バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
咲いてるタンポポの8割は外来種
3月頃から咲き始めるタンポポ。
タンポポって全部同じだと思っていましたが、日本で咲いているタンポポには、日本タンポポと西洋タンポポがあることを知りました。
見分け方は、「総苞片(そうほうへん)」と呼ばれる花びらの付け根の部分の向きなんだそうです。
『田舎センセイによる田舎暮らしでの悩み解決情報サイト』に掲載されていたお写真をお借りしてご覧いただいています。
そして、なんと私達が普通に目にしているタンポポの80%以上が、西洋タンポポなんだそうです。
というのも、西洋タンポポは、3月から10月という半年以上の長期間に渡り、繰り返し咲くのだそうですが、日本タンポポは3月から5月という比較的短い期間に1回咲いたら終わりなんだそうです。
外来種の生命力の強さに比べて、日本古来種のなんと儚(はかな)いことか・・。
西洋タンポポは、日本の侵略的外来種ワースト100に含まれているのだそうです。
「♪可愛い顔してあの子、割とやるもんだね~と」という昔の歌の歌詞が脳裏に浮かびます(笑)
でも、西洋タンポポは、様々な国で薬草として活用されてきました。
特に、中国の中医学、インド伝統医療のアーユルヴェーダ、中東地域の伝統医療ユニナ、西欧の代替医療として、消化機能や肝機能の改善やリウマチ薬として用いられてきました。
そのためか、この西洋タンポポの薬草としての働きについては、多くの研究がなされています。
裏付けとなっている研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
西洋タンポポの栄養価
厚生労働省の食品成分表には「たんぽぽ」の登録がありません。
アメリカ農務省(USDA)のデータベースには、西洋タンポポの「葉」の栄養データの掲載がありましたが、「花」や「根」の掲載はありません。
そこで、USDAのデータに加えて、Pub med で見つけた西洋タンポポの栄養成分に関する数少ない研究による数値を確認することにしました。
その結果、西洋タンポポの栄養価や成分は、葉、花、根、で共通した成分もありますが、大きく異なることが判りました。そのため、タンポポの栄養価や機能について書かれた記事を読む際には、それが、タンポポの葉のことなのか、花のことなのか、根のことなのかを確認することが大切ですね。
今回は、葉、花、根に分けて、それぞれの栄養価と機能についてお伝えし、最後に、タンポポローションの紫外線予防効果を検証した研究に基づく、従来とは異なるローションの新しい作り方をご紹介します。
西洋タンポポの葉の栄養素と成分
100g中に含まれている栄養素の量が1日の必要量の10%以上含まれている場合、その栄養素は「豊富」であるとFDA(米国食品医薬品局)は定義しています。
その基準をクリアしている栄養素を赤色にしています。
また、USDAのデータベースに記載されている数値の中には、西洋タンポポの実際の数値ではなく、「類似した食品の数値から類推した数値」が含まれていることから、その項目をブルーに、その中で、100g中に含まれている栄養素の量が1日の必要量の10%以上の場合、紫色にしました。
ネット上には、西洋タンポポにはビタミンA、ビタミンE、ビタミンKが豊富と記載されている記事が多いのですが、少なくともUSDAに掲載されているこの3つのビタミンの数値は、実際の西洋タンポポの数値ではなく、類似した食品の数値からの類推値なので、USDAのデータだけで「豊富」と断定するのは難しそうです。
そのため、Pub med で見つけた西洋タンポポの栄養成分に関する研究論文を参考に補足することにしました。
タンポポの生息している地域によって、栄養成分の含有量が大きく異なることが判ります。
例えば、ビタミンCは、ブラジルのタンポポには含まれていないようですが、インドのタンポポには「豊富」に含まれています。
また、ビタミンAは、確かに葉に含まれてはいるようですが、USDAが類推するほど「豊富」ではなさそうです。一方で、ビタミンEは、確かに「豊富」と言って良さそうですね。なお、ビタミンKは、どちらの研究でも調べられていないので、USDAの類推が適切かどうか分かりません。
加えて、ロシアで採取された西洋タンポポの葉からは、次のフェノール類(抗酸化成分)が検出されたことが報告されています。
- チコリ酸
- クロロゲン酸
- クリプトクロロゲン酸
- カフェイン酸
- シナピック酸
- 3,4-ジメトキシ桂皮酸
特に、チコリ酸とクロロゲン酸が最も豊富に含まれていたとのことです。チコリ酸は多くの漢方薬に含まれている薬効成分です。また、他の研究論文では、葉にケルセチンが含まれていると報告しているものがありました。
西洋タンポポの花の栄養素
USDAのデータベースにはタンポポの花の掲載がありません。しかし、今回見つけた研究論文の中に、花のポリフェノールやフラボノイドの含有量を調べたものがありました。そうした論文の共通の結論は、葉よりも花にポリフェノールとフラボノイドが豊富に含まれているということです。
具体的には、花からは25種類のフェノール類と、27種類のフラボノイドが検出されたと報告されています。
また、花にルテオリンが豊富に含まれていると報告している研究論文がありました。ビタミンAは葉ではなく、花の方に「豊富」なのかもしれませんね。
また、花にはタンパク質と食物繊維も含まれていることから、エディブルフラワーとしての価値があるとしている研究論文もありました。
西洋タンポポの根の栄養素
西洋タンポポの根の栄養成分については、詳細な研究論文を見つけることはできませんでした。しかし、根の抽出物の薬用作用については、多くの研究論文を見つけることができました。
西洋タンポポの根には、カフェイン酸、チコリ酸、多糖類、イヌリンやβ-シトステロールという薬効が認められている成分が多いとのことです。
西洋タンポポの機能
骨粗鬆症予防
葉には、骨の代謝に関わっている、『カルシウム』、『マグネシウム』、『カリウム』、マンガンが豊富です。
それぞれのミネラルの詳しい機能についてはリンクをご確認ください。
貧血予防
『鉄分』と『銅』などヘモグロビンが正常に働くために必要なミネラル、そして健康な赤血球に必要な『葉酸』が葉には豊富です。
それぞれのミネラルとビタミンの詳しい機能についてはリンクをご確認ください。
筋肉痛予防と改善
葉には、筋肉の正常な収縮と弛緩に関与しているカルシウムとカリウムが豊富です。
認知症予防
脳神経の保護に関与している銅、中枢神経にとって必要な鉄分などのミネラルが葉に豊富です。
情緒の安定
葉に豊富に含まれているカルシウム、マグネシウム、銅、『セレニウム』などは私達の情緒と関係する神経伝達物質です。
冷えの予防と改善
葉に豊富に含まれている『ビタミンE』には血管拡張作用があり、血行が促進されることで冷えの改善が期待できます。また、ミトコンドリアでのエネルギーの産生に関与しているマグネシウム、銅などのミネラルが豊富です。
高血圧予防と改善/利尿作用
葉に豊富に含まれているカリウムには体内のナトリウムを排出する働きがあり、ビタミンEの血管拡張作用によっても血圧を下げることに寄与します。
また、葉に含まれているサポニンというポリフェノールには利尿作用があります。そのため、カリウムに頼ることなく、ムクミや血圧の上昇を予防改善することに役立ちます。また、亜鉛は腎機能を助けます。
ダイエット効果/体脂肪燃焼
葉に豊富に含まれているビタミンB群(『B2』、『B6』)は正常なエネルギー代謝にとって重要なビタミンです。
また、西洋タンポポの根に含まれているカフェイン酸とクロロゲン酸が体脂肪の減少に有効であり、体重と肥満を改善することが示されています。特に、クロロゲン酸は、カフェイン酸よりも体重減少と脂質代謝に対して、より強力だったと報告されています。
具体的には次の数値を大幅に低下させました。
- 内臓脂肪量
- 中性脂肪(血液中、肝臓、心臓)
- コレステロール(血液中、脂肪細胞、心臓)
- インスリン
- 体重
- 血漿レプチン(脂肪細胞から分泌される満腹ホルモン)
一方で、血液中のアディポネクチン(脂肪細胞から分泌される長寿ホルモン)の量は上昇しました。
コレステロールや中性脂肪が減少するので、ダイエット効果だけでなく、血管にとっても良く、心疾患予防になります。
糖尿病予防と改善
タンポポの根に含まれているカフェイン酸、チコリ酸、タラキサステロール、クロロゲン酸、セスキテルペンラクトンは、抗糖尿病特性がある生理活性化学成分です。
これらの成分は、すい臓によるインスリンの産生を促し、筋肉組織によるブドウ糖の吸収と活用を促すことが示されています。その結果、インスリン抵抗性が改善し、血糖値の上昇が抑制されます。研究者は潜在的な糖尿病薬として期待できるとしています。
また、タンポポの根に含まれている水溶性食物繊維で非消化性炭水化物のイヌリンは、体内の老廃物だけでなく、余分な糖も吸着し、排出を促してくれます。
タンポポの葉にも、チコリ酸とクロロゲン酸が多く含まれています。また、インスリンの成分のひとつとなる亜鉛も含まれています。
消化に関わる胃・腸・すい臓の保護
西洋タンポポの消化管保護作用に関するメタ分析の結果、西洋タンポポには次の疾患に対する薬理作用があることが報告されています。
- 消化不良
- 胃食道逆流疾患
- 胃炎
- 小腸潰瘍
- 潰瘍性大腸炎
- 急性膵炎
- 消化管悪性腫瘍(消化管のがん)
これらの薬理作用の元となっているのが、次の成分とのことでした。
- 葉|カフェイン酸、チコリ酸、クロロゲン酸
- 花|ルテオリンとそのグルコシド
- 根|カフェイン酸、チコリ酸、多糖類、イヌリン、β-シトステロール、タラキサステロール、タラキセロール
大腸がん予防/改善?
タンポポの葉と根に多く含まれているイヌリンは、水溶性食物繊維で非消化性炭水化物です。体内の老廃物や糖を吸着し、排出を促します。便秘が改善され、大腸がん予防になります。
それに加え、タンポポの根に豊富に含まれているテルペノイドと多糖類は、無毒で効果的な抗がん剤の代替品になる可能性があると研究者は述べています。
西洋タンポポの根の水抽出物を用いた研究では、正常細胞への毒性は確認されず、大腸がん細胞を48時間以内に95%死滅させたことが報告されています。また、ヒトの大腸がん細胞を移植したマウスに根の水抽出液を経口摂取させた際には、がん細胞の成長を90%遅らせることができたことも報告されています。同時に、がん細胞のアポトーシス(細胞死)に関与する遺伝子の発現が確認されています。
この実験で用いられた根の水抽出物には、次のような既に薬理活性が確認されている成分が含まれていたとのことです。
- α-アミリン
- β-アミリン
- ルペオール
- タラキサステロールなど
肝疾患の予防と改善
西洋タンポポからは、肝臓疾患の予防と治療に効果が実証されている、抗炎症作用や抗酸化作用を持つ、次の植物性化学物質(ファイトケミカル)が検出されています。また、根のエタノール抽出成分には急性肝不全の予防的効果があることが証明されています。
- 葉と根|カフェイン酸とチコリ酸
- 根|フェルロイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸異性体
生理痛/PMSの改善と妊活・妊娠サポート
マグネシウム、カルシウム、鉄分などのミネラルは、PMSや生理痛などの症状の予防と緩和に役に立ちます。亜鉛は、性ホルモンの合成に関与しています。
ビタミンEには、生殖機能をサポートする働きがあります。葉酸は胎児の成長に欠かせないビタミンです。そして、カルシウムには子癇前症を予防する働きがあり、鉄分には早産や死産を予防する働きがあります。
なお、タンポポの根の成分が、乳腺を刺激して母乳の出をよくすると言われてきましたが、それを裏付ける有効な臨床試験(ヒトを対象とした研究)は存在しません。また、母親がタンポポを飲食しても、母乳からはタンポポの成分は検出されていないとのことです。
そのため、米国のFDA(食品医薬品局)は、西洋タンポポを食用として一般的に安全と認めていて、また授乳中の母親が飲食しても乳児に影響することはほぼ無いとしています。
美肌/美髪作用
ビタミンEは抗酸化ビタミンです。銅はコラーゲンの合成を助け、亜鉛は美肌と美髪に欠かせないミネラルです。葉酸もまた細胞の再生に欠かせません。
西洋タンポポの葉と花の抽出物を、紫外線(B波)の照射前または直後に細胞に添加すると、次のような作用によって、紫外線によるダメージから細胞が保護されたことが報告されています。
- メタロプロテイナーゼの活性と活性酸素種の生成の阻害
- グルタチオンとグルタチオン還元酵素の遺伝子発現の増加
- 紫外線(B波)の吸収
メタロプロテイナーゼは、細胞の再構築などに関与している酵素です。また、グルタチオンは強力な抗酸化物質で、お肌で不足すると肌荒れが起こることが知られています。
ただし、根の抽出物には紫外線によるダメージ修復作用は無かったとのことです。根は地中にあるので、紫外線に直接さらされることが無いので、そうした成分をもっていなかったとしても不思議はないですね・・。
また、面白い研究を見つけました。
西洋タンポポを細かく粉砕し圧力鍋で炊いた後、乳酸菌を加えて発酵させ、その後、遠心分離して液体を採取し、それを紫外線(B波)で炎症を起こした皮膚に塗布すると、炎症を起こした皮膚の修復に効果があることが報告されています。
これはキッチンでも作れそうなので、論文に記載されていた作り方を後で記載します。
抗炎症作用
根に多く含まれているタラキサステロールは、抗炎症成分です。そのことから、中医学では炎症性疾患の治療に古くから用いられてきました。
詳しいメカニズムは不明ですが、タラキサステロールが、免疫細胞(マクロファージ)による自然免疫にとって重要なインフラソーマを活性化させると考えられています。
細胞実験では、タラキサステロールが、サイトカイン(炎症性物質)の放出を抑制することが観察されています。また、マウスを用いた研究では、タラキサステロールがニゲリシン(抗生物質)によるミトコンドリアの損傷を軽減し、細菌感染によるマウスの生存率を改善したことが示されています。
耐性菌の耐性の逆転
細菌がヒ素や鉛やカドミウムなどの金属と接触すると、抗生物質耐性が生まれることが分かっています。体内に重金属が蓄積していると、感染症にかかった時、抗生物質が効かない可能性が高くなるということです。
抗生物質に対して耐性を獲得した細菌にタンポポの水抽出物(タラキサステロール)を与えると、耐性が失われることが観察されました。
高濃度のヒ素、ニッケル、カドミウム、銅は、大腸菌の増殖を抑制しますが、低濃度のヒ素、ニッケル、カドミウムは、増殖を止めることなく、更に、抗生物質(カナマイシンとアンピシリン)に対する耐性を生じさしまうことが証明されました。
しかし、タンポポの抽出物(タラキサステロール)を与えると耐性を失わせることができることが報告されています。すごいです。
タンポポの楽しみ方
タンポポを食べるには、タンポポを入手しなければなりませんが、その際、無農薬で栽培されたタンポポを探しましょう。
天然のタンポポなら、土壌汚染されていない場所で育ったものであることを確認することをお勧めします。牧場などの自然な環境で育ったものや自然食品を扱っている店で購入すると安心です。もちろん、除草剤など使わずにご自宅の庭で育てるのが一番安心ですが・・。
若葉
強い苦味があるので、数時間、水にさらしてあく抜きをしましょう。葉の中心にある筋は取り除きます。
サラダ、シチュー、スープ、スパゲッティの具、炒めものなどに使うことができます。
苦味が強すぎると感じる場合のアイデア
- 塩を加えて2~3分間湯がき、ホウレン草やスイスチャードと一緒に混ぜてお浸しに
- パイナップルと一緒に炒めものに
- バジルと一緒にペスト(パスタソース)に
- オレンジやレモンを使ったドレッシングと一緒に
若葉のハーブティ
- フレッシュな若葉・・・小さじ2~3杯
- 熱湯・・・250ml
若葉に熱湯を注ぎ10分間抽出して濾して飲みます。
花
タンポポの花のハーブティ
- フレッシュなお花・・・小さじ2~4杯 または
- ドライなお花・・・小さじ1~2杯
- 水/熱湯・・・250ml
お花に熱湯を注いで5分~10分おいてから濾して飲みます。
または、お花とお水を鍋に入れて沸騰させた後、弱火で5分~10分煮て、火を止め、更に5分~10分おいてから濾して飲みます。
タンポポの花のシロップ
- 水・・・1リットル
- 新鮮なタンポポの花・・・1リットルの水で隠れるくらい(2カップくらい)
- 砂糖・・・425g
- 材料を全てお鍋に入れて沸騰させ、約15分~25分ほど弱火で煮ます。
- 全体が200ml(5分の1)くらいになるまで煮詰める
- 砂糖を加えて、砂糖が解けるまで弱火で煮る
ガラス瓶に入れてしっかりと蓋をします。冷蔵庫保管すると数年間保存できます。
濃いシロップにしたい時には、1.の後、更に、新鮮なお花を追加してから200mlになるまで煮詰めます。
ただし、砂糖が使われているので、糖尿病予防や改善のためには使用できません。
根
根は秋に甘味が増すとのことなので、根をサラダで食べるなら10月頃のタンポポが狙いめかもしれませんね。
タンポポの根も次の様に使うことができます。
- 生のまま細くスライスしてサラダに
- 乾燥させて粉末にしてスパイスとして
- 乾燥させてハーブティに
- 乾燥したものを焙煎して/炒ってコーヒーに
- アルコールと一緒にチンキに
タンポポコーヒーには、カフェインは含まれていません。甘味のあるフレーバーが特徴です。
タンポポの根(生)のチンキ
- フレッシュな根・・・100g
- 95%アルコール・・・200ml
フレッシュな根は、5mmにスライスし、2~3cmの長さにします。
95%の飲用アルコールは日本では手に入らないと思うので、消毒用アルコールを用いることになるのが現実的だと思います。そのため、生の根でチンキを作る時には、外用としての使用に限られます。飲んではいけません。
根とアルコールをガラス瓶に入れ、根が全部アルコールに浸かっていることを確認して、蓋を締め、2~4週間冷暗所で保管します。濾して、別のガラス瓶に入れ替えて保存します。
タンポポの根(乾燥)のチンキ
- ドライな根・・・100g
- 60%アルコール・・・500ml
根とアルコールをガラス瓶に入れ、根が全部アルコールに浸かっていることを確認して、蓋を締め、2~4週間冷暗所で保管します。濾して、別のガラス瓶に入れ替えて保存します。
でも・・
タンポポの根はアルコールでチンキにするより〇〇した方が良い理由
今回、タンポポの効果や作用を調べている研究論文の多くが、根の水抽出物(煮だした水)を用いていることを考えると、アルコール抽出ではなく、ハーブティやコーヒーにして飲む方が、タンポポに関しては、効果が得られるのではないかと思いました。
また、エタノール抽出を用いていたのは急性肝疾患の研究ですが、エタノール(アルコール)で抽出した薬効成分のみを用いています。しかしキッチンでは、アルコールで抽出したチンキから薬効成分だけを採取することはできないので、アルコールも一緒に飲むことになってしまいます。それでは、肝疾患の予防にはなりません。やはり、タンポポの根はハーブティかコーヒーがいいのではないでしょうか・・。
タンポポを食べる時の注意点
食用のタンポポは一般的に安全だとされていますが、次に該当する人は注意が必要です。
キク科の植物にアレルギーがある人
キク科の植物にアレルギーがある人の中にはタンポポにもアレルギー反応が起こる可能性があることが報告されています。キク科の植物とは、ブタクサ、ヒナギク、マリーゴールド、キク、キンセンカ、ステビア、タンジー、ノコギリソウなどです。
そうではない人もアレルギー反応が起こる可能性がありますから、少量から始めて体の声を聴きながら、量を少しずつ増やしていくことをお勧めします。
医薬品を服用している人
処方薬、特に、抗生物質や利尿剤を服用している場合、好ましくない副反応が起こる可能性があるため、タンポポを口にする前に、医師、薬剤師にご相談されることをお勧めします。
紫外線ダメージを修復する化粧水の作り方
論文に記載されていた方法は次の通りです。
- タンポポを細かく刻む
- タンポポ1カップに対して精製水20カップの比率で圧力鍋で炊く
- 室温まで冷やす
- 乳酸菌プランタルムを5%の割合で混ぜる
- 28℃で48時間発酵させる
- 30分間、遠心分離する
- 上水を採取する
カップ20杯分の水というのは、かなりの大鍋を使わなければ難しいので、例えば、1:20の比率を維持すると、タンポポ1/4カップに水5カップくらいの方が家庭のキッチンでは扱いやすいのではないかと思います。
タンポポのどこを使う?
論文には「タンポポ」としか記載がなく、タンポポのどの部分を使用したかの記載がありませんでした。しかし、上でご紹介した紫外線によるお肌炎症についての他の研究が、タンポポの花と葉には効果があったものの、根には紫外線によるダメージ修復効果は無かったと報告していますので、葉と花を使用するのが良いのではないでしょうか。
乳酸菌プランタラムとは?
乳酸菌プランタルムは、植物性の発酵食品に多く含まれている乳酸菌です。
サプリメントとして入手可能ですが、発酵させるためには乳酸菌プランタルムだけが必要なので、サプリメントに含まれている「その他の成分」が邪魔です。
そのため、発酵用の乳酸菌プランタルムを使用されることをお勧めします。
ただ、ソフィアウッズ・インスティテュートの勝手な意見ですが、生きた乳酸菌であれば、プランタルムでなくても大丈夫かもしれないと思うのです。ですから市販の入手可能な発酵用の乳酸菌で良いのではないかと思うのです。
なお乳酸菌プランタルムを含め、お肌トラブルに良い作用をもっている菌については『慢性的なお肌トラブルのレスキュー隊員』をご参照ください。
遠心分離?
キッチンに遠心分離機があるお家はあまりないと思います。なので、ナッツミルクなどを作る時に使うナッツミルクバッグや、チーズを作る時に使うチーズクロスなどを利用しましょう。液体を濾すことができれば何でも良いと思うのです。
採取した液体は蓋ができるガラス瓶へ移し、冷蔵庫保管して、できるだけ早く使いましょう。
ご使用上の注意事項
敏感肌の人が、タンポポを含む治療によって、接触性皮膚炎を発症したという事例が報告されていますので、敏感肌の人とアレルギー性皮膚炎をもっている人は、腕の内側で少量を試してから使用することをお勧めします。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
タンポポをご自宅の庭で育ててみたくなりましたか?
私はかなりなりました(笑)
それで実家の近くの公園にたくさん咲いているタンポポを確認してみたら、なんと日本タンポポでした!「総苞片(そうほうへん)」が閉じています。
薬草にするなら、西洋タンポポの方が良かったのでしょうが、絶滅危惧種に近い日本タンポポがこんなにたくさん咲いていることに感動!まだまだ私の田舎は顕在ですね(笑)なんだか誇らしい。
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参考文献
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- “Dandelion greens, raw”, Data Type:SR Legacy Food, Category:Vegetables and Vegetable Products, FDC ID: 169226, NDB Number:11207, USDA
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