バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
10月は乳がん予防月間
10月1日は、ピンクリボンデーです。そして、10月は乳がん予防月間です。
予防医学の権威ジョエル・ファーマン医師がご自身のブログで乳がん予防策を公開されていました。
ファーマン先生は、私が公認ヘルスコーチの資格を取得したニューヨークの学校(IIN)の講師のおひとりで、大好きな先生です。
ファーマン先生がお勧めされている乳がん予防策に、ソフィアウッズ・インスティテュートからの追加情報を加えながら、乳がん予防のための食とライフスタイルについて、2回に渡ってお伝えします。
今回は、その第1回目です。
なお、ファーマン先生は予防策の裏付けとなる多くの参考文献をつけてくださっています。裏付けの研究論文にご興味がある方は、ファーマン先生のブログを直接ご確認ください。ここでは割愛します。もちろん、ソフィアウッズ・インスティテュートが直接参考にした研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
乳がん予防のための10の戦略
ここで示す戦略は、「どれかひとつクリアしていればOK」というものでは決してありません。生活の中に、人生の中に、取入れた項目が多いほど予防効果は高まります。
乳がんは、主に女性に発症するがんです。日本人女性の罹患数第1位のがんです。
また、乳がんには様々な種類があり、それぞれ多くの要因が複雑に関係している病気です。要因ごとのそして治療の種類ごとの詳しい食事療法については、認定ヘルスコーチ対象のエキスパート講座で教えていますが、ここでは、予防の基本戦略をお伝えます。
幸運なことに、食事を含めたライフスタイルを改善することで、乳がんに限らず、様々な病気の発症リスクを最小限に抑えることができます。
ここでお伝えする10の食とライフスタイル戦略は、きっと、乳がんだけでなく他の病気からもあなたを守ることにつながります。
戦略1| 野菜中心の食事をする
G-BOMBS(緑の爆弾)となる野菜中心で高栄養価の食事をすることが大切です。
植物性化学栄養素(ファイトケミカル)の濃さと種類の多さが、がん予防にドラマチックなくらいの予防効果を生みます。特に、緑色の野菜とキノコ類は、最も乳がん予防として効果がある食品です。
野菜と果物は、これまでも乳がんリスクの低減と乳がんの予後の生存率上昇に、常に関連が確認されてきた事実です。
しかし、単にベジタリアンになるというのではなく、次の食品を主に取り入れることが、乳がん予防に効果があります。
緑色の野菜(アブラナ科の野菜)
アブラナ科の野菜には、乳がん細胞の成長を止め、エストロゲンの排泄を促す強力な抗がん成分が含まれています。
上のお野菜は全てアブラナ科のお野菜たちです。
豆類(特に大豆)
大豆に含まれているイソフラボンが乳がんリスクを高めてしまうのではないかという懸念が蔓延し、大豆を避けるように指導が行われた時代がありました。
しかし、大豆については乳がん予防だけでなく再発予防にもなることが、後に示されています。
詳しくは、『あなたが知るべき大豆と乳がんの関係』をご確認ください。
キノコ類
キノコ類に含まれている菌類には、抗エストロゲン作用があり腫瘍の成長をブロックすることが示されています。
一日にマッシュルームを1個食べ続けるだけで、乳がんを50~70%も予防できることが示されています。
日本の椎茸の詳しい機能については『椎茸』をご参照ください。
タマネギ/ガーリック
ネギ類に含まれている硫黄成分が、発がん性物質をデトックスし、がんの成長を抑制し、血管新生(がん細胞に栄養を補給するための新しい血管の発生)を阻止します。
その他、硫黄成分を多く含む食品については『硫黄成分を含む食品』もご参照ください。
ベリー類
さまざなベリー類について、今まで詳しい機能について執筆した記事をリンクしておきます。併せてご確認ください。
戦略2|アマニ(フラックスシード)/チアシード
亜麻仁(フラックスシード)とチアシードには、リグナンが豊富に含まれています。
リグナンは、抗エストロゲン作用のあるファイトケミカルで、乳がん細胞の成長を阻害することが判明しています。手術前の乳がん患者に大量の亜麻仁油を数週間摂ってもらったところ、乳がん細胞が減少したとする研究報告があります。
2022年6月に科学専門誌『ネーチャー』に発表された研究は、乳がん細胞の転移は睡眠中に起こることを報告しています。がんの転移は、血液中に放出される循環腫瘍細胞(CTC)によって起こりますが、CTCの量は起きている時よりも睡眠中に最も多くなるとのことです。抗がん剤を投与する適切なタイミングを知る上で重要な発見だと研究者は述べています。
ファーマン先生は予防のために、大さじ1杯のフラックスシード(アマニ)またはチアシードを食事に加えることを推奨していますが、上記した新しい発見を考慮すれば、夕食に加えると更に良いことになりますね。
チアシードの詳しい機能については『チアシード』をご確認ください。
魚とナッツとシーズ(種)
魚とナッツやシーズも積極的に食べましょう。
魚とナッツやシーズには、オメガ3不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。オメガ3不飽和脂肪酸が、がん予防になることが広く知られています。
特に、動物性のオメガ3オイルのEPAには抗炎症作用があり、同じくDHAには腫瘍の血管新生と成長を阻害する作用があります。そのため、魚から直接、動物性のオメガ3を摂ることが重要です。
ナッツやシーズ、アマニやチアシードに含まれている植物性のオメガ3は、体内で動物性のオメガ3に変換されなければ、あなたの体は利用できません。そして、この変換率はあまり高くないことが判っています。
ただし、DHAとEPAはサプリメントで摂ると返って危険な場合があります。詳しくは『DHA/EPA』をご確認ください。
戦略3|乳製品を含む動物性タンパク質を減らす
食用肉と乳製品の問題
多くの食用に飼育された動物(牛・豚・鶏・養殖魚など)は、抗生物質、抗菌剤、成長ホルモン剤などが投与されて育ちます。更に、飼料には遺伝子組換えされたトウモロコシや大豆などが使われます。
あなたの体が食べたものでできているように、動物の体も与えられた飼料や薬品でできています。
薬品や遺伝子組み換え飼料によって汚染された肉類・卵・乳製品を食べ続けることで、そうした物質はあなたの体にも蓄積されていきます。
既に、養殖魚を食べ過ぎると乳がんリスクが上昇することが報告されています。
WHOが肉を発がん性物質として登録したことについては『お肉が発がん性物質だという意味は?』をご確認ください。
最近では、抗生物質や抗菌剤・ホルモン剤や遺伝子組換え飼料などを与えずに育った動物のお肉、卵、魚などをネットで購入することが容易になっています。
確かに汚染された食肉に比べて、汚染のない食肉の価格は高いです。でも、高ければ食べ過ぎることもありませんから、「良質なものを少量食べる」という目的は達成されます。良い選択ではないでしょうか。
インシュリン様成長因子(IGF-1)の上昇
インシュリン様成長因子(IGF-1)が上昇すると、乳がんリスクが上昇することが多くの研究によって示されています。
IGF-1は、動物性タンパク質、特に、乳タンパク質(乳製品)を食べることによって、血液中の濃度が高くなります。
戦略4|揚げ物と高温調理された肉を避ける
水分を用いない高温調理は、発がん性物質のアクリルアミドやヘテロサイクリックアミンを発生させます。
そのため、調理は、蒸す、炒める、スープにするくらいに留める、高温で焼いたり、揚げたり炒めたりする料理は、極力さけることが重要です。
アクリルアミドの発生
アクリルアミドは、じゃが芋など、デンプンをもつ食品を高温調理することで発生します。
例、ポテトチップス、フレンチフライなど
ヘテロサイクリックアミン/PhiPの発生
ヘテロサイクリックアミンは、牛・豚・羊など4つ足動物の肉を高温調理することで発生します。
例、BBQ、ステーキなど
鶏肉や魚などを高温調理することでも、PhiPと呼ばれるヘテロサイクリックアミンが発生することが知られています。
例、から揚げ、フライドチキンなど
PhiPは、乳がんを発生させる物質として特定されています。
焼肉は緑茶かガーリックと一緒に
PhiPによる乳がん細胞の成長は、緑茶を1日に3杯以上飲むことで抑制されるという研究報告があります。ただ、追跡調査の完全性が低く、不明な点も多いと研究者は述べています。
また、ガーリックといっしょに焼肉を食べることで、PhiPの有害作用が抑制されたという研究報告もあります。研究者は、ガーリックに含まれている含硫成分二酸化アリルが、PhiP由来の乳がんの発症を予防すると結論づけています。
戦略5|葉酸のサプリメントを避ける
葉酸のサプリメントに広く使用されている合成葉酸が、乳がんリスクを上昇させることが報告されています。
逆に、普通に自然食品に含まれている天然の葉酸は、乳がんリスクを減少させます。
合成葉酸(フォリック・アシッド)が含まれているサプリメントや合成葉酸が添加されている栄養強化食品を食べないことが重要です。
2種類の葉酸の詳しい機能や選び方については『葉酸には2種類あるって知ってますか?』をご確認ください。
>>『乳がんを予防する10の戦略(つづき)』へ続く
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
乳がんが心配、乳がんの再発が心配、でもひとりで取り組むことに不安や難しさを感じているのなら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
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参考文献:
- “Ten Strategies for Preventing Breast Cancer”, Dr. Fuhrman
- “Green tea consumption and breast cancer risk or recurrence: a meta-analysis.“, Ogunleye AA1, Xue F, Michels KB, Breast Cancer Res Treat. 2010 Jan;119(2):477-84. doi: 10.1007/s10549-009-0415-0. Epub 2009 May 13.
- “Diallyl sulfide inhibits PhIP-induced DNA strand breaks in normal human breast epithelial cells“, Wilson C1, Aboyade-Cole A, Newell O, Darling-Reed S, Oriaku E, Thomas R,Oncol Rep. 2007 Apr;17(4):807-11.
- “The metastatic spread of breast cancer accelerates during sleep“, Diamantopoulou, Z., Castro-Giner, F., Schwab, F.D. et al, Nature 607, 156–162 (2022). https://doi.org/10.1038/s41586-022-04875-y
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング