バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
一緒に摂ってはいけない栄養素もある
統合食養学は、食事をすることを大切にする栄養学ですから、統合食養学のヘルスコーチがサプリメントを勧めることは稀です。もちろん病気等特別な理由がある場合は例外です。その場合でも、複数のビタミンや複数のミネラルが1錠/1包/1瓶にミックスされたサプリメントを勧めることはありません。
たくさん混ぜても大した費用にはならないし、混ぜた方が消費者はお得に感じるので、複数の栄養素を組み合わせたサプリメントが存在しているのも事実です。
ですが、好ましくないコンビネーションもあります。
例えば、今回のトピック、ビタミンKとビタミンDです。
1. 特定の人のためのコンビネーション
たぶん多くの人が「骨の健康のために」と、言う宣伝や広告を目にし、真の影響に気づかずにビタミンKが配合されたビタミンDのサプリメントを購入しているのかもしれません。
確かに ビタミンK(特にK2)とビタミンD(特にD3) は体内のカルシウム量を増加させます。しかし、そのコンビネーションが骨を強くするというのは、次の人達が対象の場合です。
- 抗血液凝固剤を服用していない
- 閉経後の
- 女性
ですから、閉経前の女性、そして、もちろん月経のない男性に、次のような問題を引き起こしてしまう可能性があります。
2. 体内のカルシウム量を過剰にする
ビタミンKが含まれているビタミンDのサプリメントは、体内のカルシウム量を多くし過ぎてしまう可能性が高く、そのことで、あまり好ましくない結果を招くことが懸念されます。
例えば、結石や動脈硬化や不整脈などです。(詳しくは『血中のカルシウム量が多いと診断されたら気をつけたい食事と検査して欲しい病気』)
骨を強くすることを目的に、男性や閉経前の女性が、ビタミンK配合のビタミンDのサプリメントを飲むことはお勧めできません。
カルシウムのサプリメントやビタミンKやビタミンDのサプリメントに頼らなくても、骨を強くできるんですよ。その食事については最後にご紹介します。
3. ビタミンK不足は稀
私達がビタミンK不足を起こすことは非常に希です。
そもそも、ビタミンKの体内量は血液検査では判りません。具体的には肝機能障害の程度を診断するために行われるプロトロンビン時間(PT)検査を受け、血液凝固因子の量を測ることによって、ビタミンKの量を推測する方法しかありません。
そのため、もし血液検査だけで、あなたの体内のビタミンKが不足していると指摘する人がいたら、たぶん、サプリメントを売るためだけの詐欺ですから信用しない方が賢明です。
一方で、不必要に紫外線を避ける風潮や魚離れの食事傾向から、ビタミンD不足の現代人は確かに増加傾向にあります。だからと言って、ビタミンDのサプリメントを飲むことは勧められません(理由は『ほぼ全ての細胞が必要とするビタミンDはほぼ全ての機能と関係している』をご確認ください)し、ましてや、ビタミンKが追加されているビタミンDのサプリメントは飲んではいけません。
4. 無料のものにお金を出す必要はない
ビタミンKとビタミンD3は、サプリメントに頼らなくても、只で手に入れることができる栄養素です。
ビタミンD3は、1週間に4日、太陽の光を浴びて夏の昼の15分間散歩するだけで、日照時間が少なくなる冬に必要となるビタミンD3まで、腸内細菌が造って肝臓に貯蔵しておいてくれます。(参照:『ほぼ全ての細胞が必要とするビタミンDはほぼ全ての機能と関係している』)
たった15分間です。
ビタミンK2も腸内細菌が造ってくれます。
ただし、腸内細菌が造ってくれるのはビタミンK2だけなので、私達の体内のビタミンKの80~90%を占めるビタミンK1は緑色の葉物野菜から摂らなければなりません。(詳しくは『ビタミンKの作用と豊富な食品』をご確認ください。)
とはいえ、サラダを食べたら良いのですから、わざわざ高いサプリメントを購入する必要はありません。いくらオーガニック野菜が高いと言ってもサプリメントほど高くはありません。
5. 血がドロドロになる
ビタミンKには血液凝固作用があります。つまり血液が固まりやすい状態にするということです。当然、抗血液凝固剤を服用している人にとっては、その薬の効果を阻害してしまうことになります。
しかし、ビタミンK豊富な緑色の葉物野菜を多く食べると、血液がサラサラになって血行が良くなって冷えが改善されたり、血圧が下がったりすると聞いたことはありませんか?
なぜなら緑色のお野菜に含まれているのは、ビタミンKだけではありません。
お野菜に含まれているその他の多くの栄養素は、私達の体内をアルカリ性に誘導し、肝臓のデトックス作用を助け血液を浄化し、抗酸化作用によって様々な状態を改善してくれます。
それに野菜に多く含まれているビタミンK1の血液凝固作用は2-3時間で消えてしまうんですよ。
一方、肉類や卵などに含まれているビタミンK2の効果は数日間消えません。血液サラサラのために控えるなら野菜よりも動物性食品を避ける方が効果的です。
とはいえ、栄養素はサプリメントから単体で摂るのではなく、食事からホールフードで摂れば、ひとつの栄養素の影響を極端に受けることもなく、バランスよく丁度良く、体内で作用させることができます。
6. 両方を豊富に含む自然食品はほぼない
FDA(米国食品医薬品局)の定義に従えば、「豊富」というのは、1日に必要となる量の10%以上を含んでいる場合を指します。
自然界に存在している食品では、次の様な現象が見られます。
- ビタミンKを豊富に含んでいる食品には、ほぼ、ビタミンDは含まれていません。
- 同様に、ビタミンDを豊富に含んでいる食品で、ビタミンKを同時に豊富に含んでいる食品もほぼありません。
「ほぼ」と記載したのは、輸入牛肉の脂身、そして、鮎と鰻の内臓が、該当するからです。
国産ではなく輸入牛肉の脂にだけ、そして特定の川魚の内臓にだけ含まれていることを考えると、飼育/生育時の餌の成分による影響ではないかと推察されます。
自然界にほぼ存在しないコンビネーションの栄養素をサプリメントで摂ることの不自然さを考えたら、どんな説明をするよりも、この2つの栄養素の組み合わせを(特殊なケースを除いて)摂る必要がないことは明白ではないでしょうか。
食品に含まれている栄養素のバランスには意味がある
私は、「神様は意味のないことはしない」と思っています。
それぞれの自然食品に含まれている様々な栄養素が、なぜそのバランスで、なぜその組み合わせで含まれているのかは、長い長い進化の過程で、そのバランスとその組み合わせが最も、理に適っていたからに違いないと思うのです。
もちろん人間の手によって品種改良されていないお野菜や果物を見つけることは、もはや難しい世の中ですが、それでも、できるだけ無理な「機能性」の強調や遺伝子編集などがなされていないものをホールフードで食べることには意味があると思うのです。
同様に、ひとつの栄養素を独立して摂取させるサプリメントや、自然界ではありえない組み合わせで体内に入れることを可能にしたサプリメントや機能性食品などは、必ず体からの反撃にあうと思います。
不自然なことをすれば、不自然な結果が得られる
その不自然な結果が望ましいものであれば良いですが、少なくともビタミンKとビタミンDの不自然な組み合わせによる、不自然な結果は、高カルシウム血症であり、その後の不整脈や心疾患や結石など諸々です。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのご提案
サプリメントからではなく、ただ普通に食事をするだけで、今回ご紹介した後々の面倒を避けることができるのですから、骨のためにビタミンKが追加されたビタミンDのサプリメントを飲むくらいなら、まずは
- 短時間の日光浴
- 魚
- 緑色の野菜
を食事に加えることを検討して欲しいと思います。
今まで紹介してきた骨の健康のための食事法について、まとめてご紹介します。
- 『みかんの白い筋を取って食べている人は素晴らしい機会を捨てています』
- 『骨粗鬆症を予防して骨を健康にする食品とは?ヒント:カルシウムじゃありません』
- 『ロメインレタスに〇〇効果!骨を強くしたいなら〇〇レタス。個性様々なレタスの不思議な成分』
- 『毎日何粒のプルーンを食べたら骨粗鬆症と認知症を予防できる?』
- 『PM2.5(含む:タバコ)が骨粗鬆症を招くー予防改善してくれる食品とは?(カルシウムでも乳酸菌でもありませんよ)』
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