加えて、カリウム、ビタミンB2とナイアシンも豊富に摂れます。
大根の根の栄養素
皮をむいても、茹でても、大根の根には、カリウム、モリブデン、葉酸、ビタミンCが豊富に含まれています。モリブデンは、ミネラルの代謝などに関わっています。
七草がゆの作り方
【材料】 ご飯(1杯)、水(ご飯の5倍)、塩少々、お酒少々、七草
基本の作り方
- 七草をさっと下茹でして、冷水にとった後、水気を切り、小さく切って、お酒をふっておく。
- 鍋にご飯、水、塩を入れて、お粥になるまで、中火で煮る。
- 七草を混ぜて、できあがり。
アレンジ作り方
- お粥を一旦、ザルに入れて、流水で洗い、粘り気をとる。
- 鍋に出汁を入れて沸騰させ、そこに、お粥と七草入れる。
さらっとしたお粥になります。
まったくの余談ですが、ドイツのフランクルト市にも七草料理があります。詳しくは『フランクフルトの七草ソース』をご覧ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
統合食養学は、季節と共に生きること、土地と共に生きることを勧めます。
日本に住む私達は、日本の風土から生まれた、この季節のお料理を食べることで、季節と土地と調和して健やかに暮らすことができると考えます。
単なる行事としてでも構いません。
七草の意味を考えながら、自然の恵みに感謝していただきたいですね。
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