キッチンを薬局に|基本の15ハーブの機能と使い方(3)

2015/12/21/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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キッチンを薬局にシリーズ

「キッチンを薬局に」 – 健康効果のある伝統的なハーブ15種類を中心に3回に分けて紹介している今回は3回目になります。

シナモン、クローブ、フェンネル、ターメリック、ペパーミントについて紹介します。

これまでのハーブ&スパイスのシリーズは、こちらをご覧ください。

シナモン

通常、シナモンは匂いつけのために仕上げ直前に加えます。

シナモンスティックは風味付けのために煮立てて使用したり、細かく砕いて紅茶やカプチーノなどに入れて使用されます。

お砂糖と非常に相性が良く、アップルパイやクッキーなどの洋菓子によく使用される他、カレー肉料理にも使用される用途が広い香辛料です。

シナモンは、シナマルデハイドと呼ばれる、大腸菌、サルモニア菌、黄色ブドウ球菌など様々なバクテリアを殺す効果のある油性化合物を含んでいるため、風邪インフルエンザの繁殖を抑制する効果があるという研究報告もあります。

また、シナモンは漢方では、桂皮(ケイヒ)と呼ばれ、婦人科の諸症状の改善によく使われるハーブでもあり、生理不順更年期の諸症状に効果があります。

シナマルデハイドには、精神の鎮静効果もあるため、不安ストレスの解消にも効果があります。加えて、発汗作用もあるので、ダイエット効果も期待できます。糖尿病高血糖の改善にも効果があります。また毛細血管を丈夫にし、シミシワなどの老化を防止してくれるとも言われています。その他、腹痛下痢の症状を抑え、腸内に溜まったガスの排出を促進する効果もあります。

ただ、妊娠中の女性には好ましくないと考えられています。

なお、シナモンの詳しい機能については『シナモン』をご確認ください。

クローブ

葉ではなく、花蕾を使うハーブで、とても香りの強い香辛料です。

辛い料理にも甘い料理にも合い、特別相性が悪い食材もなければ、特別に良い食材もありません。

ハンバーグやミートソースなどの肉料理に使う場合は、基本的には肉の臭みを取るために使います。

また、クッキー、サブレ、シフォンケーキなどの焼き菓子バニラエッセンスと一緒に加えることによって、香ばしさがまして、美味しい焼き菓子に仕上がります。

オレンジピールとも相性がよくハーブティにブレンドすると飲みやすくなります。

クローブに含まれる油分の60%から90%は、ユージノールと呼ばれる物質で、抗菌剤、殺菌剤、麻酔薬などの医薬品に用いられるものです、シナモンにも10%ほど含まれています。また、米国FDA(食品医薬局)は、虫歯の詰め物香料として用いても安全と評価しています。

クローブはインシュリンの作用をより効果的にする働きもあり、血糖値を下げる働きが期待できます。また、凍傷の改善・治療に効果があるとも言われています。

クローブは漢方では、丁子(チョウジ)と呼ばれ、体を温める効果があり、また、健胃薬として、消化不良、嘔吐、下痢、冷えによる腹痛を緩和する効果などがあります。しゃっくり吐き気を押さえる効果もあるとされています。

ただし、妊娠中の人や授乳中の人は使用を避けてください。

なお、クローブの詳しい機能については『クローブ』をご確認ください。

簡単レシピ:『アップルソース

フェンネル

素材の臭み取りや香りつけに適しています。通常の料理に使う場合はを使用し、特に、「魚のハーブ」と呼ばれるほど魚との相性は抜群です。

また、お菓子カレーには種子を砕いて使用します。アップルパイやビスケットに適している他、中国の「五香粉」「カレーパウダー」には欠かせません。

フェンネルには揮発油が豊富に含まれており、胃腸内のガスを排出し、ゲップガス溜りによる腹痛、腸の痙攣などを緩和する駆風剤として知られています。また、腸内環境の悪化による口臭体臭を軽減してくれる効果もあります。

フェンネルは漢方では「ウイキョウ」と呼ばれ、女性ホルモンを活性化する働きあり、月経不順更年期症状の改善、授乳中の女性が食すると、母乳の量や出を促進してくれる作用があります。その他、利尿・発汗作用もあるため、ダイエット効果むくみの改善、肥満防止、視力回復に効果があると言われています。

なお、フェンネルの詳しい機能については『フェンネル』をご確認ください。

簡単レシピ:

ターメリック

香りづけや色づけに使用されます。ターメリックは基本的に炒ってから使うハーブです。

特に相性の良い食材も悪い食材もありませんが、野菜料理に使われることが多いように思います。お肉料理の味付けや香りづけ等に使われることはあまりありません。

他の香辛料では、ガラムマサラと相性がよく、一緒に使用すると、より美味しくなります。

ターメリックは漢方では、「ウコン」と呼ばれており、多くの研究がターメリックに含まれているクルクミンなどの悪性腫瘍の前兆と言える臓器炎症を抑制する効果があることを証明しています。

胆汁の分泌を促し、肝機能障害を予防し、胃がんにも効果があります。また、リウマチによる関節炎やキーボードの打ち過ぎ等によって、手や指の神経が通る管が狭くなることによって起こる手指の麻痺(手根管症候群)の抑制にも効果があると言われています。

クルクミンはコレステロールを下げる役割もあり、ターメリックには抗酸化物質が豊富である他にも、ビタミンA、C、Eも豊富で、アンチエイジング白内障の予防に効果があるとも言われています。

なお、ターメリックの詳しい機能については『ターメリック』をご確認ください。

簡単レシピ:

ペパーミント

きれいな生のペパーミントの葉は、飾りとしてとても映えます。

乾燥したペパーミントは、肉や魚の臭みを取り除き、爽やかな香りをつけるために使用されます。

様々なデザート、お菓子等と基本的に相性が良いですが、清涼感のあるペパーミントは、夏場のデザートに適したハーブです。また、ハーブティーとして飲むことで、香りを楽しむだけでなく、質の良い眠りを与えてくれます。

ペパーミントは日本語では「ハッカ」と呼ばれ、胃を整える薬として医学的にも効果が認められています。特に、吐き気嘔吐を治め、消化を助け、胃痙攣を鎮め、ガスゲップを解消し、しゃっくりを止める効果があります。夏場の食欲を増進させる効果もあり、消化能力を一時的に向上させてくれます。

またペパーミントは、精神的なストレスの解消にも効果があり、アロマオイルであるメントールは、脳に良い刺激を与え、気分を晴らし、すっきりさせてくれます。

また、気道をリラックスさせて、バクテリアウィルスを殺す作用があります。

メントールは、痛覚を鈍くする作用もあり、頭痛の緩和にも使われます。ペパーミントの殺菌効果覚せい作用については、多くの科学的な証拠が示すところです。

ただし、妊娠中の女性と2歳未満の子供は避けた方が良いでしょう。

なお、ミントの詳しい機能については『ミント』をご確認ください。

簡単レシピ:『キュウリとミントのフレスカ

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